今回は、「踊り子ベイビー」という話をします。
踊り子さんから「最近の太郎さんの手紙は新人さんが出てこないという嘆きの話が多いわね」と言われた。踊り子さんにとっては、そんな愚痴には興味がないんだろうね。申し訳ない。
しかし、私自身にとって書くことがストレス解消。これは私の個人的なストリップ日記なので、不満のはけ口にさせてもらうことを理解してほしい。ということで、懲りずにまたこんな話をしてしまう。
新人さんが出てこない状況をこんな譬え話にしてみた。
新人というのはベイビー誕生によく似ている。子作りも大変であれば、生まれてから育てるのも大変である。
「新人さん想像妊娠」・・・いい新人さんがデビューすると噂され、大いに期待していた。ところが、直前になってデビューが流れる。そんな話はよくあるね。ベイビー誕生を想像していたに過ぎない。
「新人さん死産」・・・ようやくデビューが叶い踊り子として一度は息をしたものの、いろんな事情でデビュー週で消えてしまう。ひどいときは一日で消えることもある。せっかく生まれても踊り子としての命は短く、踊り子としては死んでしまう。
いい新人であればあるほど、私は夢中になってデビュー週のお祝いに通うだろうから、「なんで辞めてしまったのかな」とずーっと尾を引く。思い出のレポートを読み返すたびに彼女の姿が蘇り胸が締め付けられる。まるで死んだ子の歳を数えるみたいに。
どんどん新人さんがデビューしているときは、辞めた新人さんの思い出に浸る間もなく、次の新人さんに走るので気が紛れる。しかし、これだけ新人のデビューが少ないと不満と嘆きが募るだけ。
新人さん誕生には時に早産も難産もあるだろうが、とにかく踊り子生命を保つことができれば、ストリップの父は幸せである。
ストリップの父は、踊り子ベイビーの誕生を心から待ちわびている。
平成25年6月