昨日、仕事を終えて、かねてから約束していた酒席(なんと9日ぶりの飲酒です)に向かうべく新宿の靖国通りを歩いているときショートメールが届きました。
開くと・・・
【マリア・ジョアン・ピリス ピアノ・リサイタル】は、本人の健康上の理由で中止させていただく事になりました。残念ではございますが、何卒ご理解いただきたくお願い申し上げます。
というメッセージが届いていました。
「・・・・・・・あぁ~・・・残念・・・・・」
シューベルトの即興曲とモーッアルト・・・ピリスで一番聴きたかったプログラムでした。しかも名古屋だけの一夜限りのリサイタルでした。
「前回(2022年)聴いたのが最後になっちゃうのかなぁ・・・」
などというとても寂しいことも考えてしまいました。
引退リサイタルということで聴きに行った2018年のサントリーホールのリサイタルは、実は最後のリサイタルではなく2022年11月29日に復活リサイタルをやってくれました。
2018年のチラシのコピー・・・強烈でした。
「衝撃の引退表明 巨匠最後の日本ツアー」
2018年の引退リサイタルで弾いたベートーヴェンの32番2楽章の変奏は、これほどスイングする変奏は聴いたことがない・・・というほど凄いノリの演奏で、だからこそ終結部の静謐な空気がより際立ったことをよく覚えています。
「巨匠最後の日本ツアー」と思って臨んだコンサートですから、32番の最後の音が宙に溶けて消えたとき、いろいろな思い出が去来したのでしょう。自然に涙があふれました。
「これだけのピアノを弾く人が引退なんてもったいなさすぎる」ととても残念に思っていたら先の2022年の復活リサイタル。
プログラムが凄かった!
シューベルトの13番、ドビュッシーのベルガマスク組曲、シューベルトの21番。
プログラムだけでどれだけテンションが上がったことか・・・
実演については・・語る言葉がありません・・・
引退から復活・・・でもご高齢だから次の機会はどうなることやら・・と思っていたら名古屋でのコンサート。歓喜。そして中止。
「健康上の理由」とのことなので、ピリスのご快復を祈るばかりです。
世界中にたくさんいるあなたのピアノを愛する人たちのために、どうかお元気になってあなたしか弾けない音楽を聴かせてください。
一昨日から仕事の関係で新宿のホテルに連泊しています。
朝6時半に昨夜は人であふれかえっていた裏通りを散歩してみました。
誰一人いない繁華街・・・今日は36度にもなるそうです。
今日の夕刻、仕事を終えたら新幹線で妻と犬と庭の花々のもとに帰ります。
一週間・・・早かったなぁ・・・