声と手の温もりを | flat3 football club 監督日記

flat3 football club 監督日記

街の片隅で細々と活動しているU-15のサッカークラブでした。

できるだけボールを蹴らずにサッカーが上達する方法をさがしていました。

今は「教えない指導」「教えない教育」の布教活動中です。

いつも車椅子のなっちゃんが卒業する

4月5月、なっちゃんもクラスの子もお互いの距離感がわからなかった

6月7月、まだまだ距離は縮まらなかった

9月、クラスの子たちがだんだん距離を意識せずに接してくれるようになった

10月、なっちゃんの周りに集まる人数が増えてきた

11月、女子も男子もいろんな子がなっちゃんに話しかけてくれるようになった

12月、女子だけじゃなく男子までがなっちゃんの手を握ってくれるようになる

1月、"何もできない" って思われていたなっちゃんの、出来る事がいっぱいある事をクラスの子たちがわかり始めてくれた

2月、なっちゃんの瞳が何の警戒心も持たずにクラスの子たちを見るようになった

3月、なっちゃんを車椅子から立たせて卒業証書を受け取らせる案が出た

今日 3月14日 卒業式

三人の男子がなっちゃんを車椅子から立たせて、歩かせて、卒業証書を一緒に受け取ってくれることになった

『生徒だけにやらせるのはどうか……』
『もし倒れて動かなくなったらどうする……』
『車椅子のままの方が安全だし……』

なっちゃんとクラスの子たちのこの一年の "繋がり" を知らない教師たちが言う

なっちゃんを立たせることができる教師は三人もいないのに

なっちゃんを歩かせられる教師なんてただのひとりもいないのに

なっちゃんは、いつも声をかけてくれていつも手を握ってくれたクラスの子の、その声と手の温もりをおぼえてる

だから、その声と手の温もりを信じて身を預けたから練習なんかしなくても立てたし歩けた

今日、なっちゃんと男子三人の卒業証書授与式が上手くいく保証なんて何もない

なっちゃんが車椅子から立てるかどうかさえもわからない

その場に崩れ落ちて動かなくなるかもしれない

けど

『オレにやらせて』って手をあげてくれた彼ら三人の気持ちと、日に日に温かくなっていったクラスの子のなっちゃんへの優しさは必ずなっちゃんの家族へ伝わるはず



教室の雰囲気と同じような
温かな卒業式になりますように