●. 女性のこつこつは素晴らしい!

 

男性からみると面倒でやりきれないことを、女性の方はとても丹念に丁寧に行うことが多い。一緒に仕事をしていて女性の部下に助けられたことも多い。もちろん、これは家事全般にいえるだろう。今回はその家事の中で「裁縫」について話したい。

 

私は裁縫は全くダメ。服はほつれたらすぐに買い替えるタイプ。

亡くなった祖母はよく裁縫をやっていた。高齢になり目が悪くなってからは針に糸を通すことを私がよくやってあげた記憶がある。昔の人はもったいない精神で物を大切に扱ったわけであるが、なにより、この裁縫というのは男性からみれば面倒なものの典型であるが、女性はとても丹念に行うことに驚き、畏敬の念を抱く。

改めて、そんなことを考えるきっかけは、朝日新聞「天声人語」(平成30年12月24日)の記事を読んだことによる。「チクチク会」という活動が紹介されていて感動した。内容を簡単に紹介する。

東日本大震災が起こった時、東京都小平市に住む主婦、田中弘実さん(現在37歳)は自宅を離れられないけど自分にもできるボランティアはないかと考え、現地の保育園にフェルト製のおもちゃを贈った。ブログやSNSで呼びかけると、すぐに多くの手が挙がった。子育てや介護に追われ、被災地へ行きたくてもいけない人が大半だった。今では「チクチク会」という活動の呼び名で、親に虐待されて自宅へ戻れなかったり、病院で年を越したりする子供たちへ広がった。12月にはサンタに扮する男性の賛同者とともに、おもちゃを抱え、小児病棟や児童養護施設をめぐる。

田中さんの元には、たくさんの礼状が届く。その中に、おもちゃの作り手からのものもある。「世の中との接点ができて楽しい」「一針一針縫うことで精神的に救われた」「退屈をパチンコで紛らわせていた母が、チクチクのお陰ですごく元気になった」・・・

そうか、女性というのは誰かのためにこつこつとやる作業そのものに精神的に癒されるものなのだと感じた。

絵も同じことがいえるかもしれないな。男からは面倒にみえる作業かもしれないが、こつこつと描き、それを形にすることが喜びなんだね。合わせて、私が喜んで、絵を褒めてあげると更に嬉しそうにする。

女性のこつこつは素晴らしい!

 

 

2019年1月