今回は「おじ様好き」という話。
踊り子さんは、おじさんのアイドルなんだなと思う。若い男の子にとってのアイドルとはちょっと違う。
ストリップの客層は40~50代が圧倒的に多い。若い人は観るだけで満足できず直接的な風俗に走る。その点、歳をとって性的にガツガツ感が抜けた人たちが、少しエッチな遊びがしたくて集まってくる。若い女の子をセックス抜きで相手できる風俗といえばストリップが最適。しかも小遣い銭レベルで遊べる。おじさん達が若い女の子のヌードを見て癒され、時に踊り子さんをからかったりしながら楽しむことができる。
そういう中だから、おじさんに気に入ってもらわないと、ストリップの世界では受け入れられないところがある。おじさんに好かれるものを持っている子はやはり人気がある。それは、かわいい笑顔、ロリちっくな仕草、ふるいつきたくなるセクシーさ、フレンドリーな会話、甘え上手などなど、おじさん個々人の趣味嗜好によって異なってくるわけだが、そのどれかがおじさんの心をくすぐればいいわけだ。
おじさんが踊り子さんを好きになるのと同時に、踊り子さんも自然とおじ様好きになるんじゃないかな。
ある綺麗な踊り子さんが「私はおじ様好きなので、踊りながら、ん~あの人いいなーとかバーチャル恋愛を頭の中で楽しんでいます。」と話してくれた。若い娘が素敵なロマンスグレーのおじ様に憧れるというのは映画の世界にもよくある。しかし、改めて踊り子さんからそう言われるとすごく納得するものがある。
確かに、踊り子さんはおじ様好きでないとこの仕事をやってられないのではないかな。
盆周りにはおじさんたちの異様なニオイが漂う。そろそろ性的に引退しなければならない年齢層にもかかわらず、「スケベは一生治りません」てな感じで、スケベ丸出しで陣取っている。若者とは違う、ギラギラした異様な空気が漂う。実際に、おじさん臭い(笑)。満員電車と同じで、おじさん独特の加齢臭もプンプンしているはず。デリケートな踊り子さん達がその空気を感じないはずがない。
その空気の中に颯爽と入っていけるというのは、やはり「おじ様好き」なんだと思う。ふつうの女の子なら、その空気にむせ返ったり、その雰囲気に怖気ずくことだろう。
実際、若い踊り子さんに話を聞くと、おじ様好きが多い。若い男の子はストレートに迫ってきて抵抗感があるが、その点、おじさんには安心感があると云う。踊り子さんにとって、おじさんファンは「足長おじさん」的存在として精神的な支えにもなってくれるのだろう。
若い女の子とおじさんとの出会いの場。お互いが求めている欲求を叶えてくれる、さらっとした関係。ストリップというのはそういう場なのかもしれない。
そして、その関係はあくまで、その踊り子さんがステージにのっている一時的な期間に限定される。先ほどおじ様好きと話してくれた踊り子さんも「いざ付き合うとなったら、やはり将来のことを考えて歳が近い人ですが・・・」と最後に付け加えている。
気に入った踊り子さんと出会い、全国津々浦々まで追いかけまわしているストリップ・ファンも多い。そういうファンにとっては、その踊り子さんが辞めたときにはショックが大きいだろう。でも最後には、おじさんは自分の娘を嫁がせるごとく、「彼女のこれからの人生に幸多かれ」と祈ることができる。
仲良くしてくれた踊り子さんが辞めても、また新しい踊り子さんがデビューして仲良くしてくれる。出会いは巡る。それがストリップなんだと思う。