最近、関西の劇場に足を伸ばすようになった。
経済的なことから夜行バスを使う。夜行バスだと、朝早く劇場に着いていい席を確保できるし、ラストステージまで楽しんで帰ることができる。一石三鳥だ。
仙台に単身赴任していた頃は毎週、東京に遠征していた。あの頃の懐かしい思い出が蘇る。
遠征の詩を書いてみたくなった。この詩を大好きな踊り子さんに捧げます。
『遠征の詩 –夜行バスに思い出をのせて-』
逢いたい
逢いたい
早く君に逢いたい
君はいま遠くの劇場に出演している
でも 週末になったら君に逢いに行く
それを考えただけで 僕はいま仕事を頑張れるよ
男と女の距離っていうのは面白いんだよ
男はね 好きな娘ができたら
距離なんかなんの障壁にもならないんだよ
本能的に好きな娘との距離を縮めようとする
苦労を苦労と思わなくなる
だから遠征なんて平気さ
君が喜んでくれたら 僕はどこにだって飛んでいく!
僕を引っ張ってくれるのは君の喜ぶ顔
君は心の扉を開けて僕を招き入れてくれる
男はね 愛する娘の心の中に入りたくて頑張るんだ
だって 心の中に入った瞬間 君と僕との距離は無くなるからね
今度は 女の人が 心の中に住ませた男の人が離れていかないように頑張る
男と女の距離感はそんなものかな
夜のとばりが降りる頃 僕は夜行バスに乗り込む
朝になったら バスは君のいるところに僕を届けてくれる
夢の中で、僕は王子様になり白馬に乗って愛する姫に逢うために夜通し駆け抜ける
朝一番に劇場に着いた僕は 君を想いつつ手紙をしたためる
僕にとって これも心うずく楽しいひととき
劇場が開演する
僕は心ときめかせて君がステージに現れるのを待つ
君はすてきな衣装に身をまとい 舞台狭しと舞い踊る
なんて美しく輝いているんだろう
僕の全身は幸せ感で満たされる
君は言う
僕がステージの真正面に居るのにすぐに気づいたわよ、と
ステージから見たら客席は真っ暗で顔は判別できないはずなのになぜ?
手拍子で分かったわよ、と
そうなんだ! なんか嬉しいな!!!
君はステージの上から満面の笑みを向けてくる
「遠くから逢いに来てくれて、ありがとう」と目が語っている
僕も最高の笑顔を君にプレゼント
君は僕の笑顔 手拍子 応援を全身で感じ
それを元気エネルギーに変えてステージを駆け抜ける
あぁ~ 遠くから逢いに来て本当に良かった
楽しい時間は光のごとく過ぎ去る
ラスト・ステージ 君は僕に手を差し出す
「遠くから来てくれて本当にありがとう」
僕の方こそ「楽しい一日をありがとう」
「気を付けて帰ってね」君は言う
僕は帰宅の途につく
楽しい思い出をたくさん詰め込んで 夜行バスに乗り込む
窓ガラスに 君の笑顔 美しい裸体が映し出される
僕は それに微笑みながら 夢の中に落ちる
バスは僕にまたステキな思い出を運んでくれた
翌朝 目が覚めた僕は十分元気をチャージして仕事に向かう
