ハローキティがやってくる
ある日、サンリオのピューロランドから、そうそうたるメンバーが森のストリップ劇場にやってきました。
キティ・ホワイトを先頭に、マイメロディやポムポムプリンなども同行しています。
森のストリップ劇場では、踊り子さんも常連客もみんなが、サンリオの人気者たちを見つけて「かわいい~♡」を連発しています。
やはり、人気の中心はキティ・ホワイト。向かって右側の耳の付け根にトレードマークである赤いリボンをつけている。いつも変わらぬ笑顔をふりまいているだけでしたが、カメさんはキティ・ホワイトに並々ならぬ威厳を感じました。というのは、キティ・ホワイトには口が描かれていないのです。余計なことは一切口にしない!ということを強く感じました。これが人気の秘密ではないかなと密かに感じました。
実は、サンリオの仲間たちが森のストリップ劇場に来るのは初めてではありませんでした。
憶えているでしょうか。サンリオの仲間であるキキララが、以前、森のストリップ劇場にやってきて、宇宙ストリップショーを演じたことがありました。また、そのときに観客の中にサンリオの仲間としてマイメロディたちがいたのです。
そのときの様子をキキララやマイメロディたちがサンリオのピューロランドに報告していました。サンリオでは、いずれ森のストリップ劇場と提携したいと考えていたのです。
そうなんです。実は、赤ずきんウサギはサンリオのピューロランドから派遣されたマイメロディの親戚の子でした。なるほど、言われてみれば、赤ずきんウサギはマイメロディにそっくりでした。赤ずきんウサギは、性格がご覧の通り臆病で暗いため教育的な意味を込めて森のストリップ劇場に派遣されたのでした。森のストリップ劇場の看板娘であるうさぎちゃんとも仲良くできるだろうと思われました。ところが教育の目的を果たせそうにありません。むしろ森のストリップ劇場側に迷惑をかけることになっています。
そのお詫びを兼ねて、キティ・ホワイトとマイメロディは劇場経営者にある提案を申し入れました。
その提案とは、赤ずきんウサギを戻す代わりに、別のキャラクターを派遣することです。今度の娘は絶対に人気者になることを保証すると断言しました。彼女はサンリオで人気のあるキティの踊り子バージョンだと言うのです。
森のストリップ劇場にはネコの人気者がいなかったので新しい風を起こしてくれそうです。劇場経営者は快くその提案に賛同しました。
彼女はゴールデンウイークの目玉として、5月1日にデビューすることに決まりました。
劇場側は、ストリッパー・キティと命名し、大々的に宣伝しました。
サンリオのピューロランドで既に踊り子としての基礎を修練していたので、すぐにステージに慣れる。このキティちゃんは、もともとのかわいい資質だけでなくセクシーさを兼ね備えていた。いわゆるエロかわいい。これはストリップファンに最も受ける。そのため瞬く間に人気がブレイクしました。
カメさんは冷静に見ていました。ストリッパー・キティもキティ・ホワイトと同じく口がありません。つまり、余計なことは一切口にしませんでした。ひたすら笑顔をステージでふりまきました。それが人気の秘訣でした。お客はキティに自分の理想の踊り子像を重ねて夢中になっていったのです。
あっという間に、ストリッパー・キティは人気絶頂になり、森のストリップ劇場の看板娘であるうさぎちゃんの存在を脅かすようになります。結果として、彼女がうさぎちゃんの引退を早めることになります。
平成30年4月