ビクトリ・エリセ監督の31年ぶりの長編「瞳をとじて」を観てきました。

終映後、シアターを出てすぐの交差点で夕焼けを撮っておきたくなり、ビルの谷間の隙間夕焼けにシャッターを押しました。

 

実は、この時点で、私の思考回路のスイッチが落ちており、このすぐ後、菊川駅で行先と逆の電車に乗り2駅過ぎてから方向を間違えたことを気付いたくらいです。

「瞳をとじて」に完全に骨抜きにされました。

 

感動したら、妻に電話する、友人にメールするといった日頃の行動パターンも全て今日は停止し、今日の映画のことに触れるのは今、このブログを書いているときが初めてとなります。

映画のパンフも購入しましたが、まだ中を開くことすらしていません(できません)。

心のふかーいところに入ってきちゃたなぁ・・・

 

帰宅するまでの移動中も、この映画の様々なシーンが心を交錯し、私なりのコメントもいくらでも湧き上がってきます。

でも、この映画のことは何も書かないことが正解と感じています。

これからこの映画を観る人の心に一切の雑音を入れたくないからです。

「伏線回収」にも記しましたが「説明」が心の動きを縛ってしまうことはままあることなので。

ビクトリ・エリセ監督が心を込めて撮った一つひとつのシーンを静かに感じ取っていただくのが一番ではないかと・・・

 

もともと、この映画は私の「ミツバチのささやき」と「瞳をとじて」という投稿で、エリセ監督の新作「瞳をとじて」について「169分はあまりに長くて今の私にはキツイ」と書いたところ、年間200本は劇場で映画を観ているシネ友から「とても素晴らしい映画、4月入ったばかりだけど今年のベスト」というメールもらったことで、絶対に観ようという気持ちになったものです。

 

ところが、もうかかっている劇場がない・・という現実に愕然としていたところ、

今度はクラ友から、菊川のstrangerというミニシアターで上映始まるよと連絡があり、今日に至ったわけです。

 

自分のコンサート日記とバラ栽培日記代わりのブログ・・・くらいの気持ちで始めたブログですが、ブログを始めてなかったら「瞳をとじて」がたとえ169分だろうがなんだろうが見るべき映画であることや、かかっている劇場があることなど知らないままでした。

シネ友とクラ友に素晴らしい機会を作ってもらったなぁ・・と感謝の気持ちで一杯です。

 

映画の中味には触れませんが、劇場について一言。

小川町(ほぼお茶の水と同じです)から8分の菊川という駅から徒歩1分ない至近に

strangerというシアターはあります。

49席。

友人によると併設されているカフェも美味しいそうですが、私は169分に集中しきるために今日は事前の飲み食いなしで臨みました。

60歳以上はシニア割があり、私は1200円で入れました。

とてもカンファタブルな環境で、かかっている映画も好みの映画が多いようなので、一月に一回くらいは、ここでのんびりと独りの時間もいいなぁと思いました。

 

今から、少しジムで身体をのばしてから「瞳をとじて」のパンフをゆっくり開いてみようと思います。

昨日は桜で幸せな一日に。

今日は映画で幸せな一日になりました。