今日は、「一本の鉛筆」というエッセイを披露します。

 

 H25年7月の、マララ・エスフザイさんの国連のスピーチが心に残った。

「一人の子供、一人の先生、一冊の本、そして一本のペンで、世界を変えることができるのです」

 マララさんは16歳の少女。ちょうど一年前、祖国パキスタンで、女子の教育を認めぬイスラム過激派に頭を打たれ、奇跡的に助かった。武装勢力はなお「チャンスがあればいつでも襲撃する」と脅かす。

 彼女の国連のスピーチは人々の心を動かし、マララさんは今年のノーベル平和賞の有力候補に挙げられた。受賞はならなかったが、むしろ良かったのかも。重圧がかかる称賛より、静かに見守り励ますほうがいいこともある。

 

 ちょうど同じ頃、H25年9月に入って、七年後の東京オリンピック開催が決まった。

 ストリップ人気が蔭りを見せ、どんどん劇場が閉鎖している。8月末で船橋の若松劇場が閉鎖したのが記憶に新しい。一方、警察の規制が厳しくなり、大阪東洋ショー劇場やTSミュージックといった老舗の大劇場が休館を余儀なくされている。東京オリンピックが決まったことで、より警察の規制が強化されることが予測される。仕事の場をどんどん狭められている踊り子さんにとっては不安でたまらないと思う。「オリンピックが東京に決まって嬉しい反面、ストリップへの風当たりが強くなる気がして心配です・・・七年後はどうなってるんだろう。」

 ストリップを生活の糧にしている踊り子さんがいると同時に、ストリップを生きる糧、生活のリズムとして人生を楽しんでいる我々ファンがたくさんいる。

 ストリップは決して無くしてはならない日本の文化だと思う。これだけ人に感動を与えられる場はない。踊り子とファンで守っていかなければならない。

 

 私としては、日々応援に通うことと同時に、踊り子を励ますペンになりたいと常々思っている。ある踊り子さんが、私の文章には踊り子を励ます魔法の力があると言ってくれた。

 マザーテレサが「私は世界中に愛の手紙を書き送る神の手に握られた、小さな鉛筆です」と言っているが、同じように、私も踊り子に愛の手紙を書き送る小さな鉛筆になりたい。

 もっともっと多くの手紙を書きたい!ストリップ界のファザー(テレサ)になって、踊り子さんを守り抜きたいと念じている。

 

平成25年9月