このブログで吉田秀和さんの第一文「マーラーはむずかしい、私には。」、宮沢賢治さんの第一文「メロスは激怒した。」について書いたことがありますが、「島崎しまざき、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う。」は、宮島未奈さんが書かれた「成瀬は天下を取りにいく」の第一文です。

この本は先ごろ本屋大賞を受賞した作品で、私は「本屋大賞」を受賞した作品を購入したことは過去にありませんが、今回の受賞はたまたまニュースでとり上げられ、そのニュースで語っていた書店員さんの「成瀬愛」(成瀬あかりという主人公への愛)がちょっと素敵だったので手にとってみました。

 

既に聖地巡礼も始まっているそうですが、私も京都に出向くことが多いので、隣の滋賀県の大津界隈を舞台とする成瀬の出没したスポットを歩いてみるのもいいか・・・と思うくらい魅力的な主人公でした。

続編の「成瀬は信じた道をいく」も読みましたが、これ電車の中で読むのヤバイです。笑いを必死でこらえる姿はどう見ても不審者だからです。

 

「他人にどう思われるか?」ということは全ての人がかかえる大問題だと思います。

私自身「他人にどう思われるか?」を捨てることができたら、どれだけ楽に生きられるだろうかと思うことはしばしばあります。

成瀬あかりにその問題はありません。

というのはちょっと不正確で、友人島崎との関係を悩む場面で「あー、成瀬も人の子なんだなぁ」と人間くささを感じさせるところもあります。

が、基本的に「成瀬は信じた道をいく」人です。

200歳まで生きるそうです。

毎日がとてつもなく楽しいから200歳まで生きたいと思うんでしょうね。

私も身体の機能が劣化して周囲に迷惑をかけないのであれば200歳まで生きてみたいものです。

死ぬことの何がつらいって、音楽を聴けなくなることと、妻とおしゃべりしながら庭仕事したりご飯を食べることができなくなることなので、この二つがずっと続けばいいなぁと思います。

 

どうして、この本をここで紹介したかというと、新潮社のサイトで先の「島崎しまざき、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」で始まる一篇がまるまる公開されているからです。

興味を持たれた方は検索してみてください。

読まれた方が元気になるといいなぁと思います。

 

脈絡ありませんが、昨日、半月ほど前に行ったレストランに忘れてきたジャンパーを取りにいきました。

ポール・スミスのジャンパーですが、ポールの店員さんが言うには「これ部屋着なんですよね」だそうです。

「えーっ、全然外で着ちゃうよ」と返したら「まぁポールのスタッフ以外は気付きませんけどね(笑)」とのことでした。

Tシャツで仕事することが多いので、ちょっと寒いかな・・というときに重宝しています。

(写真で見ると職業不詳感・・濃いですね)