ぼのぼのがやってくる

 

森のストリップ劇場に、ぼのぼのがやってきた。既に、仲間のシマリスちゃんの応援でシマリスくんが森のストリップ劇場の常連になっていたので、彼がぼのぼの達みんなを招待したかたち。

ぼのぼのに登場する面々がそろいました。ラッコのぼのぼのと、いじめられっこのシマリスくん、いじめっ子のアライグマくんの他にも、うんちキャラのクズリくん、非常に物知りで冷静沈着な大人スナドリネコさんがいました。

まったりしている森のストリップ劇場が、彼らの登場でますますまったりした雰囲気を醸しました。

 

アライグマくんの顔を観た瞬間に、シマリスくんがいつもの口癖で「ぼくのこと、いぢめる?」と聞き、アライグマくんが「いぢめないよぉ」と返している。アライグマくんはストリップに興味津々でシマリスくんのことをかまっていられない様子。

ストリップが開園しました。

シマリスちゃんが登場したら、シマリスくんは大喜び。あまりにシマリスくんが騒ぐので、アライグマくんが「こらー、うるさいぞー!」と一喝しました。すると、シマリスくんと一緒にクズリくんまでシュンとしてしまいました。

看板のうさぎちゃんとバンビちゃんが登場して声援と拍手が鳴りました。

おっとりと観ていたぼのぼのが興奮し、「ピュピュピュピューン↑」と音を立てて汗らしきものが飛び出ました。

後ろでリボンを投げていたカメさんも、ぼのぼのに負けずに頭をむくむくもたげてかけっこを始めました。

場内が大いに盛り上がったことは確かです。

 

 ベッドショー、オープンショーと続く中で、ぼのぼのがうさぎちゃんの穴をじーっと見詰めていました。そして突然「ぼく、こわい!」と叫びました。

 ぼのぼのは隣にいたスナドリネコさんに尋ねました。「ぼくはあの穴から出てきたんだよね。ぼくはお母さんのお腹の中にいるときは幸せだった。それを無理やり外に出された。しかも狭い産道を通るときに頭が変形するくらいに苦しかったんだ。悲しくて、苦しくて、

オギャーオギャーと大泣きした記憶がある。」

 スナドリネコは、ぼのぼのが産まれるときに出産障害でお母さんが亡くなったのを知っていたので、何も言えなかった。

 ぼのぼのの脳裏にしまっちゃうおじさんが出てきた。「さあ、ストリップなんか観ている子は、どんどんしまっちゃおうねー」と言って、ぼのぼのを岩の間に閉じ込めようとした。

「わーあっ!」とぼのぼのはふさぎこんだ。

 ぼのぼのが苦しみ出した様子を見ていたシマリスくんやアライグマくんは、ぼのぼのの頭の中にしまっちゃうおじさんが出てきたのを察知した。彼らとカメさんは協力して、まっちゃうおじさんからぼのぼのを助け出した。

「ストリップはみんなの心を開いてハッピーにするものであって、穴の中に閉じ込めるものではないよ。みんなで楽しもう!」とカメさんは言った。

 みんな一斉に拍手した。

                                    おしまい

 

平成30年2月