●. 踊り子にお絵描きを頼むことは口説くときと同じ勇気がいる!

 

 次は、中谷ののかさんの仲良しのさつき楓さん(晃生所属)の話をする。

 踊り子さんにお絵描きを頼むのにはけっこう勇気がいるし神経も使う。ある種、その子を口説くつもりでかからないといけない。

 さつき楓さんはもともと私の童話ファン。昨年H30年5月頭の渋谷で私の渡したミニオンの童話に感激してくれ、ポラの紙袋に初めてミニオンの絵を描いてもらった。こりゃ上手い!! すぐそう思って、今度はA4用紙に描いてもらおうと思う。ところが、ポラ袋には描いてくれるものの、なかなかA4用紙には描いてくれない。「描くの恥ずかしいんだから。」コピーされて配られるのが恥ずかしいらしい。しかし、そのポラ袋を他の踊り子さんにみせると皆、「すごく上手いね。これ誰が描いたの?」と聞かれる。さつき楓さんと答えるとみんな納得した様子。

 本人曰く「絵心は本当なくてセンスもないけど描くことは嫌いじゃないよ。」絵を描くのは好きなようだが、どうも自信がないらしい。

 極論言えば、絵は上手い下手の問題ではない。その人の味なのである。私の文章が私以上に私自身であるごとく、楓さんの絵も楓さんそのものなんだな。実際、とても絵がかわいい。だから楓さんそのものがかわいい。少なくても絵の好きな私にはそう思える。

 楓さんはポラ袋には抵抗なくたくさんの絵を描いてくれた。その中でも、ゾウさんの絵がとてもかわいかった。そこで「ゾウさんがA4用紙にも描いてほしいって言っているよ」と本人に言ったら、少し考えている様子。その後、私が渡したA4用紙にゾウさんの絵を描いてくれた。「今回だけだよ!! 描くの恥ずかしいんだから。」と言っている。しかし、すごく上手だよ!と褒めて、次に、「トトロも描いてほしい」「アンパンマンも描いてほしい」と言っているよ!と話していったら、次々にA4用紙に描いてくれるようになった。まさしく先に述べた女の子の特性通りだ。

 今週(H31年4月中)、ついに楓さんは、まったく抵抗なくA4用紙にいろんな絵を描いてくれるようになった。メーテル、かぐや姫、そしてアルプスの少女ハイジ、と次々に描いてもらった。どれもすごく味のあるいい絵だ。アルプスの少女ハイジを描いてくれた踊り子としては楓さんが一番乗りとなった。

 楓さんがお絵描きに参戦してくれると、一気にレベルと層が充実してくる。今では、さつき楓さんのことを私の専属漫画家と評価している。

 考えてみたら、初めてポラ袋にお絵描きしてもらってから、こうしてどんどんお絵描きしてくれるようになるのに、かれこれ丸一年かかっている。私の専属漫画家になることは私のストリップにおける女房になるみたいなもの。だから口説くほどの労力と時間がかかって当然なのだ。ストリップの女房になってもらえればお付き合いは楽しい。

 私はこうやってたくさんのお絵描きさんを抱えている。私の楽しいストリップ観劇には、お絵描きさんが欠かせない。

 

 

2019年4月