豊田愛菜さん(ロック所属)の、大阪東洋ショー劇場のH31(2019)年1月結におけるステージ模様を、演目「0(ゼロ)」を題材に、「0からのスタート」という題名で語りたい。

 

 

 

 

さて、今週の出し物は、1,3回目は演目「出逢い」、2,4回目は演目「0(ゼロ)」。両方とも和物ですね。愛菜さんは和物がお好きなんですね。とてもよく似合っている。

 前者の「出逢い」は前にレポートしているので、今回は後者の「0(ゼロ)」を観劇レポートしたい。この演目は前に拝見した記憶があるのでだいぶ前に初披露していますよね。

 

ところで「0(ゼロ)」とはどういう意味だろうか。愛菜さんが「生まれ変わってもまた君に恋するロマンティックストーリーです。」と解説してくれた。選曲を調べてみたら、0(ゼロ)という名に係わる曲がたくさん。ひとつひとつ見ていこう。

 

最初に、紫の着物姿で登場。その上に、水色を基調とした薄い打掛けを羽織っている。その絵柄も高貴な雰囲気を醸す。そして金色に刺繍された緑色の帯が華やか。髪は白い髪飾りで後ろにひとつ結び。白足袋を履いて音楽に合わせ華麗に舞い踊る。

一曲目は、中島美嘉の「一番綺麗な私を」。名曲中の名曲。女心を切々と歌い上げる。

 一旦、暗転。

 音楽が変わり、着替える。

 内掛けを取り、紫の着物の上に金の袴を履いて、動きやすい恰好で再登場。白い髪飾りを取る。黒いアイマスクが忍者みたいで恰好いい。音楽に合わせて颯爽と踊る。

二曲目は、福山雅治の「零 -zero-」で、すごくいい感じ。ここから演目名を採ったのかと思っていたら、なんと、このゼロという意味付けは劇場版映画「名探偵コナン『ゼロの執行人』の主題歌に通じている。この映画には安室透(あむろ とおる)というキーパーソンが登場し、彼の本名は降谷(ふるや れい)。そして彼は警察庁警備局警備企画課「ゼロ」に所属する公安警察の捜査官。まさにゼロだらけ。

三曲目に心が奪われた。AA=の「DRONE」。初めて聴いた。エコーが強く利いている。歌詞に引き込まれた。♪「ねぇ、何故? 空は青いんだろうねぇ、何故? ここにいるんだろうねぇ、何故? 鳥は飛ぶんだろうねぇ、何故? 僕は飛ぶんだろう何で? 何で?その時声がした雲は晴れた目の前が見えたそこは広がった鳥になったんだ。あの頃みたいに広い世界に引き金引いたんだ ...」すぐにYouTubeで確認したら曲とMVにのめり込んだ。これは世界平和の歌じゃないか。まるでひとつの名作映画を観ているような気分になった。この曲と出会わせてくれただけでも愛菜さんに感謝である。そして、AA=の世界にしばし釘付けになった。

舞台の袖部で、愛菜さんが袴を脱ぐ。更に紫の着物を脱ぎ、ビーナスの裸体が現れる。そして、最初に出てきた薄い水色の内掛けを襦袢のように着てベッドへ向かう。

ベッド曲も、中島美嘉の「明日世界が終わるなら」。中島美嘉の歌は和物にとてもマッチするね。この曲、なんかジブリの世界観を彷彿させられた。

ベッドショーでは愛菜さんの美しいヌードに酔いしれる。首から垂れる長いY字型のガラスのネックレスがキラキラ輝く。

立ち上がり曲は、サザンオールスターズの「蛍」で決める。桑田佳祐がオーケストラをバックに情感豊かに歌い上げる美しいバラード。最高の選曲である。

この曲をネット検索して面白いことが分かる。この曲は、累計280万部を超える大ベストセラーの映画化である『永遠の0』の主題歌なんだね。興味が湧いたので詳しく調べてみた。・・・

