今回の題名は「さよなら、仙台ロック(その9)」です。

このシリーズも思いつくまま書き進み、もう9編目になったなぁ。今回は、‘去る’ということにこだわって考えてみました。

 

 

  2009年という年は、たくさんのいい新人がデビューした年で、おそらく近年では最も踊り子さん豊作の年だったと感じている。2008年デビューはロック系では2~3人しか残っていないのに対して、今年は頑張って続けてくれている方が多い。

 ALL新人大会があったほど今年はデビュー・ラッシュだった一方、お気に入りの踊り子さんがたくさん引退した年でもあった。思いつくままあげると、1月のきりしまひなさんに始まり、3月の長谷川凛さん、雨宮衣織さん、5月のさいとう真央さんと続き、今年の年末には奥菜つばささんの引退が予定されている。みなさん一時期のストリップを盛り上げた名華であり、とても仲良くして頂いたので、引退のときは身を引き裂かれる想いがした。

 たくさんデビューする新人さんの中でも、続けてほしいと思っていた子が2~3週でどんどん消えていく。そして、ベテランの踊り子さんもどんどん引退していく。入れ替わりの激しい世界なのは十分承知しているが、改めて考えると、みんな自分のところから去っていくような淋しい気分にさせられる。

 

 思えば、これまでたくさんの人が自分のもとから去っていった。これまで一番ショックだったのは失恋かな。もちろん肉親の死も大きい。

 死というのは避けがたい事実としての別れ、しかし、失恋などは意思をもった別れである。

 踊り子さんの場合、みなさん、いろいろ事情があって辞めていくのだろう。去るという行為には想いがある。少なくとも今の自分/境遇より良くなるから去っていくんだと信じたい。

 こうした意思をもった別れには、気持ちのいい‘さよなら’が最高のプレゼントになる。

 

 話は変わるが、この仙台での四年間で最も多く聴いた音楽は小田和正さんだった。小田さんは私の大学の先輩で年齢は一回り上。もう還暦を過ぎているのにあのハイトーン・ボイスは驚愕である。

 私が仙台の大学時代に最も多く聴いた音楽が小田さんがいたオフコース。だから私の青春はオフコース・サウンド抜きに語れない。今回の単身赴任が第二の青春と考えれば、もう一度小田サウンドに浸りたくなる気持ちも自分自身よく分かる。

 しかも、過去のオフコース・メロディに帰るのではなく、今の小田サウンドにはまった。「ダイジョウブ」を始め、我々中高年が生きていく上での大切なメッセージが多く、何度元気づけられたことだろう。一番多く聴いた曲は「今日もどこかで」かな。あの甘いボイスもそうだが、還暦を過ぎてもビック・ヒットを飛ばしていることは驚異的。

 小田さんは常に進化し続けている。小田さんの曲が好きなので昔からの変遷を知っているが、大きく変化したポイントがいくつかある。デビューしたての頃は、季節を背景にして恋のときめきと切なさを歌い、女性への憧れと失恋がほとんど。それが名曲「秋の気配」が最初のターニング・ポイントになった。この曲で、小田さんは初めて自分からの別れを歌った。これまで一方的に女性に去られてきたのが、自分の意思で女性のもとから去っていくのである。この曲を機に、小田さんの世界は深みが増した。

 

 これまで沢山の踊り子さんに去られてきたが、今回初めて、自分が仙台ロックというホーム・シアターを去ることになった。転勤という避けがたい事実として。

 これまで仙台ロックでたくさんの思い出を作ってきた踊り子さんたちが、私が仙台ロックを離れることを悲しんでくれた。

 ただ、今回、仙台ロックとさよならすることで、また新たな何かが始まるような気がしている。出会いは別れの始まりとは云うが、逆に‘さよならは新たなステージの始まり’と思いたい。

 

 11月に入り、いよいよ新しい生活がスタートした。変化は大きい。

単身赴任が終わり、自宅に戻り、そして新しい職場に就いた。仕事では初めて会う方も多く、緊張もあり、まだまだ慣れない。通勤も、車で高速を使って約一時間。片道だけでも60㎞超ある。

 最初のうちは疲れてまっすぐ帰宅していたが、仕事が早くひけるとストリップの虫が騒ぎだし始めた。

 10日が過ぎたあたりから活動を始めた。実験的に、アクアラインを使って横浜、川崎、新宿と足を伸ばした。アクアラインがETC割引で800円になったのは金銭的に大助かり。仙台ロックのように三回目ステージには間に合わないが、三回目後半からは観られることが分かってきた。横浜と川崎は仕事場の木更津から一時間くらいで行ける。新宿だと途中渋滞して一時間半から二時間ほどかかる。仕事帰りに寄れないこともない。またそこから自宅のある幕張に帰るのに、また高速を使って一時間以上かかる。ストリップを観ると東京湾をぐるっと一周することになる。一日、約200㎞、約三時間、ストリップ・ドライブすることになる。

 高速代、ガソリン代などの金銭面のこともあるし、家族への言い訳など課題は多い。

 今後まだどんな形になるか分からないが、これからの新しいストリップ・ライフを楽しみたいと思っている。

 

 

平成21年11月