昨夜、ヒラリー・ハーンをオペラシティで聴いてきました。
ブラームスのソナタ3曲。
今日のコンサートは私にはちょっときつかったです。
1階平土間のステージ向かって右側(ピアニストの手が見えない側)のセンターの通路近辺でしたが、どうにもピアノが賑やか過ぎて音楽になかなか入れませんでした。
ブラームスのソナタ3曲の私にとっての決定盤はデュメイとピリスの盤ですが、あのディスクが心の深いところに浸みついているので、意識しなくてもピリスと比較してしまったみたいです。
家に帰ってからピリスのディスクを聴いてみました。
「ああ、これだよなぁ」と思いました。
ヴァイオリンにしっかり寄り添って、対話したり、ちょっとカウンター入れてみたり、ヴァイオリンとピアノが綺麗に溶け合って音楽がとても自然に呼吸しているのがよくわかります。
ハーンほどの大家が指名するピアニストなんだから、きっと素晴らしいピアニストなんでしょうが、私には合いませんでした。
前回のベートーヴェンの時もちょっと違和感はあったのですが、昨夜ほどではありませんでした。
この方とのコンビなら次回は行かないだろうなぁ。
12月はヤルヴィ&ドイツカンマ―とハーンはベートーヴェンを弾くのでそちらに期待したいと思います。
12月のコンサートは後半がジュピターの日(9日)と未完成とモツの31番「パリ」の日(12日)がありますが、12日を押さえました。
ジュピターもいいのですがパリを聴く機会はなかなかないのでそちらを選びました。
ジュピターはテイトの指揮で内田光子さんが随分前にチクルスをやったとき、ジュピター以外の日のプロは後半にピアノ協奏曲がおかれましたが、ジュピターの日だけ前半が協奏曲で、ジュピターを最後におきました。
そのことをインタビューで問われた内田さんが「だって、ジュピターよ!」と、なんてくだらない質問するんだ・・といった感じで答えていたことをとてもよく覚えています。メチャクチャ説得力がありました。
「だってジュピターよ」で全ての説明が尽きてしまう・・・凄い交響曲だと思いました。
サントリーなら2日とも行ったのになあ・・・オペラシティは私の仕事場から遠いし、新宿の人だかりを経由しないといけないのがあまり心地よくありません。
昨夜デュメイとピリスの盤を聴いて、今朝、カプソンとアンゲリッシュを聴きましたが、やはり昨夜のピアノとは全然違って、ピアノがヴァイオリンときちんと調和していました。
アンゲリッシュは51歳でのご逝去、本当に残念です。ラルス・フォークトも51歳で。お二人とも2022年に亡くなりました。フォークトは少しでもいい席をと思い紀尾井ホールの会員になったくらい好きなピアニストでした。
少々脱線しました。
ハーンのコンサートはピリスのピアノが浸みついているので今一つでしたが、改めてピリスの素晴らしさを昨夜かみしめることができたので結果オーライです。
ピリスは2018年に引退と聴きましたが、どうやらマネジメントとの衝突のストレスがあったようで、これからは好きな場所で好きな曲を弾くそうで2022年にも来日してくれました。
2018年も2022年も聴きましたが、音色もフレージングも圧巻でした。
今年も来日してくれるようですが、名古屋公演しか発表されていません。
好きな場所が「名古屋」ということでしょうか?
もし名古屋だけとなれば、もちろん行きます。
ピリスももう80歳です。
聴けるチャンスがあるなら逃すわけにはいきません。
エトワール・デュ・オランジュ
五月晴れの空をバックに
1月から12月まで全ての月が好きですが・・・5月が一番好きです