著者は現在までの15年間、AVアイドルから、末端の企画AV女優や素人売春婦まで700人のインタビューをとおして、セックスワーカーとは何なのかを探る。
読んで性的興奮するような本ではなく、非常に真面目な一冊。
AV女優は、現在では、街でスカウトされたり、自ら応募(これが大半)したりして、150社あまり有るプロダクションに毎年5、000人ほど供給されるという。
この人たちも、合格率15パーセントと言われる難関を突破した人達だ。
AV界には「単体」「企画単体」「企画」という身分制度がありスタークラスの「単体女優」はひとにぎりで、90パーセントが「単体企画女優」か「企画女優」となる。
しかも、最下層の企画女優の半数が売り上げゼロという厳しい世界である。
仕事が有っても日当3万円、これで見ず知らずの男優と本番(擬似は殆どない)してカメラに映り、DVDになり、ネットに晒され、最終的には消しなしの映像が出回るリスクがある。
それではなぜこれほどの志望者が有るのだろう。
若いOLや店員の月収は十数万円で地方からの出身者にとって都会での生活はかなり苦しい。
調査によると、24歳以下の女性の58パーセントが「恋人がいない」と答えているという、このような社会背景と性の規範の崩壊により性風俗への人材供給圧力は年々増しているという。
若くルックスの良い人材の供給過剰により風俗業界もデフレに陥っている。
上位数パーセントの女優の寿命も3年程度という。
その後のAV女優の70パーセントは、ソープ嬢やヘルス嬢などの風俗嬢になるという。
「楽にたのしく稼げた」また「必要とされた」「承認願望が満たされた」などの成功体験が忘れられなくなる。
あらゆる異常な性体験の快感が忘れられなくなる。
ビデオ業界のパーティー会場で、私が直接聞いた話でも、その人は小さい頃から性欲や性への好奇心が強く、小学生の頃から自慰をおぼえた。
風俗へは半ば趣味で入った。
今まで言われた事もない綺麗とか可愛いと言われた。
収入もアパレル業界にいた時には考えられないほど稼いだ。
「好きでやっているし風俗は天職、だから病まないの」という言葉を思い出した。
女性の身体は、消費される。
AVからヘルス、ヘルスから大衆ソープランド、大衆ソープランドから裏風俗、そして自分でお客を見つける個人買春と限りなく下層に流れという。
その彼女たちにも40歳の壁が立ち塞がる。
40を超えると商品価値が著しく落ちる。
その前に彼女達の武器、ルックスの良さ、性に対する大胆さなどでパートナーを見つけるのは容易らしい。
彼女達の未来は、明るい。
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