今のストリップ業界は、圧倒的にロック系が強い。劇場数も踊り子さんの数も圧倒的に多い。
浅草ロックを拠点にして、関東に新宿ニューアート、川崎ロック、浜劇の三劇場を持ち、地方には仙台に仙台ロック、福岡に博多ロックを配する。他系列の劇場を買い取って大きくなっている。私が知るところでも、私が通う仙台ロックは昔は東洋劇場だったし、新宿ニューアートも以前は別の系列だった。今のストリップ業界の中では、ガリバー的存在で、極論すれば1人勝ちの状態とも云えそうだ。
今のストリップは完全にアイドル路線となっているため、AVの女性を集められる強みがロック系にはある。関東のロックに対し、関西は大阪東洋ショー劇場が西の横綱といえる。東洋もしっかりとAV嬢を集められるので人気がある。アイドル路線にのったこの二劇場が今のストリップ界の「主流」と云えるだろう。
主流があれば「傍流」もある。
関東では、TS系が根強い人気をもつ。TSミュージックとシアター上野が拠点。また船橋には老舗の若松劇場がある。DX系も、DX歌舞伎では最近は素人大会出身者が踊り子に転進して人気を博している。
ストリップ・ミュージカルで旗揚げした道頓堀劇場もすごい人気だ。復興してから年数が少ないとあって、踊り子さんの平均年齢が一番若い。
関東だけでも、他にも池袋ミカド劇場、ショーアップ大宮、大和ミュージックなどがある。私はまだ行ったことはないが。
関東以外でも、九条OS、晃生、札幌ニューカジノなど、私がお気に入りの踊り子さん所属の劇場もたくさんある。
先ほどアイドル路線が主流と云ったが、むしろ傍流の方が昔からのストリップを継承している感じがしている。
最近気に入っている踊り子さんに九条OSの天羽夏月(あもうなつき)さんがいる。彼女のステージを観ているとなぜか30年前に初めて観に行ったストリップを思い出す。彼女のもつ艶っぽさに加え、小道具を使うところが昔らしい。こけしだけでなく、先日はベッドのときにあそこから長い真珠をずるずると引き出したときには驚いた。彼女のステージはクラシックであるがゆえに、そこがまた斬新さを生んでいる。
また、先日、池袋ミカドの結衣さんのステージを観ていて感慨深いものがあった。
結衣さんはすごい美人なのだが、マングリ・オープンからアナル・オープンまでやっていた。ロック系などでは禁止されている抱っこちゃんが大喜びだったのも印象的。まさに何でもあり!
そこにはロック系には無い味がある。ロックを優等生とすれば、彼女は不良の味を出している。優等生でないから出せる味というのも凄く新鮮。ここに何かが生まれるエネルギーまで感じてしまった。
また、ポラ好きの私を狂喜させたのが結衣さんの「立体ポラ」。ポラを着せ替え人形にしている。これは芸術品だ!
最近、結衣さんの他にも、栗鳥巣さん、結奈美子さん、相田樹音さんなど、ロックにはない斬新なエネルギーを感じさせてくれる方がいる。正直いえば最初は変わっているなぁと思っていたが、私の中でだんだん魅力フルになってきている。
私は先ほどアイドル路線を「主流」と云ったが、あえて「本流」とは云わなかった。傍流といえども本流になる可能性があるからだ。
劇場系列には微妙なバランスがあって、例えばロック系の劇場にはTS系の踊り子はのらない。逆にTS系の劇場にはロック系の踊り子はのらない。なるほど、競争相手があって、お互い刺激し合いながら伸びるのが一番いい。まぁ、そうはいいながら他の劇場にてロック系とTS系の踊り子さんが一緒にのることはあるのだが・・。
なにはともあれ、劇場系列もたくさんあった方がいいなぁと思う。個性ある多様性こそが発展の源。お客としてもその方が楽しめるし、ストリップ業界の発展としてもそうあるべきだろう。すべての劇場が頑張って欲しい。
平成19年