ストリップ童話『ちんぽ三兄弟』

 

□第32章 怪談話が続く!の巻

 

 

 北の劇場から帰ってきたちんぽ三兄弟たちの面々は、しばらく怪談話をしながら戦々恐々としていた。

「おい、ある劇場で、踊り子が舞台から落ちて怪我をしたらしいぞ。彼女は、落ちた瞬間は痛さより恥ずかしさが先行し、またステージをしっかりやり遂げなければいけないという気持ちが先立ったせいか、痛さを感じなかったようだ。ところが、落ちた時に足の内ももを擦り、そこはざっくり割けて血が流れていた。彼女はその血を見て卒倒し倒れた。彼女は救急車で運ばれて何針も縫う治療を受けたとのこと。その傷跡が今でも痛々しい。」

「どうして落ちたのかな?」

「それが、彼女が言うには、ステージで踊っている最中に、一瞬、意識が飛んだらしい。俺はその話を聞いて、きっとステージの上を妖怪がすーっと通り過ぎたんだと思ったよ。」

 聞いている連中がぞくっ!とした。

「しかも、その翌週の話。落ちた踊り子と同じ所属のお姐さんがその劇場に出演したとき、楽屋の階段から落ちて怪我をしたらしい。どうも、ある所属の踊り子達はその劇場から呪われているみたいだ。」

「しかし、その後は災難はなくなったよ。もしかして、怪談というより階段の方の問題じゃないのか。」

「そうかもしれない・・・」

 

 ともかく、ちんぽ三兄弟の胸騒ぎは収まらない。

 ステージに踊り子さんが現れる度に大声をあげる。

パイパンだと「わーっ! 妖怪のっぺらぼうが現れたー!!!」と騒ぐ。毛が多いと「わーっ!妖怪けむくじゃらだー!!!」と叫ぶ。

「目と鼻のないのっぺらぼうなのに口はあるなー。こりゃ口裂け女だぁー!!!」

「お尻の穴が目のように光っているよ。あれは水木しげる漫画に出ていた‘尻目’というお化けだよ~」

「こわい!こわい!女はこわいよー!」と三人は声高に叫ぶ。

しかし、三人は騒いだところで逃げる様子はない。むしろ妖怪に立ち向かう感じで真剣にあそこを睨みつけている。

「よし、妖怪封じのおまじないとして、その妖怪をポラの中に封じ込めてくれよう!!!」

 そう言って、三人は片っ端からあそこのポラを撮りまくった。

 撮り終えて、三人はふぅーっとため息をつく。

「“まんじゅうこわい”の落語を知ってるかな。こわいと思うものは食べちゃえばいいんだよ。」

「そう“おまんちゃんこわい”作戦だ。さすがにおまんちゃんを食べるわけにはいかないのでポラを撮るという作戦だな。」

 三人はにやりと得意げな顔をした。

                                    おしまい

 

 

 

【参考】出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

■まんじゅうこわいは、古典落語の演目の一つ。

<あらすじ>

暇をもてあました街の者が数名集まり、それぞれ嫌いなもの、怖いものを言いあっていく。「クモ」「ヘビ」「アリ」などと言い合う中にひとり、「いい若い者がくだらないものを怖がるとは情けない。世の中に怖いものなどあるものか」とうそぶく男(上方では「みっつぁん」)がいる。他の男が「本当に怖いものはないのか」と聞くと、うそぶいていた男はしぶしぶ「本当はある」と白状する。「では、何が嫌いなのか」と念を押され、男は小声で「まんじゅう」とつぶやく。男はその後、「まんじゅうの話をしているだけで気分が悪くなった」と言い出し、隣の部屋で寝てしまう。

残った男たちは「あいつは気に食わないから、まんじゅう攻めにして脅してやろう」と、金を出し合い、まんじゅうをたくさん買いこんで男の寝ている部屋へどんどん投げ込む。目覚めた男は声を上げ、ひどく狼狽してみせながらも、「こんな怖いものは食べてしまって、なくしてしまおう」「うますぎて、怖い」などと言ってまんじゅうを全部食べてしまう。一部始終をのぞいて見ていた男たちは、男にだまされていたことに気付く。怒った男たちが男をなじり、「お前が本当に怖いものは何だ!」と聞くと、

「このへんで、濃いお茶が1杯怖い」。