今回は、「大御所好き」に引き続き「大御所詣で」という題名で語らせてもらいます。

 

 

H30年4月頭の大和ミュージックでの‘うさかめファミリー’揃い踏みの後を受けて、大御所三人を追いかける旅が始まる。

 まずは、虹歩さんからスタート。

H30年4月中の池袋ミカドにご挨拶で顔を出した後、予定通り5月頭の大阪晃生に伺う。

その週の香盤は次の通り。①蘭あきら(晃生)、②神崎雪乃(晃生)、③北原杏里(晃生)、④浜崎るり(晃生)、⑤虹歩(札幌ニューカジノ)〔敬称略〕。当初予定されていた青山はるかさんが欠場になり客入りが良くない。たまたま連休明けの平日だったので極端に客が少ない。

晃生の顔馴染常連客からは私が新人の北原杏里さん目当てで来ているものと思っているだろう。いや、今回は虹歩さん目当てです(笑)。虹歩ファンの細川さんから「あれっ!? 今週は青山はるかさんがいないのに、今日は誰がお目当てかな?」と聞かれて「虹歩さんだよ!」と答えたら「おれに気をつかわなくていいよ」と苦笑いされた。

虹歩さんの20周年作を拝見した。ミカドの時はどれが周年作か分からなかったが今回は細川さんに聞いて確認した。さすが、いつ見ても元気ハツラツな若々しい踊りだ。

さてさて、私の顔を見つけた虹歩さんはマンガを描く気満々だった。

一回目に渡した手紙は、おにゃんこポンの話。ポラタイムで「今回も話のネタが入っているわよね。今日はお客さんが少ないのでマンガを描いてみるね。」と話してくれた。ありゃ、おにゃんこポンでは長くて難し過ぎるかなと後悔した。次の回で短くて簡単なネタを差し入れ直そうと思った。

ところがところが、次の二回目ポラタイムの時にマンガの原稿が仕上がってきた。それも五枚も。

虹歩さんの出番前の浜崎るりさんが「虹歩ねーさん、マンガ描いているわよ。見せてもらったら、めっちゃ面白かったよー」と教えてくれた。まさか、もう描いているとは思わなかったので驚いた。

なんと言っても、そのスピード感に驚嘆。勢いにのったときの虹歩さんのスピードは凄い!というのがよく分かった。なんというか、選曲が決まっているところに、さっさっと振付しちゃうみたいな感じで、マンガを描いている。タッチが軽い。「私、絵心が全然ないからね」と謙遜しているが、なんとなんとよく描かれている。たくさんの登場人物(動物たち)が表情豊かに描かれている。「もしかして、おにゃんこポンのこと、知ってたの?」と聞いたら、ネットで調べたようだ。頭が下がる。「描いていて、すんごく楽しかった!!!」と喜んでくれた。ますます頭が下がる。

副次効果もあった。楽屋内で蘭あきらさんや浜崎るりさんが虹歩さんからマンガを見せてもらっていたようだ。二人とも、マンガがめっちゃ面白いと感激していた。浜崎るりさんはマンガに興味をもったようで「私も描いてあげるー!! ネタは何がいい?」と言ってくれる。「ネタはるりちゃんに任せるよ」と話したら「私に任せたらエロエロになっちゃうよ」と言う。その方が面白い(笑)。とにかく、虹歩さんのお陰で他の踊り子さんにもマンガに関心をもってもらえて嬉しいことこの上ない。私の童話と踊り子さんのマンガのコラボ、うさかめファミリーの輪が広がってくれたら最高である。

なんと、次の回にも、虹歩さんから別の話(うさぎとカメの海水浴)にマンガを描いてもらい、それを頂く。二枚も。きゃー!!! 虹歩さんの勢いが止まらない。

虹歩さんに惚れちゃうー♡

 

この勢いのまま、同じ週に渋谷道劇に向かう。今度は浅葱アゲハさん。

その週は浅葱アゲハさんの14周年週。周年作が一目で気に入る。周年週の5月頭の渋谷道劇後半二日間5/9,10だけでは足りず、引き続き5月中のDX歌舞伎前半にも三日間5/11~13通う。何度か作品についてやりとりをしてレポートを二通渡したほど。

さてさて、マンガの方はというと、既にネタは提出済。今週初日にお渡ししたお得意の「なめこちゃん」第二弾、そして前回の晃生でお渡しした「モモがやってくる」、この二つのネタから選んでくると思っていた。ところが意外なネタを選んできた。なんと、「ハーマイオニーがやってきた」!!!

