ここ数日チック・コリアのリターン・トゥー・フォーエバーをずっと聴いてます。
今朝も5時から聴いてました。
こちらの東京の家だけでも2枚ありました。
1972年2月2日と3日。
たった2日間で・・・・・・・こんな凄い音楽を創ってしまう若者たち。
偉業を残そうなんてきっと思ってません。
自分たちが熱くなれる音楽をただただプレイしたのだと思います。
ここ数日で十数回聴いてます。
もちろん今も聴いてます。
チックのフェンダーローゼスもとてつもなくいいのですが、やはりスタンリー・クラークのベース。
彼のベースを聴いていると、樹々が何倍速かで成長している動画を観ているようです。
緑の枝がぐいぐいのびていく様を見せつけられるようなその生命力あふれるベース。
アコべなのにディストーションつけてるのかと思うくらいパワフルなベース。
こんな弾き方したら1年で楽器壊れんじゃないかと思うくらいの全力投球。
まぁベースからしたら本望でしょうね。
ここまで活かせくれるプレイヤーのもとに嫁げたこと・・・と思えるくらいです。
スタンリーのベースを聴いていたら私が20代のときに逝ってしまった父のベースを
弾いてみたくなりました。
本当にいい音がします。
個人宅の家の中で弾くと、こんなに大きな音がするのかと思えるほどずしりと響きます。
私の父は本業とは別にイベントでベースを弾いたりNHKのFMのローカル局の枠でジャズの番組のDJをやってました。
だから父のジャズのレコードには父がストップウォッチで計測したタイムが書き残されています。放送で流す時間を考えていたのだと思います。
父は、当時小学生だった私に「今日、放送があるよ」などと伝えてなかったので、私は父のラジオ放送を聴いたことがありません。
チック・コリアも聴いてみな・・・と言われたこともありません。
父の棺桶に入れたマイルス・デイヴィスの聴き過ぎて擦り切れて買いなおしたラウンド・ミッドナイト・・・なんとアナログ盤5枚も(レコードは溶けてしまうのでジャケットだけにしてくれと葬儀場の係の人に言われました)「これいいから聴いてみな」と言われたことは一度もありません。
父はわかっていたのだと思います。
マイルスやチックの音楽は、俺がレコメンドする必要なんかないんだよ・・・それくらい音楽が全てを伝えてくれるんだよ・・・と。
そして何も言わずに私が小学生のときには、3月28日投稿した世界大音楽全集も揃えてくれました。
父自身は(たぶん・・いや絶対)一度も聴いたことがないのに・・・
私が気に入ればいいな・・・という想いで揃えてくれたのだと思います。
(メッチャ気に入りましたよ!私はクラシック音楽なしの人生なんて考えられません!全てあなたのおかげです!)
父の思っていたとおり、私は音楽は本業ではありませんが、音楽のとりこになりチックやマイルスの音楽に傾倒しています。
私のギターへの入れ込みは5月3日のMateusuAsatoの投稿に記したとおりです。
東京の家の各部屋には全てギターがあります。
いつも音楽がそばにあります。
今日は私の寝室にあるギターを紹介します。
フェンダー・テレキャスター
この相棒は寝室のソファーにポンと置いてあって、手をのばせば弾ける距離にあります。
イバニーズのジョージ・ベンソンモデル
こちらは寝室のオーディオセットのそばに鎮座してます。
太い弦を張っているのでパッと手にとるのはどうしてもフェンダーになります。
こんな風にいつも音楽が傍にある生活になったのも、もう40年近く前に逝ってしまった父の影響なんだろうなあ・・と思うとともに、音楽という生きていく中、とてつもないパワーを届けてくれるものに何の押しつけもなく仲良くさせてくれた父への感謝の気持ちがあふれます。
高校生のときに某楽器メーカーのロックのコンテスト?フェス?の地区予選でベストギタリスト賞をとった余波で、進学して東京に来たときにいろんな大学のジャズ研から「うちで弾いてみない?」と声をかけられ、ギター一本持ってジャムセッションに混ぜてもらってました。
その中で父の出身大学のジャズ研に声をかけられたのは嬉しかったなあ・・・
当時、そのジャズ研に「父の出身大学なんですよ」とか、父に「オヤジのいた大学のジャズ研に呼ばれたよ」とか言いませんでした。
言ってもよさそうなものなのに、なぜか言いませんでした。
言わないうちに逝ってしまいました。
父は昭和20年代だと思いますが、大学で「ダンパ」が大流行していた頃(私が20歳の頃のディスコみたいなものです)ベースプレイヤーとして花形だったようです。
もちろん父が語ったことではありません。
高校生の同級生の女子が「〇〇君のお父さんって、〇〇大学でベース弾いてた人??
お母さんが言ってた。お母さんが大学のときにダンパでベース弾いてた人の息子さんじゃないかな?珍らしい名前だから・・・って。あの頃、あんな大きな楽器を軽々と持って舞台に現れて楽々と弾いてて、とってもカッコよかったんだよって言ってた」と言われました。
もちろん〇〇大学でベース弾いてた人です(笑)