ストリップ童話『ちんぽ三兄弟』

 

□第79章 ストリップ通い再開 の巻

                          

                                    

 秋口となり、ようやく暑さが収まってきた。

ストリップ太郎としてもコロナのワクチン接種が済んだ。全国的にコロナも下火になってきて、9月末で非常事態宣言も解除され、明るい兆しが見えてきた。

そうなるとストリップ熱がうずうずと再燃してくる。

これまでも関東内で頻度を落として通っていたが、ついに遠征も再開する。

彼の場合、移動手段は夜行バスだが、久しぶりに東京駅の待合室が解放されていたのが嬉しかった。ずっと待合室が閉鎖していたがこれだけで遠征のスタートがいつも暗い気分にさせられていた。ようやく非常事態宣言が解除されたからだね。

 

しばらく会わずにいた踊り子さんと久しぶりに再会する。

ある踊り子さんから「新人大会に来なかったので、もしかしたらコロナに感染しているんじゃないかと心配していたのよ」と言われる。また、東洋の踊り子さんからは「お盆興行に顔を見せなかったから、Yさんと同様に、あなたのことも心配していたのよ」と言われる。

ストリップ太郎のようなストリップ常連が顔を見せなくなると踊り子さんに心配される。

そういえば、このコロナ禍で劇場に来なくなった高齢者がたくさんいる。これまではストリップ通いを生活のリズムにしていたのになぁ~。そんな彼らが劇場に戻ってくるのはいつになることだろう。一度ストリップ通いを止めると、自然とストリップを卒業してしまう人が多いことだろうな。コロナでストリップ人口がまた減ってしまう。いかに新たな若い客層を取り込むかがこれからのストリップ業界の大きな課題だろう。特に女性客の存在が大きいと思う。

 

客の入れ替わりと同様に、踊り子にも入れ替わりがある。

このコロナ禍で、ストリップから去っていった踊り子も数多い。劇場数も減り(今年は広島第一劇場が閉館した)、先々が不透明な業界である。

東洋のベテラン榎本らんさんが来年1月末で引退を表明している。ロックの星崎琴音さんも今年いっぱいで引退する。引退興行してもらえる踊り子はまだ幸せなのだろう。

ただ、辞めていく踊り子がいる一方、デビューしてくる踊り子もけっこういる。こんな時期ではあるが、逆に就職難のためか、応募はあるようだ。その中で注目されるのはスト女からの転身である。ここ数年、スト女からの踊り子デビューが続いているが、つい最近では10月中に渋谷道劇からデビューした天咲葵さんは大注目。彼女は東洋のスト女だった。東洋常連の中で彼女の可愛さは前から評判であったらしい。そんな普通に可愛いお嬢さんがストリップデビューしたわけであるから熱心なストリップファンが放っておくはずがない。11月中の大阪晃生ショーに初乗りした際、たくさんの東洋常連が駆けつけた。もちろんストリップ太郎も遠征した。彼女の人気は本物である。間違いなくファンクラブが作られるだろう。

 

非常事態宣言が解除された10月からは、劇場としては、従来の営業時間に戻している。これまで三回公演と時間短縮していたが、従来の四回公演に戻している。また座席数も以前に戻している。

ただコロナが下火になったとはいえ、劇場はコロナ対策の手綱は緩められない。入場時の検温、場内のマスク着用は言うまでもなく、場内の食事も禁止している劇場が多い。飲み物はOKだが。

 

そんな中、ひとつ気になる動きがある。渋谷道劇が10月中の興行の途中からパンツポラになった。期を同じく、池袋ミカドもパンツポラになる。警察から警告があったのか。ロック系の新宿ニューアートは既にパンツポラにしているところ。来年2月6日にはシアター上野が再開される予定だが、この劇場はエロポラを目玉にしているので、今後どう対処するのかが気になる。いずれ東京都内の劇場からエロポラは無くなっていくのではないかと懸念される。

 

もう年の瀬になる。コロナ禍と東京オリンピック&パラリンピック開催に象徴される、激動の2021年ももうすぐ終わる。

ストリップ劇場としては、年末年始のかき入れ時を迎える。集客のため、これからの年末年始の特別企画に力を入れることだろう。ストリップファンとしては、これらを楽しみにしながら、今後のストリップの動向を見守っていきたい。

 

                                     つづく