これは、アゲハさんと同じくエアリアル演技をしているロック所属・清水愛さんの作品「ハリーポッター」の付録として書いた童話だった。ファンタジー好きの私がハリーポッターに興味を持ち、このGW期間中に、映画ハリーポッター・シリーズ全八巻をまとめて観て、童話「ハリーポッターがやってくる」を書いたばかりだった。このホット感に引かれたのかもね。頂いたマンガを見ると、魔法でうさぎちゃんとカメさんを人間にしたり、惚れ薬の話とか、我ながらメルヘンないい話だと思えた(笑)。アゲハさんが気に入ってくれたのも分かる気がした。

なにより驚いたのは、アゲハさんの周年作のモチーフになっている小説「侍女の物語」とハリーポッターでハーマイオニー役を演じているエマ・ワトソンさんが関連していることを発見して、それをアゲハさんの観劇レポートの中で記載していたこと。私がそのことをレポートに書いていた時間帯に、ちょうど時を同じく、アゲハさんが漫画「ハーマイオニーがやってきた」を執筆していたことになる。その偶然に唖然とした。「すごいシンクロでしたね。今日のにエマ・ワトソンさんのこと書いてあってびっくりした。うれしー。」とのアゲハさんのコメント。

まるでテレパシーが通じたような気分。アゲハさんに惚れちゃうー♡

 

アゲハさんに「これからKAERAさんに会いに行くんだよ。」と話したら「KAERAねーさんによろしくね。気を付けて大阪に行って来てねー。」と言われる。

こうして大御所詣でが続く。

さて、KAERAさんとはどんなドラマが待ち受けていることか。楽しみである。

 

5/15(火)、大阪晃生に顔を出す。

その週の香盤は次の通り。①雪乃舞(小倉A級)、②黒井ひとみ(栗橋)、③KAERA(TS)、④桃歌(道劇)、⑤浜崎るり (晃生)〔敬称略〕。桃歌さん晃生初乗り。また今週は前半5/15まで浜崎るりさん、後半5/16から蘭あきらさんに交代。

 平日なので客が少ない。朝はかぶり席は埋まっていたものの、どんどん客が減り、三回目が始まる頃にはほんの数人になった。私はかぶり正面席に座って観劇。

 私は朝からハイだった。これだけ仲良しさんが揃うのも珍しい。客が少ないため、踊り子さんは皆、私が来てくれたことを喜んでいる。というか、アゲハさんからの連絡があったようで私が来ることは承知していた。

 晃生常連の細川さんが「あらっ!? 今日は新人の桃歌さん目当てですか?」と声をかけてきた。「いや、今日はKAERAさん目当てです!」と返答したら、怪訝な顔をしていた。(笑)

 一回目ポラ時に、KAERAさんにこの手紙を渡す。虹歩さんやアゲハさんが描いてくれたマンガを同封する。「うさかめファミリーのみんな頑張ってるね。私も絵かいて今日中に渡すよん。今日はいつまでいるかなぁ?」と嬉しい言葉。KAERAさんはサンリオ・キャラクターを得意としているので、最近書いたエイプリルフールとGWの童話を渡し、マンガ化をお願いする。当日、三回目のポラ時にエイプリルフールの原稿二枚が出来上がってきた。KAERAさんらしいカラフルでメルヘンチックな絵だった。うさぎちゃんとカメさんの結婚シーンがとてもかわいい。やはりマイメロディ系のうさぎの絵がうまいね。絵本のような原稿に感激いっぱい☆「GWの方は次に来たときに描くわね。」と言ってくれる。また明後日5/17に来るのが楽しみになる。

