正確な言葉の定義は別としてここではマッサージガン電動マッサージャーを以下のように定義する。マッサージガンは読んで字のごとく銃(ガン)の形をしている器具で、往復運動で部位を叩き、筋膜剥がしなどにも有効らしい。電動マッサージャーというのは肩こり解消用に従来から使われている器具で、俗にいうところの電マである。歴史的にはマッサージガンの方が新しいと思う。さて、私が所有しているものを参考に下に示す。

 

マッサージガン

 

 

電動マッサージャー

 

 

 さて脳卒中のリハビリに使用するという点では以下の動画で言われているような違いを参考にしてみる。

 

 

 

 

 ここで注目するのは抑制促通である。振動刺激に関して動画内では90Hz以下の周波数の振動であれば抑制に効果があり、100Hz以上の周波数の振動であれば

に効果があるらしい。

 

 さて痙縮など筋肉が強張っているということであれば筋肉が興奮していることである。その興奮を抑えたいのだから抑制が必要だ。例えば緊張したときに肘が曲がるのであれば、力こぶである上腕二頭筋が興奮しているということなので、上腕二頭筋を抑制すればよい。即ち振動刺激として90Hz以下の振動刺激を与えればよい。または二の腕である上腕三頭筋の筋肉は緩んでいるということなので上腕三頭筋に刺激を入れたい。この場合は促通が必要である。即ち上腕三頭筋に100Hz以上の振動刺激を与えたいということになる。

 

 ここで私が所有しているマッサージガン電動マッサージャーの仕様を見てみる。このマッサージガンの仕様は1800~3000回/分である。周波数は1秒間に振動する回数のことなので、換算すると周波数は30~50Hzである。それに対して電動マッサージャーの仕様は17000rpmなので17000回/分である。周波数に換算すれば283Hzである。 こうしてみるとマッサージガンは抑制として有効で、電動マッサージャーは促通として有効なようだ。また動画で言われている通り、少なくとも3分間は振動を与え続けるとよいようだ。

 

 そういえば促通反復療法(川平法)でも電動マッサージャーを使っているが理にかなっていると言えるのかもしれない。認識しておくこととして、周波数が高い低いというのはあくまで取得したデータにおいて有効であったということであり、無効であるとか悪化したというデータではないということだと思う。

 

 面白いことに以前受けたrTMS療法でも、高頻度は促通を促し、低頻度は抑制を促すものらしい。つまり高頻度は障害を受けた脳に照射し、低頻度は障害を受けてない脳に照射するので効果が確かめられている。もちろんマッサージ機とrTMS療法は原理が全く違うものなので比較するのは適していないと思うが、なんらかの関係はあるのかもしれない。

 

補足)時間はどうあれ痙性で肘が曲がった時は上腕三頭筋にマッサージガンや電動マッサージャーを当てたらすぐ肘が伸びる。上腕二頭筋に当てた場合はちょっと時間がかかる。ちょっと動画とは違うが、個人差や上限がもっとあるのかもしれない。