サントリーホールで掲題のコンビでハイドンの交響曲第104番とストラヴィンスキーのペトルーシュカ、ラヴェルのダフニスとクロエ第2組曲を聴いてきました。
ピアノは阪田知樹さん。
昨年ラフマニノフのピアノ協奏曲全曲演奏会も行きました。
続出する日本の傑出した若手ピアニストの一人です。
コンサートが終わり東京駅に向かいました。
仙台行最終電車にも余裕で間に合いました。
とてもよいコンサートだったのでハイボールがより一層美味い!
明日は午前中に仕事を終わらせて夜にはまたサントリーでチョ・ソンジンです。
魔術師を見逃すな!!
とありますが、魔術師を見逃すわけないでしょ!!です。
デュトワはとにかくハズレがない。
このハズレのなさは、チョン・ミョンフンと並ぶものではないかと私は思います。
ハイドンってこんなに面白かった??
オーケストラのコントロール能力が尋常ならざるレベルの方なので、欲しい音、欲しいフレージングを好きなようにオケから引っ張り出します。
棒(ハイドンはバトンなし)も明快極まりないから、聴衆側も彼の手によってオケが千変万化する様が手にとるようにわかるから視覚的にも魅了されます。
いつも感じることですがデュトワはスコアが複雑になればなるほど指揮がシンプルになるように感じられます。
もちろん振りは、時に千手観音のようになるときもあるのですが、リアル千手観音を観た時に「乱れ」を感じることがないのと同じで整然としているのです。
例えばペトルーシュカのように同時に別の曲を演奏しているの??と思えるような場面でもバタバタ感ゼロ。汗ひとつかかずに振ってます。
80歳過ぎてこの動き、まあ信じられないですね。
魔術師です。
トランペットの首席山川さんの演奏にはほとほと感心させられました。
とても多彩な表現に楽しい気持ちで一杯になりました。
ダフニスとクロエは魔術師が書いたスコアを魔術師が振るわけですから、ただただ感嘆するほかありませんでした。
もし、今日のコンサートにオケ鑑賞が初めての人がいらしていたならば相当驚いたと思います。
ハイドンとストラヴィンスキー&ラヴェルでは編成が違うので、その違いはさておき、ストラヴィンスキーとラヴェルのフルセットのオケの音に「これ・・・同じオーケストラなんですよね。どうして、こんなに音が違うんですか??」と理解不能状態になってしまうと思うのです。
音が全然違うんです。
「どうして、こんなに音が違うんですか?」
に対する答えは・・・「魔術師が振ってるから」
ということになります。
というわけで・・・今日のコンサートも本当に素晴らしかったです。
満員御礼も当然です(新日本フィルの皆様おめでとうございます!)。
聴衆のデュトワに対するリスペクトも拍手から滲み出ていました。
例えば、バレンボイムがオペラを振って2幕でオケピットに登場したときなど、フィナーレなの??と思えるくら熱い熱い拍手が打ち鳴らされます。
1幕で心を奪われた聴衆が「感動しました!」「ありがとう!」といった気持ちを込めた拍手で迎えます。
私は前半のハイドンが終わった時点の拍手で聴衆のデュトワに対する敬意を感じました。
ところで、今日の昼間に名古屋のピリスのチケットを押さえました。
どうやら名古屋オンリーみたいですね。
このチラシの発売日はどう解釈すればよいのでしょうか???
5月24日から先行予約とあり、一般発売は6月28日とあります。
私は「一般」の人なので当然6月28日にならないと購入できないと思っていました。
先行予約できるのは愛知の芸術劇場の会員とかそういう人なのかな・・・と。
念のため電話で「6月28日からですよね??」と確認してみました。
そうしたら「今、このお電話でご購入可能です」とのことで、大慌てで押さえました。1階は完売とのことで2階席を押さえました。
仕事場のスタッフにこのチラシを見せて「これさー、名古屋の芸術劇場に縁もゆかりもない僕はさ・・6月28日にならないと買えないと普通思うよね??」と聞いたら、「いやいや5月24日って普通思いますよ」と返されてしまいました。
最近の世の中の仕組みはよくわかりません。
でも若い人たちは別に困らないようなので(もしかしたら私の同輩も迷わず5月に購入するのかもしれませんが・・・)騒ぐこともないのかもしれません。
ともかくピリス・・・聴けることになってよかったです。
79歳だそうです。
とにかく、ピリスがこの世にいなくなったら、もう二度とあの小さな身体から紡ぎ出される豊潤な音楽は聴けないんです。
「豊潤」はハズレてはないけどちょっと違いますね。
なんと言えばいいんだろう・・・余計な色がついていない音楽・・・そうだ、限りなくピュアな音楽・・・の方が当たっているかもしれません。
ピリスは好きな場所で好きな曲しか弾かないそうで、好きな場所が「名古屋」で、
今回好きな曲がモーッアルトとシューベルトのようです。
この2人の天才たちの音楽とピリスのピアノがどれほどフィットしていることか・・
ピリスが日本に来てくれるなら・・・私には行かないという選択はありませんでした。
あー・・・ピリスが聴ける・・・なんて幸せなんだろう・・・