今回は、H29年5月結のミカド劇場における、箱館エリィさんの新作「パリの橋の下」について語ります。

 

 

 

今週は、箱館エリィさんが新作を披露。エリィさんがすぐに手紙で丁寧に新作の解説をしてくれたので紹介する。

「演目のタイトルは『パリの橋の下』です。画家の女の子が眼を悪くして心を病んで、ホームレスになるというストーリーです。(笑) 『ポンヌフの恋人』を基にして作りました。大好きな映画。タイトルは一曲目からきています。一曲目と四曲目は違いますが、あとは映画のサウンドトラックです。四曲目は私の大好きな曲を使いました。これでオナニーに気合いが入ります(笑)。色々説明しちゃいましたが、好きに解釈して楽しんで頂けたら、と思います。」この解説に沿って、ステージ内容を紹介する。

 

 主人公のミッシェルは画家を夢見る画学生。赤いリボンの付いた白い衣装を着て、赤いベレー帽をかぶり、すらりとした脚には赤い靴下と白いズック。

手にはスケッチブックを抱え、楽しそうにスケッチして回る。客席に向かって客の顔を描いていたと思ったら、犬や猫の絵だった。(笑)

一転、ラフな衣装で登場。黄土色のチェック柄のカラーシャツ。破れたジーンズの半ズボン。そして、目にはガーゼの眼帯。(実際にはガーゼ生地を鉢巻きのように巻く。見えないと動きづらいからね。)

 目が見えなくなった若い画家の苦悩を描く。舞台の上を転げまわる。

 最後に、透け透けのシュミーズに赤いマントを羽織って、ベッドショーへ。

 映画の余韻に浸るように、オナニーに励むエリィ・・・

 

 この演目は映画『ポンヌフの恋人』を知らないと深く味わえない。二日間ほど釘付けにされた。こんなにも激しいエゴとエゴがぶつかり合う恋愛シーンを見せつけられて、心が締め付けられる想いがした。

 エリィさんのお陰で、素敵な映画に出会えた。心から感謝する。

 

平成29年5月                            池袋ミカド劇場にて

 

 

【参考】映画「ポンヌフの恋人」

ネットで検索してみた。Wikipedia参照

 

□.概要

 

レオス・カラックスによる監督作品で、アレックス三部作の三作目。

ポンヌフ橋で繰り広げられるホームレスの青年と、失明の危機にかられた女画学生との純愛を描く。

この映画の完成までに3年も費やし、カラックス自身の実生活の恋人でもあったビノシュとの破局や、膨大に膨れ上がる予算の問題もあったが、それでもなんとか完成にこぎ付けた。

美しいポンヌフ橋で繰り広げられる花火のシーンや、地下鉄のポスターに火を放つ姿は圧巻。

製作中に費用捻出の問題から何度も撮影中断に追い込まれ、撮影後もパリの街の巨大なセットを解体する費用が出せずそのままの形で残っている。

 

□.ストーリー

 

閉鎖中のポンヌフ橋で暮らす天涯孤独の青年ホームレスのアレックスは、いつものごとく酒を飲みながら夜のパリを放浪していたが、車に片足を轢かれてしまう。そこに通りかかった女は恋の痛手と失明の危機から家出放浪中の女画学生ミシェル。アレックスはミシェルの美しさに初めて恋の心地を知り、ポンヌフ橋を仕切っている初老の浮浪者のハンスにこの家出娘のミシェルを置いてくれるように頼み込む。そして二人のホームレス生活が始まる。ジュリアンというチェリストへの恋の未練と画家としての失明の恐怖を両手に抱えたミシェルと、他人との繫がりをあまりにも持たずに生きてきたアレックスとの間にも徐々に愛情に似た親愛が芽生え始める。フランス革命200年祭を祝う夜のパリの街に花火や音楽が乱れ交う。アレックスは見物客に火吹き芸を披露して、ミシェルも感動する。

眼の病気は治るからこの人を捜してという、ミシェルを探すポスターが町中に貼られるようになり、アレックスはミシェルに見られないように一つひとつはがしていくが、ついにはこのポスター張りの仕事をしている車を燃やし、業者も焼死する。そんな橋の上での生活にも慣れてきたある夜、ミシェルは携帯ラジオから自分を探すアナウンスを耳にする。アレックスは警察に捕まり、服役中に眼を直したミシェルが会いにきて、ポンヌフの上で再会しようと約束する。雪の中、出会ったアレックスはミシェルともども川の中に落ちるが、ル・アーブルに向かう船に助けられる。そして、「まどろめ、パリ」というセリフが流れる。