ドストエフスキーの「罪と罰」を原作に・・・・・・・・
自分は12歳の頃、ドストエフスキーの「虐げられた人々」を
読書した。それ以来ドストエフスキーに憑かれ、
すっかり厭世的な人物として育ってしまいました。
「クライム&パニッシュメント」は「罪と罰」を原作にしている
ということで、心昂らせながら観たわけです。
面白くはないです。相変わらずヴィンセントカーシーザーの
脆く影を負って傷ついたような姿は、作品に情緒をもたらしてはいるものの、
「罪と罰」の哲学性や狂的な光景、深淵な神経はおよそ見当たらない。
「罪と罰」を現代劇にしてはいけない、畢竟、失敗に陥るという証明
といっても構わないでしょう。
じゃあ、何故自分は「打ちのめされるほどの名作映画」に
「クライム&パニッシュメント」を仲間入りさせたのか。
ラスト10分くらいかしら、観て下さい。
美しいです。
ずっと風が吹いてます。
バイクで駆けていくだけのラストシーン。
凄いです。ノスタルジックな音楽。風が吹いている。
ラストシーンだけで「打ちのめされるほどの名作映画」入りです。