昨日のセガン&メットのブログを読んだ友人から、水曜:マーラー⇒木曜:バルトークという順番は正解!

というメールが届きました。

彼は、火曜:バルトーク⇒水曜:マーラーという順番で行ったので「あのバルトークを聴いてしまった後でマーラーはね(マーラーじゃなくても何が来ても太刀打ちできんでしょうという意味です)ということだったそうで、2日目にバルトークを持ってきた私の選択は正しいよ・・という趣旨です。

 

昨日と打って変わって・・今日はまあ凄かった。

ワーグナーのさまよえるオランダ人は序曲のみなので、舞台の幕があがってという展開にならないことは分かっているのに、舞台の幕が開くのを期待させるワクワク感でみちていました。

 

ドビッシーはもともと私はこのオペラの熱烈なファンなので、曲が好きという土台があるうえにメットの繊細な木管を要とする緻密なアンサンブルに蕩けそうでした。

私は30年ほど前にアバド&ウィーンフィルのディスクでこの曲に開眼しました。

全編夜のオペラをアバドが細密画を描くように振ったこのディスクは私の規範となっているので、最近もロト(いったい何やってるんですかねこの人は・・・)のディスクを聴きましたが・・・と言っても半年以上前か・・・大騒ぎされていましたがアバドの足元にも及ばんと感じておりました。今や別のことで大騒ぎされて来日も飛んで、この種のことはいったいいつまで続くことやら・・・

 

そしてバルトーク。

多くの人と同じで私もガランチャの歌を目的にこのチケットをとりました。

15年ほどまえにベッリーニの「カプレーティとモンテッキ」のディスクで惚れました。このディスク、ネトレプコとガランチャの二枚看板でジャケットも麗しいお二人が並んでいます。

その後もリートのアルバムを聴いたりしてきましたが、実はガランチャのリアルボイスを聴くのは今日が初めてです。

なかなかタイミングが合わないまま今日に至りました。

 

ガランチャが、第一声を発した後、オケが入った瞬間になぜか涙がどっと溢れました。

ガランチャの声ではなく、その次に出たオケで涙が溢れたのです。

何かとてつもなく凄いものが始まる予感に心が震えたのだと思います。

 

この曲もスタートはぺリアスのように夜というか闇の音楽ですが、扉が開きついに庭の花々を照らす陽が満ちて壮大な領土が眼前に現れます。

LC,RC各ブロックのブラスのバンダのバランスも絶妙で、ホールにバルトークが描きたかったであろう風景がまざまざと展開されました。

今、電車の中でこの投稿を書いてますが、友人から第5の扉が開いたときに総毛立ったとメールが届きました。ここは聴衆の多くが総毛立ったのではないかと思えるほど素晴らしい響がホールを包みました。

あっという間でした。

夢のような時間は飛ぶように過ぎました・・・

バス・バリトンのヴァン・ホーンもガランチャもただただひたすらにカッコよかったなぁ・・・

もちろんセガンのさばきも抜群でした。

 

っで、先日、今のところ今年のベストと記したチョ・ソンジンとどっちがいいのさ?

と問われたら、迷わずチョです。

クラシック音楽の魅力は様々ですが、私は孤高の表現が一番グッときます。

今日のコンサートはまさに総合芸術の粋を集めた最高傑作だと思います。

とても素晴らしかったです。

でも私には、音楽と正面から向き合って戦い抜いて、あしたのジョーのように燃え尽きて灰になってしまうような音楽が一番フィットします。

チョ・ソンジンの燃え尽きた姿が忘れられません。

 

と言いながら、やはり今日のガランチャは忘れがたく、帰宅したら先に記したベッリーニを聴きます!!