従兄弟から一枚の写真が送られてきた。
従兄弟の父親のアルバムを整理して発見したという。
私は四人兄弟の末っ子。
母の二十歳前後のものだから私の生まれる随分前のものだ。
私は母親の写真をほとんど持っていない。
四十年前に癌で若くして亡くなった母の面影は記憶の中にしか無い。
写真館で撮ったであろう、そのセピア色に染まった和服姿の母は少し微笑んでいるように見える。
母にもこんなに若く綺麗な時代が有ったのだ。
優しくて真面目な母は、金銭や女にだらしの無い父親に随分と苦労させられていたのだ。
それでも最後まで父に寄り添い逝った。
具合が悪くなっても世あたりが下手な私の事を随分と心配していたらしい。
写真の中から優しく見つめるられると万感胸に去来し涙が溢れ出た。
母ちゃん。
母ちゃん。