 そうそう、一回目のフィナーレ時に、私が萌え萌えシェイクをしているのに合わせてKAERAさんも萌え萌えシェイク返ししてくれた。そうしたら、二回目のフィナーレ時には出演タレント全員が揃って萌え萌えシェイクしているではないか。それには驚いた。KAERAさんがメンバー全員に「チーム太郎をやろう」と声をかけたらしい。後から黒井ひとみさんから窺う。「今回のフィナーレめちゃめちゃ楽しかったね。チーム太郎のフィナーレ最高だったw 太郎先生がいてくれて嬉しい。」これだけ仲良しさんが揃うこともないから、涙が出るほど感激。

 わぁ~、うれピ―♪ KAERAさんのことは前から惚れているよぉ~♡ (笑)

 

 最高の大御所詣で!

 私は大御所好きと新人好きの両刀使いになった。ストリップ界最強の強者(つわもの)になった気分である。今度これをネタに童話を書けないかなーふと思う。ストリップ界最強のおじさんが、萌え萌えシェイクを武器に踊り子を夢中にさせ、不埒なお客を回転チョップでバサバサとなぎ倒す痛快ストーリーなんてどう。(笑)

 

 

平成30年5月                      

 

 

 

 

 

 

 

『プリキュア戦士がストリップを救う』  

~うさかめファミリーに捧げる~

 

 

ストリップ界は冬の時代が続いていた。

かつては風俗の代表格として隆盛を極めていたストリップも、今やAVを始めとした他の風俗に押されて衰退の一途を辿っている。ストリップの一番の過ちは一時期、本番生板ショーを始めとしたエログロ路線に走り過ぎ、それが改正風営法の規制にはまり、次々と劇場が廃業に追いやられたことであった。かつては200もの数があったストリップ劇場も現在20足らずとなっている。今ではアイドル路線に切り替え生き残りをかけている。

しかし、昔のイメージが抜けないのか、警察権力の厳しい規制が続いており、各劇場も数年に一度は摘発を受け一年弱の休業に追い込まれる。そのまま閉鎖してしまった劇場も多いが、残った劇場も体力がなくなっており、次に摘発されたら潰れてしまう惧れがある。いま喫緊の課題は2020年の東京オリンピックに向け、どれだけ警察の規制が厳しくなるか。ストリップ業界はかつてない厳しい時期に直面している。

 

 そうした中、いいこともある。最近では、ストリップはエロではなくアートだとの再認識からか、女性客が増えている。いわゆるスト女たちである。美しさに憧れる女の子たちが、踊り子をカリスマにして追いかけているのである。

 彼女たちは小さい頃にアニメ番組のプリキュアを観てきた世代なので‘プリキュア世代’と呼ばれる。考えてみれば、プリティ(かわいさ)が人の心をキュア(癒す)するのにストリップはベストである。女の子は、音楽が好き、ダンスが好き、美しいものが好き、おしゃれが好き、着せ替えが好き、物語が好き、・・・そうした全ての要素がストリップの中にあった。プリキュア世代がストリップにはまっていくのは自然の理。

 

 現在のストリップ界を見たところ、今述べたように外部からの圧力もあるが、ストリップ業界内にも大きく、ストリップを守っていこうとする勢力と、ストリップをダメにしようとする勢力がある。ストリップというのはお小遣い程度に楽しめる庶民の遊びなので、大半の客は単にストリップを楽しみたい平凡なサラリーマンが多い。ところが一部にストリップをダメにする客がはびこっている。

 そのひとつは、エロポラで踊り子を虐める「エロポラ大王」。踊り子が嫌がるポーズを次々と要求し、踊り子を潰してしまうのだ。彼らはオープンをさせたがり「もっと開け!もっと開け!」が口癖。その中にはエロポラ名人や連射男も含まれていた。エロポラで嫌気をさして辞めていった踊り子が何人いたことだろう。悲しい限りである。

 彼らは、次から次へと新しいエロポラ・ポーズを開発してくる。カエルポーズやアメリカンバックなどは究極のエロポラ・ボースであるが既に定着してきている。新たにイタリアン・バックから始まり、ブラジリアン・バックやモンゴリアン・バックなどを開発している噂を聞く。名前を聞くだけで恐ろしくなるポーズである。

