2021.4
童話『鬼滅のストリップ』について
1. はじめに
吾峠呼世晴原作の漫画『鬼滅の刃』がすごい人気を呼んでいます。さらに昨年2020年10月26日に公開された劇場版「鬼滅の刃」無限列車編は爆発的ヒットを記録し日本映画の歴代第一位となり、社会現象化したほどです。
それを受け、ストリップでは多くの踊り子がステージでアニメの主題歌を使用したり、『鬼滅の刃』をモチーフに作品を作って演ずるようになりました。
私が応援している踊り子のJUNさんもその一人。彼女のステージを観ながら、いつものように童話を創ってみました。私の人気シリーズ「踊り子になった〇〇〇」の一環としてストリップ童話『踊り子になった禰󠄀豆子』を書き上げてプレゼントしました。これが踊り子に大好評。たくさんのイラストまで描いてもらい、私としても大満足。そこに、他の踊り子から続編をリクエストされ、私も機嫌よくOKしました。そして思いつくままどんどん書き進みシリーズ化していき、二か月強かけて全24話が完結しました。
内容はストリップ版『鬼滅の刃』であり、登場人物は漫画の人気キャラクターをそのまま使わせてもらいました。彼ら彼女たちがストリップ劇場で活躍する内容です。人気女性キャラクターが踊り子になってステージに立つと考えただけで書いている私自身もドキドキ興奮してきます。ストーリーはストリップなので、完全な私のオリジナルです。人気のキャラクターの他に、般若、酒呑童子、雪男・雪女、天狗など有名な鬼やら、私のオリジナル・キャラクターとして「スケベ鬼」「ヘンタイ鬼」「エロス鬼」などが出てきます。
「鬼滅の刃」ファンであれば本作をパロディとして読んでもらうこともできます。「鬼滅の刃」の原作を知らない方のために、「鬼滅の刃」のキャラクターについては詳しくプロフィールを載せています。また、ラストで石田スイ原作の『東京喰種(トーキョーグール)』を取り上げ、キメツとグールとをコラボさせました。古くから漫画界で鬼は取り上げられていますが、『東京喰種』あたりから鬼の存在感が変わってきていると感じていたので、どうしても入れ込みたくなりました。漫画ファンには納得してもらえると思います。
あくまで私はストリップファンなので、本作のテーマは「ストリップにおける鬼」です。鬼とは何か? なぜ人は鬼になるのか? 鬼とは退治しなければならないのか? 鬼と共に生きる道はないのか? 等をストリップを題材にして語ります。ストリップが好きな人はもちろん面白く読めるでしょうが、鬼の一般論としても楽しめる内容にしたつもりです。
題名は、ストリップ版『鬼滅の刃』なので、あえて童話『鬼滅のストリップ』というタイトルにさせて頂きました。
是非お読み頂け、何かを感じて頂けると嬉しいです。
2. あらすじ
鬼とされた妹の禰豆子を救うために、炭治郎は禰豆子を踊り子にして一緒にストリップ劇場で働いていた。ところが禰豆子が鬼ということが知れて、劇場で働けなくなった。それを見ていた鬼殺隊「柱」の冨岡義勇が炭治郎に鬼殺隊に入ることを勧める。
鬼殺隊の一員となった炭治郎と伊之助と善逸は鬼退治を始める。
前半は、ストリップ劇場に、般若、酒呑童子、雪男・雪女、天狗などの鬼が出現する。また、劇場ではお客たちも簡単にスケベ鬼に変貌する。鬼殺隊となった炭治郎たちは、そうした鬼と対峙することで、鬼はもともと人間であることを知る。
どうも人間の心の奥底に鬼が棲んでいて、それが人を鬼へと化えていくようだ。では、どういう原因で鬼になっていくのかを炭治郎たちは調査を始める。そして、他の鬼殺隊メンバーも次々と劇場に潜入していく。
