―その光景は
当時3歳の自分には到底理解しがたいものだった
―いや、
理解したくなかった
両親は、死んでいた
業火に焼かれ、面影もなく
兄の姿も見えない
きっと奥に倒れているのだろう
「―お、かあ、さん…?
おとおさん…?
兄ちゃん―?」
声をかけても、誰も反応することはなかった
「う、うぁ、うわぁぁぁぁぁあああ!」
パニックを起こし、叫びだす
ドォォオオン!
爆音は止まない
かろうじて残っていた理性で身の危険を悟り
廊下に出て助けを呼びながら玄関へ向かう
「誰かー!助けてー!誰かー!」
けれど、誰の返事もない
その時
ズズゥウン!
建物のどこかが崩れ始めたのか
大きな揺れが襲う
そしてその揺れのせいで自分は転け、
床に頭を打ちつける
そしてそのまま、
自分は意識を失った―