風の谷のナウシカがやってくる
森のストリップ劇場に、映画『風の谷のナウシカ』の面々がやってくることになりました。遥か1000年後の未来からタイムスリップしてくるのです。
劇場側は事前に映画を観て、彼らを迎える準備を行っていました。
映画でお馴染みの白い飛行艇ガンシップが劇場近くの草原に到着しました。
中から、ナウシカを始め、ナウシカの剣の師ユパ・ミラルダ、ミトを始めとした城オジの五人、大ババ、ペジテ市の王子アスベルという面々。
誰もが1000年前の、豊かな自然に包まれた地球環境に感激していました。行動派のナウシカは身体がうずうずし、到着早々すぐに愛艇グライダー「メーヴェ」(ドイツ語のカモメの意)で周りの草原を飛び回りました。メーヴェで空を舞うその姿は、まさに神の子とすら思える神々しい姿です。頬を撫でる風、豊かな川の水、たくさんの森林と咲き誇る草花、美味しい空気・・・風使いのナウシカは大喜び。「すごくいい風。自然がいっぱいで超―気持ちいい!」
ナウシカ達がいた1000年後の地球は、「火の七日間」と呼ばれる最終戦争(核戦争)により、巨大産業文明は崩壊し、錆とセラミック片におおわれた荒れた大地に「腐海(ふかい)」と呼ばれる有毒の瘴気を発する菌類の森に覆われていた。人類は生き残るが衰退し、腐海が放つ猛毒と、そこに棲む巨大な虫たちに脅かされていた
「人間が核戦争さえ起こさなければ、地球にはこんなに豊かな自然があったのだ!」誰もがそう思い、人間の愚かさを嘆きました。
歓迎の挨拶もそこそこに、さっそくストリップ興行が始まりました。
シマリスちゃんのステージが始まりました。すると、ナウシカの胸の中に隠れていたキツネリスのテトが顔を出しました。カメさんやシマリスくんが「いた! いた!」という表情をしています。事前に映画を観てお勉強していたのですね。カメさんは言いました。「ボクは映画の最初にあったナウシカとテトとの出会いの場面が大好きなんだ。怯えるキツネリスのテトに対して、ナウシカはわざと指を噛ませて安心させる。相手を取り込むには、力で押さえ込むのではなく、自分が傷ついてでも、相手の気持ちを理解し、与えること。テトはナウシカの優しさを感じ、すぐにナウシカになつきました。このシーンは、この映画全体の、ひとつの縮図とも言えます。」さすがカメさんの洞察力ですね。
そのテトが踊り子シマリスちゃんに激しく関心をもったようです。シマリスちゃんの応援隊長シマリスくんとしては心穏やかではありませんね。(笑)
さて、劇場看板娘のうさぎちゃんとバンビちゃんのメイン・ステージが始まりました。ナウシカたち面々は大喜びです。
大ババは言いました。「自然があり、動物がいて、みんなで楽しく生きている。人間との共生も素晴らしい。ここでは目立ってはいないが、我々の世界で幅を利かせている菌類や昆虫たちとも上手に共生している。みんながそれぞれの存在を理解し、譲り合って生きている。これが本来の姿だ。自分だけが偉いと思い込んで核戦争なんか行った人間はなんて横暴で愚かなんだろう。」
博識のカメさんが付け加えた。「そうなんだね。映画の最初のところを観ていたら、腐海の中に生息する菌類や虫たちは悪者のように思えたけど、最後にはそうした菌類や虫たちが汚れた空気や水を洗浄してくれていることが分かって驚いたよ。この地球上の生き物のうち、人間を始めとする動物類の割合はほんの少しで、菌類や虫たちの割合は非常に高い。数も多いうえに多種に及ぶ。そうした彼らの活躍の上に地球の環境は保たれていることをもっと皆が知るべきだよね。」
大ババは更に話を進めた。
「ストリップというのがいいね。何も着飾らない裸の状態で、ありのままに心を開いている。ストリップこそが平和の象徴だ。素晴らしい文化だ。人間は‘ストリップこそが愛と平和のシンボル’であることをもっと理解しないといけない。そうすれば、人間一人一人が心豊かになれる。いじめや孤独のような心の闇も解消してくれるし、ましてや馬鹿な核戦争なんか絶対に起こさないはず。ストリップは奇跡をもたらすかもしれない。是非このストリップ文化を大切に守って後世に残してほしいものじゃ。」
大ババの言葉に、ナウシカ一同、そして森のストリップ劇場の面々も大きく頷きました。
おしまい