 また、怪物「抱っこちゃん」というのもいる。ストリップは決して踊り子に触ってはいけない。ところが彼らは踊り子に触りたいがゆえに、お姫様だっこ、肩車、膝枕などのポーズを要求する。踊り子が嫌がっているのを見るにつけ、彼女のファンとしては見るに堪え難くなる。

 一番困った存在が「ストーカー魔」。怪物「抱っこちゃん」が法のすれすれを狙っているのに対して、こちらは完全に法に反している。ストーカー魔に狙われた踊り子は精神的ダメージは大きく、これが原因で引退した踊り子も多い。

 最近、最大の問題児が「バクサイ閻魔」。顔の見えないネットという暗闇世界の中で踊り子や常連客を叩く輩。彼らはストリップの楽しみ方を知らず、ただ単に嫉妬心などの情けない感情から踊り子や客を誹謗中傷する。実際、これに嫌気をさして辞めていった踊り子も多いし、熱心な客が家族や職場にバレてスト界から離れて行った例は後を絶たない。

こうしたストリップ客を装う心無い輩がストリップをダメにしている。

 

 こうした内外の連中と戦おうと一人の男が立ち上がった。ストリップ界に名を轟かせた男、その名をサワティ王子という。

 彼の理想は「ストリップは、音と光に包まれた、美と愛と夢に満ち溢れたファンタジーランド。踊り子は美しい衣装を着て、楽しくダンスをする。お客はステージを観ているだけで心を弾ませる。」そんな世界を夢見ていた。

 彼は自分の思想をひとつのバイブルにまとめようとしていた。これまで沢山の踊り子と交換した手紙やエッセイ・観劇レポートなどの書簡。さらにその考えを分かりやすく、かつ面白く伝えるためのストリップ童話の数々を書き上げていた。

 また、王子にはふたつの得意技があり、それが彼をストリップ界最強の強者(つわもの)と言わしめた。‘萌え萌えシェイク’と‘回転チョップ’。

 王子は踊り子に向かって‘萌え萌えシェイク’をやる。これは「あなたは私たちのアイドルです」という憧れと服従を誓う証。これをやられた踊り子はハイテンションになる。そのため、他のお客まで真似して、会場全体が萌え萌えシェイクで盛り上がることもある。

 また、王子は不埒な客を見つけると回転チョップでバッサバッサと蹴散らした。そのため、ストリップを心から愛するファンにとって彼はヒーローであったが、そうでない人からは妬まれ、増々バクサイの標的とされ叩かれた。悪の根絶は容易ではなかった。

 そこで王子は、協力者として、踊り子やスト女の中から、伝説の戦士プリキュアを募ることにした。

 2020年の東京オリンピックまで残り二年。「東京オリンピックをストリップのバッドエンドにしてはならない!!!」「女の子だって暴れたい!」「女の子なら誰でもプリキュアになれる!」と強く訴えた。

 

次々とプリキュア戦士が現れた。彼女たちはサワティ王子の理想に共鳴し協力を誓ってくれた。従来のしがらみにこだわらない若い子が多かったが、中には、ベテラン勢も加わり、プリキュア三銃士と呼ばれる大御所三人衆がサワティ王子の脇を固めた。

プリキュア戦士の必殺技は「プリキュアオープン」「プリキュアバック」「プリキュアハッピーシャワー(潮吹き???)」などなど・・・サワティ王子を始めとするピュアなストリップファンに元気を与えた。

 ちなみに、プリキュア世代の中にはHUG(抱っこ)に抵抗のない子もいた。彼女たちは「抱っこちゃん」に甘かった。そのため別途対策を打つ必要もあった。

 また、面白いことに、絵心のあるプリキュアたちがサワティ王子のストリップ童話をどんどんマンガ化していく。それを「ストリップ・マガジン」として発行した。一方で、ネット上に「ストリップ・ファンタジー」という題名でブログを立ち上げ、サワティ王子の作ったストリップに関するバイブルや童話を掲載していく。こうした啓蒙活動が功を奏してストリップの反対分子を駆逐していくことができた。

 プリキュア戦士の活躍でストリップ界に平和が訪れた。

 

                              めでたしめでたし