『ブラックレイン』

原題:Black Rain

 

1989年製作/アメリカ映画/上映時間:125分

 

監督:リドリー・スコット

出演:マイケル・ダグラス

   アンディ・ガルシア 

   高倉 健 ほか

 

『ブレードランナー』などのリドリー・スコット監督が、マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシア、高倉 健さん、松田 優作さんら日米の豪華俳優陣を迎え描いたクライムアクション映画です。

のちに『スピード』を手掛けるヤン・デ・ボンが撮影監督を務め、音楽は今や映画音楽界の巨匠のハンス・ジマーが担当。

1990年・第62回アカデミー賞において、音響賞、音響効果編集賞にノミネート。

 

あらすじ

 

ニューヨーク市警の刑事ニック(マイケル・ダグラス)と相棒チャーリー(アンディ・ガルシア)は、レストランで日本のヤクザ佐藤(松田 優作)が別の日本人を殺す場面に遭遇。佐藤を逮捕した2人は、日本の大阪府警に佐藤を引き渡す任務で訪日するが、引き渡し直前に佐藤を彼の部下に奪われてしまう。ニックたちは大阪の街で、お目付け役の松本警部補(高倉 健)と行動をともにすることに。やがて佐藤がニューヨークで手に入れた偽ドル札の原版を使い、大物ヤクザ菅井(若山 富三郎)を脅そうとしていると分かるが・・・。

(WOWOWオンラインより)

 

本日9月21日は、松田 優作さんのお誕生日です。(1949年生まれ)

そして本作公開中の1989年11月6日、40歳という若さで亡くなられております。

 

今回は故人の俳優としてのキャリアなど(生い立ち等は割愛させていただきます)を紹介しながら、本作の魅力を綴っていけたらと思っております。

最後までお付き合いいただけたら光栄です。

 

カリフォルニア州の高校に通っていた優作さんは、ニューヨークの劇団の演劇に感銘を受け、演技の道を目指すことに。

ですが、劇団のオーディションに不合格になることもあり、売れないころ、新宿でバーテンダーをしていたとき知り合った村野 武載さんが新人俳優を探しているテレビプロデューサーに優作さんを推薦。

テストの迫真の演技に驚いたプロデューサーの薦めで出演したドラマが、優作さんの名を世に響かせることとなる「太陽にほえろ!」。

1972年からスタートしたこの刑事ドラマで、萩原 健一さん演じるマカロニ刑事殉職後、1973年から新たに配属される新人刑事、ジーパン役で一躍脚光を浴びることになります。

 

その後は数多くの映画に出演し、1977年に「大都会PARTⅡ」でふたたびテレビドラマの刑事役を演じることになります。

1979年に角川映画『蘇る金狼』に主演。

同年、テレビドラマ「探偵物語」は爆発的な人気を博します。

1980年代に入っても数多くの映画に出演。

1986年には『ア・ホーマンス』で映画監督に初挑戦をしております。

 

野茂 英雄さんが海を渡ってMLBで活躍する。

渡辺 謙さんがアカデミー賞にノミネートされる。

そんな想像できないことが起こるかなり前、ビックリするニュースが映画ファンの自分の耳に届きました。

『ブレードランナー』のリドリー・スコット監督、『ウォール街』(1987)でアカデミー賞最優秀主演男優賞受賞のマイケル・ダグラス主演のハリウッド映画が日本で撮影され、日本からも高倉 健さん、優作さんら多くの俳優が参加するというニュースを聞き、本当に嬉しくなりました。

健さんと優作さんは今まで共演したことがなく、優作さんは記者会見で「憧れの高倉 健さんとまさかハリウッド映画で初共演できるとは夢のよう」と喜んでいらっしゃいました。

(上の写真は生前優作さんが大切にされていたものだそうです)

 

しかし、クランクイン前に自宅で倒れ緊急入院し、自身が癌に侵されていることを知ります。

延命治療を受けるよう医師に言われますが、このような機会は2度とないと思った優作さんはそれを拒否し撮影に参加。

自身が癌であることは共演の安岡 力也氏以外に知らさらず、もうこれが自分の最後の作品と覚悟のうえでの演技を披露いたしました。

 

完成した映画は全米でオープニング興行成績1位を記録する大ヒット。

少し遅れて日本公開1日前の1989年10月6日、第3回東京国際映画祭に来日中だったリドリー・スコット監督に「どうしても挨拶したい」と出席しましたが、体の痛みから舞台挨拶を欠席。

これが公の場に現れた最後の姿となってしまいました。

10月7日に日本公開されましたが、日本ではアメリカほどのヒットにはならず。

しかし日本中が震撼した11月6日、松田 優作・膀胱癌のため死去のニュースが皮肉なことに、遺作となってしまった本作をヒットへ導くことに・・・。

 

訃報を知ったマイケル・ダグラスからも優作さんへ哀悼の言葉が寄せられ、健さんは”最高の共演者”だけに手渡すというロレックスの腕時計を奥様へ手渡したそうです。

 

「太陽にほえろ!」のときから大好きな俳優さんで、訃報を知ったとき、頭が真っ白になってしまった記憶があります。

自分はこの映画の公開を楽しみにしていて、公開初日に鑑賞したのですが、壮絶な痛みに耐えながらあそこまで演技をしていたと思うともっと優作さんをじっくりと観れば・・・などとという考えがよぎりました。

 

大好きな作品は本当に多いのですが、特に気に入っているものは映画は『家族ゲーム』(1983)。

テレビドラマは「探偵物語」で、演じた工藤俊作の30㎝ほどの稼働フィギュアを持っております。

(Wikipediaを参考にさせていただきました)

 

本格的日本ロケを売りにした映画なのですが、規制が厳しく、日本で撮影されたものはほとんど使い物にならず、ハリウッドのスタジオにセットを作っての撮影の方が多かったそうです。

当時、日本はバブル経済絶頂期でアメリカの会社や不動産買収を多く行っており、意図的に日本や日本人を悪く描くハリウッド映画が多かったころなのですが、本作にはそのような悪意はまったく存在していなかったのも良かったと思えるところでした。

 

マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシア、スピルバーグの奥方(←名前書きなさい)はお元気ですが、本作の日本人キャストは優作さんをはじめ、ほとんど他界してしまいました。

健さん、若山さん、神山さん、裕也さん、ガッツさん、力也さん・・・。えーん

國村 準さん、これからも頑張れください!

 

”命を懸ける”。

口で言うのは簡単ですが、それを実行できる人はほとんどいないと思います。

優作さんはそれをやり遂げました。

優作さんの命を懸けた演技は言葉で表せないほど、本当にすばらしいものだと思います。

 

映画としてもクライムアクション作品として、今観ても楽しめるものに仕上がっていると思います。

ハンス・ジマーは同年2月に公開された『レインマン』(1988)で初めて知りましたが、本作でもすばらしいスコアを作曲しておりました。

 

優作さんを知らない、優作さんと同じ時間を生きたことのない若い映画ファンにぜひオススメしたい映画です。

マイケル・ダグラスのことも書きたかったのですが、枠のこともあり、まったく書けませんでした。あせる