週末に届いたセガン&ヨーロッパ室内管のブラームス交響曲全集で個人的にセガンの株、爆上がり状態で今日を迎えました。
クラ友たちからも「いよいよ今日ですね!」と昼間からメールが入るハイテンション状態。
前半のモーッアルトのアリア、もちろん楽しめました。
でも何と言っても今日のメインディッシュはセガンが振るメトロポリタンのマラ5です。
パンフによるとメトは13年ぶりの来日だそうです。
私は13年前はおそらく聴いてないと思います。
もっと前にレヴァインの指揮で聴いてますが、アンコールのマイスタージンガーしか記憶に残っていません。
でも圧倒的なパワーはもちろん覚えています。
マイスタージンガーのキラキラ感を、もしかしたら20年くらい経過しているのに覚えているくらいですから。
っで、今日の5番。
私にはかなりビミョウ・・・
1楽章のトランペットはゆっくりなテンポで結構粘る感じで「今日の天気みたいだなぁ」みたいな余計なこともよぎりました。
でもセガンが振るんだから緩急の緩だよね・・・これからアクセル踏んで緊張感高めたりいろいろやってくれるんだろうなぁ・・・と思っていました。
1楽章でエモーショナルな意味でも一番激するところもあまりテンションあがらず。
2楽章も小澤さんが「ここにピークを持って行くんだ」と何かの動画で見た箇所もピークにならず。
私は、マーラーは緩急が命などと言うつもりはありません。
緩急があるよい演奏もあれば、緩急がなくてもよい演奏はあるので。
(ここでいうよい演奏というのは、あくまで私の好きな演奏という意味です)
3楽章と4楽章はそこそこよかったです。
4楽章ではステージ上部につるされたビールの泡をモチーフにしたシャンデリアを見上げて遠い昔に思いを馳せたりもしました。
5楽章はアメリカのファーストクラスのオケが本気出したらこんな感じ・・という感じ。
盛大な拍手喝采になることは予想されたし、実際そうなりました。
でもね。
先日のチョ・ソンジンでは盛大な拍手喝采だけではなく、聴衆のほぼ全員がチョの最後の打鍵で総立ちになったのです。
今日は私の見る限り数名がスタンディング。
やっぱり聴衆は正直です。
クラシックマニアであるかなしかにかかわらず、総立ちにさせてしまう音楽もあれば、数人がスタンディングするコンサートに分かれるわけです。
べつにスタンディングの多寡でコンサートの良し悪しが決まるわけではありませんが、圧倒的な感銘を与えてくれるコンサートと圧倒的とまでは言わずとも深い感銘を与えてくれるコンサートの違いは聴衆の反応で分かることもあります。
今日はかなり盛大な拍手喝采は飛びましたが、数名が立った姿を見て、私は
「まあ、こんなもんだろうなぁ」と思いました。
明日のバルトークに期待です。
アフターにクラ友と赤坂のツィメルマンがいきつけの店に行って2時間弱飲みました。
クラ友が私に「コマネチの演技ってみました?」と問うのです。
私は「リアルタイムでみたよ」と返すと、彼は「コマネチの演技、当時は10点なんですよ。」「だよね。当時は前代未聞の10点だったよ」「でもね、今の体操の演技見たことあります?今ならあれじゃ絶対10点いかない」と言うわけです。
彼はピアニストの技術も同じで、私がリヒテルの21番について投稿したブログについて「よく、あんな殺されそうなこと書きましたよね」と言いつつも「でも、リヒテルのピアノも当時のコマネチが10点と同じところがあって・・」と言うわけです。
ちなみに彼は「墓場巡りが好き」と自称するくらい、リヒテルやリヒターの演奏に心酔しています。
彼はリヒテルのピアニストとしての凄さを十分わかった上で今の若いピアニストの技術レベルも評価しています。
私が先日「リヒテルこんなに下手だったけ」と記した話は彼のコマネチ話と同次元の話です。
技術と感銘はリンクしません。
私は月曜来ずっと家にいるときはリヒテルを聴いてます。
今日の演奏はコマネチで言えば、当時レベルCが最難度だったのに、今やFだかGだか知りませんが、レベルがあがっているのと同様、技術レベルではトップクラスです。FとかGとかなんでしょう。
でも感銘レベルと技術レベルって必ずしも比例しないので。
私としては明日に期待!です。
マーラー5番って本当に難しいですね。
技術はFランククラスのオケからすれば楽勝ですが、聴き手の心に響かせるということは全くべつ話です。
私は「7月30日に聴くパンパシフィックオケのマラ5の方が今日よりもいいかもしれないよ??」とクラ友に言いました。
「若いメンバーのオケが、バーンスタイン創設のパンパシのメンバーという誇りを感じながら披露してくれるマラ5は無限大の可能性があるからね」・・と私はクラ友に添えました。