H18年10月、若松劇場に若林姉妹のチーム・ショーを観に行った。そのとき初めて、美保さんから妹のはるなさんが今年一杯で引退すること、今回がはるなさんの関東ラストであることを知らされた。ショッキングだった。今となっては、運よくラストのチーム・ショーが観れて本当によかったと思ってる。
今年も知らないうちに沢山の踊り子さんが辞めていっている。
先日、相馬ルイさんから、羽流さんと星羅さんが辞めたことを教えてもらった。同じ事務所で可愛がっていた後輩が辞めてしまい凄く残念そうだった。私も二人とも応援していたのでそれを聞いてがっかりした。特に羽流さんの笑顔がいまだに脳裏から離れない。
どういう事情で辞めることになったか分からないが、羽流さんは新宿ニューアートでの1周年を直前に辞めてしまった。周年での新しい出し物へのプレッシャーがなかったのかなぁ。特に一二年目の新人にとって、新しい出し物へのプレッシャーというのは大きいとよく聞く。
歌手でもデビュー曲がヒットしてしまうと次の曲へのプレッシャーが大きくて大変という話を聞くが、これと同じようなことがストリップの世界でもあるわけだ。
先日もある親しくしてもらっているベテランの踊り子さんから聞いたのだが、「新人さんや、二年目ぐらいの踊り子さんは、自信がもてなくなってたりして、さまよってる女の子がけっこういます。(中略) 今日出演している××ちゃんが、やはり迷い込んでいて素直にステージで笑顔で笑うことができなくなっていて、かわいそうでした。」 観劇していて全く気付きませんでしたが、こうやって、内内で悩んでいる踊り子さんがたくさんいるのでしょうね。
ファンとして一番悲しいことは、こうしたプレッシャーに負けて引退されることです。大好きな踊り子さんのヌードやステージがもう見れないと思うとただただ残念で仕方ありません。新作でなくもいいのです。いつでも見ていたいのです。会いたい時に会いに行きたいのです。それだけです。新作でなくったって一向に構いません。
そろそろ新しい出し物をしたいなと思った時に、焦らずにじっくり取り組めばいいのです。それをプレッシャーにする必要はないのです。
よく新人の踊り子さんに「頑張ってね」と言いますが、それは「頑張って続けてね」という気持ちであり、プレッシャーを感じるほど頑張る必要はさらさらないのです。
こういうプレッシャーは、現実問題としてどうやって乗り切ればいいのでしょうかね。
私も若い頃、先輩などが仕事を上手く捌いていくのを見ては自信をなくしたりしたものです。
そのとき『自己満足』というキーワードをいつも心に留めていました。自分の能力ではここまで一生懸命にやったのだから今の時点ではこれで満足しようと。
これ以上求められてもできないものはできない。上司が不満に思ったとしても、それは私の能力を見抜けなかった上司がむしろ悪い。それ以上のものをやらせようとするなら、上司などにフォローしてもらうしかない。そういう割り切りを持って仕事に臨んでいた。これが意外にプレッシャーを感じないこつだった。他人からは真剣みが足りないと思われたかもしれないが・・後は笑ってごまかす(笑)
少しずつ「自己満足」を積み上げていくことで自信につなげていく。そうすれば、いずれどこかの時点で自分だけでなく上司などの他人が満足してもらえる仕事ができていくのです。
『自己満足』の次の段階は『自己表現』。自分のカラーを出していく段階になります。ここから先はまた長くなるので別の機会に話します。
難しいかもしれませんが、踊り子さんには我々ファンのためにも、こういうプレッシャーはさらっと乗り越えてほしいなと心から念じます。
平成21年5月 浜劇にて