ある日、スケベ鬼から進化したヘンタイ鬼に、鬼殺隊の胡蝶カナエが殺害されるという事件が起きる。
鬼殺隊主力「柱」の甘露寺蜜璃の加勢で、犯人逮捕でき、さらにヘンタイ鬼やエロス鬼に対抗するためのストリップにおけるエロス改革が行われる。
同時に、炭治郎たちは劇場内外における鬼の存在を突き詰める。劇場内における踊り子と客、劇場関係者(経営者やスタッフ)だけでなく、外にも警察権力などが鬼として存在した。また鬼となる原因究明にも力を注いだ。
そうこうする中で、新たな鬼の存在が分かってくる。「東京喰種」である。
東京喰種は人間との闘争を望んでいなかったが、警察側は東京喰種を殲滅させるべく「桃太郎計画」を進めていた。東京喰種であるカップルのカネキとトーカは、炭治郎たちに東京喰種と警察側の仲介を依頼する。しかし既に時間的猶予がなく、東京喰種と警察側の鬼ヶ島決戦が始まろうとしていた。鬼殺隊としては主力「柱」たちを集結して、その闘争の集結に向かう。そして、無事、終焉することができた。
炭治郎たちは、これからストリップ劇場を人間や鬼たちの憩いの場とすべく話し合うのだった。
3. 目次
第一話 踊り子になった禰󠄀豆子
第二話 般若とスケベ鬼の登場
第三話 酒呑童子の登場
第四話 雪男と雪女の悲恋
第五話 鱗滝左近次が天狗を語る
第六話 仏面(ほとけづら)と鬼心(おにごころ)
第七話 人の心の中に棲む鬼
第八話 鬼殺隊女子・胡蝶姉妹のストリップ参入
第九話 ヘンタイ鬼の登場と胡蝶カナエの死
第十話 鬼殺隊柱・甘露寺蜜璃のストリップ参戦
第十一話 ストーカー男の正体
第十二話 エロス鬼の出現と甘露寺蜜璃のエロス改革
第十三話 不老不死への鬼の誘い
第十四話 山椒大夫という人買い鬼
第十五話 忍びの鬼
第十六話 睡魔が呼びこむ鬼
第十七話 鬼より怖い警察のガサ入れ
第十八話 なくならない陰湿なストリップいじめ
第十九話 パニックが惹き起こす鬼
第二十話 鬼殺隊女子・栗花落カナヲと神崎アオイのストリップ参入
第二十一話 新種の鬼「東京喰種」
第二十二話 鬼ヶ島の実情
第二十三話 鬼殺隊「柱」の集結
第二十四話 新しいストリップの世界へ
全24話が長いのか短いのか。たくさんの踊り子さんに「すごく面白い!」と喜んで読んで頂けた。私も踊り子さんの反応が良くて、原稿をお渡しするのが楽しかった。中には「これで終わるのが悲しい」「私にとってキメツと言えば『鬼滅の刃』より『鬼滅のストリップ』です」とまで言って下さった方がいた。作者冥利に尽きる。
機会があったら、続きや外伝を考えてみたいと思う。
というか、一通り書き終えた今も、次から次へネタが浮かんでくる。これがまた不思議でもある。
今回「ストリップにおける鬼」というテーマで書いたわけであるが、鬼のネタは尽きないのだと思う。
改めて、人間誰しも鬼になる可能性がある。食べることに常に困っていた貧しい時代は特にそうだったが、食べることに困らなくなった豊かな現代でも、鬼は発生する。権力をもった政治家や警察がいかに鬼になっているか、毎日の報道を見ればわかるだろう。「鬼」というネタが尽きない理由がよく分かる。
そういう意味で、今回の童話『鬼滅のストリップ』が一投石になればと願う次第である。また本テーマをもっともっと感じて更に掘り下げていきたいと思っている。
いずれにせよ、読者である踊り子さんの反応を見ながら、今後のことは考えたい。
おしまい