『インテリア』

原題:Interiors

 

1978年製作/アメリカ映画/上映時間:92分

 

監督:ウディ・アレン

出演:ジェラルディン・ペイジ

   メアリー・ベス・ハート

   ダイアン・キートン ほか

 

はた目には裕福なファミリーが、崩壊してゆく様を描くウディ・アレン脚本&監督作品です。

撮影監督は『ゴッドファーザー』シリーズのゴードン・ウィリス。

1979年・第51回アカデミー賞において、監督賞、脚本賞、主演女優賞(ジェラルディン・ペイジ)など5部門でノミネート。

 

あらすじ

 

ロングアイランドの高級住宅地。インテリアデザイナーのイヴ(ジェラルディン・ペイジ)は、30年連れ添った夫・アーサー(E・G・マーシャル)から突然別居話を持ち掛けられる。ショックを受けたイヴは自殺未遂し、3人の娘たちは父親を責める。そんな中、アーサーは新しい恋人を娘たちに引き合わせる・・・。

(Filmmarksより)

 

コミカルな作品が多かったウディ・アレンが重厚でシリアスな作品を作ったことで話題となり、長年「観たい」と思ってきたのですが、なかなか機会がなく、Amazonプライムビデオで配信されており、間もなく配信終了とのことで鑑賞いたしました。

・・・ですが、今、ウディ・アレンの映画を紹介していいものか?という気持ちもあります。

「作り手はゲスでも作品に罪はない」という気持ちで紹介することにいたしました。

気を悪くされた方には深く謝罪いたします。

 

Amazonプライムビデオの紹介欄に”重苦しい”とあったのですが、本当にそんな気持ちにさせられる家族の崩壊(そして”再生”と言っていいのかな?)のドラマです。

娯楽要素ゼロ。

誰ひとり共感できるキャラクターなし・・・なのですが、逆にそこが人間ドラマとしてのリアリティを映し出している気がいたしました。

 

一緒にいると気が滅入る妻を捨て、新しい恋人を作り結婚しようとするお父ちゃん。

このお父ちゃんに批判が集まったレビューが多かったですが、自分はなんとなくその気持ちが分かる気がします。

自分は約20年間難病の母親の付きっきりの介護をしておりました。

「1日でも早くこの地獄から解放されたい」と願っておりました。

このお父ちゃんも同じような気持ちだったように感じます。

 

女流詩人を演じた、当時アレンのパートナーだったダイアン・キートン。

劇中に「優れた作品は死後も生き続ける」というセリフがありました。

昨年10月に惜しまれつつ亡くなられましたが、まさにキートンの数多くの出演作品は今後も生き続けると思います。

 

完璧であろうと思う気持ちのどこかがほつれると同時に歯車が狂い始めてしまう・・・。

人間の浅はかな気持ちと残酷さを取り入れた正直気が滅入る、でも観る価値のある映画だと思いました。

 

クラリネット奏者としても知られるアレンは、他の作品では私好みのジャズを映画に取り入れるのですが、本作は結婚式のダンスシーン以外一切音楽が使われておりませんでした。

 

ビックリしちゃうラストシーンを含め、胸に刺さるか憂鬱になるか分かれる映画です。

自分は好きですが、オススメはいたしません。