ムーミンがやってくる

 

はるか遠い遠いヨーロッパから、ムーミンと仲間たちが森のストリップ劇場にやってきました。

 同行して来たのは、主人公のムーミントロール、父親のムーミンパパ、母親のムーミンママ、またバッハやヘンデルを思わせる長髪のかつらを着用しているスノーク、とその妹であり、ムーミントロールのガールフレンドであるスノークのお嬢さん。思索を好む放浪者のスナフキン、タマネギのように結った髪型が特徴であるちびのミイ。ちなみにミイはスナフキンのママと姉妹。その他にも、カンガルーに似たスニフも連れて来た。

 

 一行は森のストリップ劇場に着いた。

 最初に大きな声をあげたのはムーミンパパだった。「私は世界中を航海してきたが、日本にもこんな素晴らしい自然があるとは。なんて空気が美味しいんだろう。ここは、まさしくフィンランドのムーミン谷と同じような自然の宝庫である。是非ともムーミン谷と姉妹都市提携を結びたい。」この森のストリップ劇場が自然と共存していることを見抜いたムーミンパパの慧眼は鋭かった。

 森のストリップ劇場では、ムーミンの来訪に合わせ、人間のストリップ界からゲストを呼んでいた。一人はTSのベテランのKAERAさん、そしてもう一人はロックの新人のゆきなさん。二人ともムーミン顔をしていた。この二人を見て、ムーミンパパは「KAERAさんもゆきなさんも、きっと我々ムーミン族かスノーク族の末裔だろう。KAERAさんのようなベテランが大活躍しているなんて感激だ。また、ゆきなさんのような可愛いムーミン顔がいることにも感激だー!」と叫ぶ。このように、森のストリップ劇場が人間と動物が共存している事実にも触れて感動していた。

 夜の公演になり、ムーミンパパのボルテージは更に上がった。

 森のストリップ劇場は屋外にステージがあったため、月明かりの中、夜空の景色が一望できた。天の川から星が水飛沫のように降り注いだ。「こんな所が地球上にもうどれくらい残っているのだろう」とムーミンパパはため息をついた。学者肌、芸術家肌のスノークも同調して大きく頷いた。なお、世界中を一人旅しているスナフキンは「日本の神道思想は素晴らしい」ことを知っていたがあえて何も言わず醒めた表情をしていた。

 カメはムーミンパパの言葉に、今更ながら森のストリップ劇場の深い部分を再認識して、感心しきりに何度も頷いていた。

 

 さて、森のストリップ劇場のメインイベント、うさぎちゃんの登場です。

 ムーミントロールとスノークのお嬢さんは大きな拍手を送った。二人ともうさぎちゃんの可愛い魅力にメロメロです。いずれ、スノークのお嬢さんも踊り子になりたいと言うんでしょうね。きっとムーミントロールが必死で止めることでしょう。(笑)

 スニフはカメと肩を組んでステージ後方で踊っています。

 ムーミン一行は、森のストリップ劇場で、ファンタジーの世界に彩られた最高の夜を過ごしました。