苫小牧から仙台への移動は、太平洋フェリー「きたかみ」である。これまで利用したフェリー会社と異なり、太平洋フェリーは身体障害者1種であっても単独乗船の場合は選べる船室は制限される。即ち単独乗船の場合低い等級の船室しか選べない。「きたかみ」の場合は、エコノミーシングル、B寝台、C寝台である。

  • エコノミーシングル

 

  • B寝台

 

  • C寝台

 

 

 片麻痺になると腰をかがめるのが辛くなるのでB寝台やC寝台は利用しにくい。また狭いとベッドの上で寝返りにしにくいので体が強張りやすくいというのもある。

 となると太平洋フェリー「きたかみ」においてはエコノミーシングルの一択となってしまう。エコノミーシングルも相部屋と称しているが壁も間仕切りされているので個室感覚で利用できる。ただ簡易的な壁で間仕切りされているだけなので隣人のいびきが聞こえてしまう。

 

 価格ではあるが、GW中のエコノミーシングルで通常価格が15,500円のところ障害者割引価格で8,200円である。シングルの部屋なので個室料というのがない。尚、障害者登録をしているとエコノミ―シングルよりも上の等級を選択することはネット予約からは出来ない。上の等級を選択したい場合は障害者登録をしないか電話予約である。障害者割引は不要だが障害者の登録をしておきたい場合はちょっとだけ不便である。例えば火災などで逃げるときや救命胴衣を着るときなど少しは配慮して欲しいからだ(もちろん非常時なので実際はそういう配慮はないかもしれないが)。

 

 レストランはバイキング形式だ。「きたかみ」ではスタッフの人が食事をよそうのをのを手伝ってくれた。最初は固辞していたが結局お願いした。「きたかみ」だからよそうのをを手伝ってくれたというわけではなくスタッフの個人的な配慮だと思う。またレストランは比較的オープンなので外からも混み具合が分かるのが良かった。また通称ぼっち席が多いのも良い。ぼっち席というのはカウンターの席である。客室もそうだが一人旅行に配慮されて設計されているのだろう。そういえば昔は一人旅行というのはそれほど一般的ではなかったように思える。当の私も障害者になる前は、旅行は複数、出張は一人が普通というふうに考えていたくらいだ。