ストリップの楽しみを人間の持つ五感から考えてみよう。
人間にはご存知のとおり、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚という五感がある。
SEXが人間に与えられた最高の快楽であるとするならば、それはこの五感の全てを満たせるからとも云えよう。
それに対して、ストリップは極論すれば「視覚の遊び」と云える。しかし、音楽など聴覚を切り離しては語れないので、あえて視覚と聴覚を刺激する快楽と言い換えたい。視覚と聴覚の遊びとしてはアダルトビデオとよく似ている。特にアダルトビデオの聴覚はもだえ声がポイントとなるか。
ただ、ストリップにはアダルトビデオでは得られないものがある。それはショーとしての臨場感。これを五感を超えた「気」という第六感と云いたい。
さらに臭覚、味覚、触覚まで求めようとするならば、直接的な風俗に走らざるをえない。ストリップを他の風俗と区別するには、ここにひとつの境界線がありそうだ。
私の個人的な意見を云わせてもらえば、踊り子さんの香水などの嗅覚も楽しみのひとつ。香水をかいだ瞬間からその踊り子さんの世界に入り込める。嗅覚というのは人間にとって生まれて最初に働く機能、だから赤ん坊は無意識に母乳を求める。この臭覚を刺激させるのはステージを盛り上げる大きな武器になることを覚えておこう。
また、ストリップもやり方によっては、最近流行の素人大会などのように五感トータルな遊びへと向かうことも可能だ。
しかし一方、これだとストリップとして最も大切な視覚と聴覚の快感がおざなりになる懸念がある。大阪にいる頃よく通っていた十三ミュージックが、最近は素人ショーばかりで衰退しているとの話をよく耳にする。本番生板ショーがなくなった故もこういうことか。
したがって、ストリップには視覚と聴覚だけであるがゆえの良さがある、それはショーの楽しみであったりコスト・パフォーマンスであったりするわけだ。
五感を基準に考えた場合、人間は間接的な快感を求めるタイプと直接的な快感を求めるタイプに区分できそうだ。
前者がストリップ向きとなる。見るだけで満足するというひかえめタイプ、長い時間も苦にならないのんびりタイプ、かつ触ってはいけないという分別をもつガツガツしてないさらっとしたタイプが多い。こういう「見るだけ人間」がストリップのお客となっている。
それに対して、後者は肉体的な快楽を求めるタイプ。見るだけでは満足しない。SEX→射精という瞬間的な快楽を求める。若いうちはこの傾向が大きいので年齢的な要因が左右する。
直接的な快感を求める場合、それは恋愛でも風俗でも、個々人の交わりがあるため会話も楽しめ、短い時間ではあるが相手の時間を独占できるという特徴がある。
SMなんかは後者なんだろうが、精神的な快楽とも云えそうだ。昔から、ストリップにもSMショーがよく登場するが、前者にも共通する快楽があるからだろう。
間接人間と直接人間を超えたところに、精神的快楽を求める人間が存する。仮想恋愛、擬似恋愛・・・こういう妄想の世界でもある。人間にはこうしたバーチャル的な第7感なる感覚がありそうだ。
いろいろ述べたが、踊り子さんも、お客のもつ様々な感覚を刺激するよう、いろいろな工夫をしながらステージに取り組んでほしいなぁと思います。
平成20年11月 川崎ロックにて