山田和樹&モンテカルロフィル&藤田真央 | クラシックとバラの日々
- 今日のサントリーホールは、
- 指揮:山田和樹 ピアノ:藤田真央
- モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団
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![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240529/00/struck-love/70/33/j/o0405064015444676741.jpg?caw=800)
- 曲目は、以下のとおりです。
- ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
サン=サーンス:交響曲第3番 ハ短調 Op. 78 R. 176 「オルガン付」
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- 矢代秋雄:夢の舟(ピアノ・アンコール)
矢代秋雄:24のプレリュードより 第9番(ピアノ・アンコール)
F.シュレーカー:舞踏劇『ロココ』より 第3番 マドリガル
ビゼー:『アルルの女』第2組曲 ファランドール
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- 牧神の午後は快調な滑り出しで、山田さんの手綱も隅々までしっかり効いていて良い演奏でした。
- ただ、先週木曜にルイージが振ったN響の「音が鳴っているだけで至福の時間」を経験してしまっているので、それにくらべるとオケそれ自体の音の魅力はやや大味かもしれません。
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- 牧神が終わってピアノを準備している頃から、藤田さんの大ファンの妻の期待はどんどん高まり、そして、いつものように藤田さんが(今日は手もみのような登場の際の動きはありませんでしたが)控えめオーラを出しながら登場しました。
- 藤田さんが舞台に出てくるときの極私的な印象ですが、噺家さんがお客さんに「さあ、これから皆さん楽しんでくださいね」と肩肘に全く余計な力が入ることなく自然体で出てくる姿とどうしても重なってしまいます。
- ピアノを弾いているときも力みなど全く無縁で、弾き姿を見ていると、CDのモーッアルト全集のあの自然な音楽とすっと重なります。
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- 肝心の音楽は・・というと、少なくとも、私の好きなラヴェルの演奏ではありませんでした。
- 終演後の休憩で、妻が「藤田君、調子悪かったのかな??」と切り出し、あー、やっぱり妻にとっても最上の演奏ではなかったのだなと分かりました。
- 「2楽章も、もっと繊細なピアノを弾く人もいるけど・・・でも、藤田君、最高!」と言うので「もっと繊細なピアノがあるのに、最高って意味わからんし」と私に突っ込まれておりました。「最高は、最高なの。3楽章も鳥肌が立ったし」とますます混迷を深めておりました。
- 私は不世出のピアニスト、アルゲリッチの演奏が血肉になっているので、アルゲリッチの野生動物が飛び掛かり、急所に噛みついてトドメを刺すような演奏が好みです。まぁ、アルゲリッチの前にも後にもアルゲリッチなしですからねぇ・・
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- 私は、藤田さんのピアノは、去年聴いた、チェコフルでドヴォルザークのピアノ協奏曲を弾いたそれの方が各段によかったなぁと感じています。
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- ラヴェルのピアノ協奏曲の2楽章で、私が一番好きなのは、ジャズピアニストのハービー・ハンコックの演奏です。「ガーシュイン・ワールド」というアルバムに入っており、バックはオルフェウス室内管弦楽団です。木管楽器も抜群です。ハービーが抑えきれない感情をインプロヴィゼーションで音にしてしまうところなどメッチャ刺さります。モーッアルトをジャズピアニストが崩して弾いたりするのは全く刺さりませんが、ハービーのラヴェルは、オルフェウスとの呼吸も絶妙で永きにわたって聴き続けています。
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- 後半のサン・サーンス。
- まず曲がとにかくカッコいいし、こちらも相当期待したのですが、ごめんなさい。リズムがチェンジするときの切れ味が鈍いです。
- 例えば3楽章など、演奏によっては「めくるめく時」になるのですが、今日はそうはなりませんでした。
- 10年ほど前にヤルヴィがパリ菅でこの曲をやったときは、まさに千変万化。
- 「こんなカッコいい曲のスコアはいったいどうなってるんだ?」と思い、帰りの電車でAmazonでスコアをポチッして3楽章を読み耽ったことをよく覚えています。
- 2楽章も色彩感がもっと欲しかったかなぁ・・・
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- 会場を出て、妻に「サン・サーンス・・・うーん・・ねぇ・・・」と言うと「やっぱりチョンさんだよね」と妻はチョン・ミョンフンの演奏の素晴らしさを指摘しました。
- チョンさんはオケ違いでサン・サーンスの3番はCDもDVDもリリースしていますが、比類のない切れ味です。
- ほとんど振ってないのに、どうしたらあんなマジックが起こせるのか本当に不思議です。
- 10年以上前に公開リハでチョンさんが、東フィルを振るベートーヴェン7番の3楽章のリハを見る機会がありましたが、その時も3楽章のリズムを何度も何度も練習してました。
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- 今日は、私としては終演後「凄かったねえ!」「今でも涙が滲むわ・・・」といった言葉が自然にあふれるコンサートにはなりませんでした。
- でも、そういった言葉があふれる「さっきの音楽は本当にこの世のものなのか??」と思える演奏はそうは巡り合えるものでもありません。
- お二人のコンサートにはこれから何度も行くことになります。
- そうだ、昨日届いた日本フィルの来季のサントリーシリーズのプロを見て会員になることを今日決めたばかりです。
- 山田さんのコンサートも入っていました。
- 藤田さんも12月にサントリーでリサイタルをなさるそうです。
- 素晴しい音楽と出会えることを楽しみにしております。
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