ストリップ童話『ちんぽ三兄弟』
□第34章 コロナウイルスに振り回される!の巻
新型コロナウイルスが収まらない。ついに2020年の東京オリンピック・パラリンピックも延期が決まる。増え続ける感染者の状況を踏まえ、小池都知事は首都閉鎖(ロックダウン)を視野に入れることを報道するまでになる。
ストリップにはどう影響するか。
ただ今、3月27日(金)早朝。昨日、関東地区は各知事より不要不急の外出制限が出たことを受け、都内の劇場で28~31日まで休館が相次ぐ。予定していた劇場が休館したため、ストリップ難民が出てきた。東日本大震災ぶりだ。あの日は地震の中、TSミュージックだけが営業を続けたが、今回は同じTS系列の池袋ミカドとシアター上野が早々と休館を決めた。ストリップ客は都内以外の郊外の劇場に足を向けだしている。
ちんぽ三兄弟は冷静に状況を見ていた。
「おれたちストリップファンは一日たりとも劇場に行かないではいられない。ストリップ中毒なんだから、ストリップ劇場通いは不要不急ではない。行かないと死んじゃうもん。」
「そうだそうだ!」
「コロナ関連の法律(特別措置法)が制定され、知事の権限で大規模イベントの中止、さらには映画館などの娯楽施設も閉鎖できるようになったな。ストリップ劇場も大丈夫かな?」
「おれが聞いた情報だと、ストリップ劇場は濃厚接触になるほど混雑していないと認識されているようだ。だからストリップ劇場まで規制するとは思えん。実際問題、当局はそこまで手が回らないようだ。」
「しかし、劇場側が自主的に動き出した。短期間ではあるが休館する劇場も出てきており、これから先、心配だよな。」
「おれたちは新型コロナウイルスで死ぬ前に、劇場に行けなくなって死んじゃうかもな。」
ストリップの強者(つわもの)たちはストリップ難民にならないように、あちこちの劇場を動き回っている。
相変わらず、マスク不足の問題が続いている。元々マスクは低価格のため今や国内生産では採算が合わず殆どは中国などからの輸出になっていたところに、コロナ発生のため中国からの輸入が途絶えたのがマスク不足の原因になっている。そのうえ、不当な買い占めをする輩が現れ、事態を最悪にした。
「相変わらず、マスクが手に入らないな。最近は、マスクの代わりにプロレス用のマスクをしている人も見かけるよ。飛沫防止には効果があるようだ。中にはトランプ大統領の顔のマスクまでしているらしい(笑)」
「おれたちはパンプレをかぶろうか?」
「さすがに劇場の外ではまずいだろ!」(笑)
「最近、劇場に来る客は、自己防衛からマスクをしている客が増えたな~。とくにかぶり客は皆、ずらりとマスクをしているじゃないか。」
「今後はマスク持参じゃないと入場できなくなるかもしれんぞ。そうなったらマスクが手に入らないと困るな。」
「自分でマスクを作るしかないな。最近は、裁縫のできる女性たちは布やガーゼを買って、自分でマスクを作っている話をよく聞く。」
「マスクだけじゃなく、今度はマスク用の布が不足してしまうんじゃないのか。」
「あ!布だったらいっぱいあるよ。パンプレでもらったやつが山のようにある。」
翌日、ちんぽ三兄弟は自製のマスクをして劇場にやってきた。
白だけじゃなく、ピンクや水色や、紫や黒まである。カラフルである。
スト仲間たちが感心していた。
「すごいね。君たちは裁縫もできるんだね!」
ちんぽ三兄弟は自慢げに答える。「当然だよ。‘能ある鷹はちんぽを隠す’と言うだろ!」(苦笑)
よく見たら、マスクには踊り子さんのサインが書かれてある。あらあら・・(笑)
おしまい