2021.2

ストリップ童話『ちんぽ三兄弟』

 

□第67章 いろんな鬼 の巻

               

                                   

 ちんぽ三兄弟の鬼談義が止まらない。

「なるほど仏教における鬼というのは奥深いな。だから、たくさんの鬼がいるんだね。よく分かったよ。」

「今話した餓鬼道にいる『餓鬼』や『地獄の獄卒』などの他にも、仏教の守護神であり戦いの神様とされている『阿修羅(あしゅら)』、毘沙門天に使える鬼族で、ヒンドゥー教の鬼神ラークシャサが仏教に取り入れられた『羅刹天(らせつてん)』なども仏教の中の鬼とされているんだ。」

 

「踊り子さんの作品にも、鬼を取り上げた演目がいくつもあるね。」

「先ほど、踊り子さんは鬼であると話した。魅力という字にも鬼が潜んでいる。踊り子さんはみんな魅力的な鬼なんだなー。ステキな鬼の作品を出しているということはそういうことか?」(笑)

「先に、最近は『鬼滅の刃』をモチーフに演目を作る踊り子さんが多いという話をしたが、以前から鬼をモチーフに作品を出しているケースも多いね。最近のものですごく印象に残っているのが、ロックの踊り子・鈴木ミントさんが酒吞童子の影響を受けたといわれる『能 紅葉狩』をモチーフにした演目『紅葉狩り』。気品ある衣装や雰囲気から日本伝統美の厳かさが伝わってきたよ。」

参考まで、「能 紅葉狩」のあらすじをネットで見てみる。・・・

旧暦9月の、紅葉が美しいとある山中にて。

高貴な風情をした女が、侍女を連れて、山の紅葉を愛でようと幕を打ち廻らして、宴を催していました。その酒席に、鹿狩りの途中であった平維茂(たいらのこれもち)の一行が通りかかります。維茂は、道を避けようとしますが、気づいた女たちに「是非ご一緒に」と誘われるまま、宴に加わります。高貴な風情の女はこの世の者とは思えぬ美しさ。酒を勧められ、つい気を許した維茂は酔いつぶれ、眠ってしまいます。それを見届けた女たちは、いずこにか姿を消してしまいます。

ちょうどそのころ、八幡大菩薩の眷属(けんぞく)、武内の神が先の山(実は信濃国戸隠山)への道を急いでいました。維茂を篭絡(ろうらく)した女は、戸隠山の鬼神だったのです。武内の神は、維茂の夢に現れてそのことを告げ、八幡大菩薩からの下された神剣を維茂に授けました。さて、夢から覚めた維茂の目の前には、鬼女が姿を現し、襲いかかってきます。維茂は勇敢に立ち向かい、激しい戦いの末に、みごとに神剣で鬼女を退治しました。・・・

この話には鬼女が出てきたが、酒吞童子によく似ている。酒吞童子というのは京都の都付近で暴れていた最強の鬼で、典型的な悪い鬼とされる。

平安時代、京都北西の大江山には酒呑童子と呼ばれる鬼の親分が本拠地を構え、茨木童子を始めとする多くの子分を統率していたという。その描写は、身長は6mもあり、角が5本生え、目は15個付いた姿をしています。赤毛で、髭も髪も眉毛もつながっており、手足は熊の手のようで、京の町からさらってきた若い女性の肉を常食していたという。酒が好きだったことから、手下たちからこの名で呼ばれていた。最後は毒を盛った酒を飲まされ武士に斬り殺されてしまいます。大嶽丸金毛白面九尾孤と並んで『日本三大妖怪』に数えられる。

 

 

他にも、いろんな鬼がいるので紹介すると、

天邪鬼(あまのじゃく)

人間の煩悩の象徴とされている「天邪鬼」。人の心を読み取っていたずらする小鬼で、天候や人の心、未来などを探ることができる女神・天探女(アメノサグメ)が由来とされています。

 

悪鬼 (あっき)

人間に対して悪をばらまく鬼の総称で、西洋の悪魔のような存在です。

 

夜叉(やしゃ)

仏教に登場する悪鬼で毘沙門天に仕える鬼神です。男と女がおり、男はヤクシャ、女はヤクシーと呼ばれています。

 

最後に、鬼は想像上の存在と誰もが思いますが、実態として存在するという説もあります。

 

金工師説

金工師とは、昔の鉱山採掘や金属製品生産など、金属に関する仕事をしていた人達のことです。日本各地に点在する鬼伝説のある土地が、同時に鉱山地である場合が多いことや、伝説の中の鬼が話の中で金工に結び付いている例があること、実際に伝説の中で金工師だった例もあることからこの説が唱えられました。

鬼は金棒を持っているから、この説も現実味があるね。

 

白人説

最強の鬼と言われる酒呑童子は「大江山絵巻」の中で髪は茶色、眼も明るい色で描かれています。江戸時代には、鬼が海外から日本に上陸した海賊だという俗説があり、明治時代にも鬼=ロシア人という俗説がありました。

後で出てきますが、秋田のなまはげにもロシア人説があります。秋田の人は色白が多く、ロシア系の遺伝子が入っていると言われているからね。

                                   おしまい