「蛍」は、サザンオールスターズの54枚目のシングル「ピースとハイライト」のB面に収録されている。2013年6月25日のデビュー35周年記念日に活動再開の告知と同時に発売が発表された作品。サザンオールスターズはこの作品まで5年間、メンバーソロ活動を主体とした活動を行い、バンドとしての活動は一切行わなかった。

映画の制作者側から「サザンでぜひ主題歌を」という熱烈なオファーを受けたサザンサイド。制作途中段階の映画を見た桑田佳祐が、作品に強く共感し、この「蛍」を主題歌として書き下ろした。楽曲は、この『永遠の0』という作品に寄り添いつつも、決して戦争の時代だけに限らず、身近な人に先立たれた大人や、先の震災で大事な人を亡くした方々の心情にも通ずる、普遍的な平和への祈りを歌う、非常に美しく、そして壮大なスケールのバラード。映画では「歌が流れるエンディングでもう一度泣ける」と評判になった。

桑田佳祐は次のようなコメントを寄せている。「『家族のために必ず生きて帰る。それこそが愛ではないか。』そう信じ、『待っている人がいる』ことそのものが生きる力となり、生きる原動力となっている。現代を生きる私たちにも通ずる、そんな主人公宮部久蔵の姿に非常に大きな感動をいただきました。この映画の中に流れている『平和への祈り』のようなメッセージを、私なりに音楽という形を通じて、多くの方々に伝わっていくためのお手伝いが、少しでも出来ればと思っております。そして、この映画が大成功されることを心よりお祈り申し上げます。」

私は『永遠の0』という映画に興味が移った。山崎貴監督がこの「蛍」という曲について次のようなコメントをしている。「切なさの中に希望や覚悟が内包されている素晴らしい楽曲だと思いました。映画本篇に続けてこの曲を聴いたとき、何か「救われた」という想いがあふれてきました。画面には雲が映っていましたが、そのどこかで宮部さんが微笑んだような気がしたのです。この曲が観客の胸のさらに奥深い場所に映画のメッセージを届けてくれるであろうと思います。」

ちなみに、ネットで「蛍」と『永遠の0』を検索していて、それに寄せていた次の投稿の言葉にも感動した。「永遠の0は戦争賛美でもましてや反戦映画でもありません。先の戦争で犠牲になった多くの人から託された未来(現代)は彼らに胸を張って自慢できる未来になったのでしょうか?麻薬やドラッグが蔓延し、いじめが原因で自殺者が出る、ストーカー殺人、通り魔殺人、幼児虐待死・・・これが先の戦争で身を挺して守りたかった日本という国のかたちだったのでしょうか?ということだと思います。」

 命を懸けて守ろうとしてくれた先達たちがいるから今の私たちがある。衰退著しい今のストリップだって、この世界の魅力を知り、頑なに守ってくれた人たちがいたからこそ今がある。周りからはストリップで平和ボケしているように見えるかもしれないが、私は今を精一杯生きている。自分はそう信じて疑わない。還暦を迎え人生が終わったわけではない。これから別の人生が始まるんだ。もう一度「0(ゼロ)」からスタートしたい。

岡田准一主演のこの映画を是非観てみようと思う。いや、日本人なら必ず観ないといけない映画だと感じた。

いろいろ考えさせてくれた豊田愛菜さんの演目「0(ゼロ)」に心から感謝する。

 

 

平成31年1月                         大阪東洋ショー劇場にて

 

 

 

【豊田愛菜さんからのポラ・コメント】

レポート感動しました。細かいところまでちゃんと観て頂けて嬉しいです。色々調べて下さったんですね。私の知らない事もあったりして、新たな発見、「0」の演目つくってよかったなと思いました。もともと「永遠の0」の映画が好きでそれを元にしてみました。戦争の話だけどどうしても着物を入れたくて・・・一言では表せないけれど、昔の戦さの時代にも共通する。「待っていてくれる人がいる」「守りたいもの」色々を詰め込んだストーリーです。

小説もおすすめです。「永遠の0」百田尚樹著

 

⇒よほど感激したのか、レポートを渡した翌日のポラタイムで、「あのレポートを私のSNS貼り付けたいのですが、いいですか」と尋ねられたけど、断った。