ストリップの客層を見ると、20代から始まり、30代、40代、50代とコンスタントにいて、定年後に悠々自適に楽しんでいる60代以上の方もたくさんいる。つまり、分別のある客層が主流のため、劇場自体が一定のマナーを保っている。そのためか、酔っ払いや暴力的な人などマナーの悪い方は劇場だけでなく観客全員が嫌がり劇場から躓きだすシステムをもっている。

 

 では、どういう客がストリップに嵌ってしまうのか?

 若者は性的に旺盛だから、当然興味本位でやってくる。ただ飲んだ勢いで流れ込んでくる若者グループはその場では楽しく盛り上がっているが殆どリピートしない。むしろ根暗っぽく1人で観に来ている若者が嵌りやすい。

 私もその部類。私が大学生になって始めてストリップ劇場に行った当時は本番まな板ショー全盛時代で、それが嫌で足が遠のいたが、今のようなアイドル路線全盛であったなら完全に嵌ったかもしれない。そうしたら、結婚できなかった怖れが十分にある。私は結婚して三人の子供を養育し、40代になってからストリップに嵌ってしまった。時期的に遅かったからこそ今にして良かったと思っている。当たり前だが、頻繁に劇場通いしている方は圧倒的に独身の方が多い。

 ストリップというのは嵌りやすい毒牙をもっている。小遣いの範囲内で遊べるし、入場料さえ払えば1日中楽しめるというコスト・パフォーマンス最高の娯楽といえる。独身であれば毎日通っても、多少追っかけで遠征費用を使っても稼ぎの範囲内で賄える。つまり、とても「お手頃な遊び」なのである。だからこそ嵌りやすい。

 

 最近仲良くなった二人のストリップ仲間がおり、たまたま二人とも39歳独身。

 1人は千葉の柏から来ている目のくりっとした爽やかな銀行マン。土日は川崎、新宿によく来ているが、平日はせいぜい若松しか行けないと言っていた。一見若そうなので30代前半と聞いたところ、39歳と言うので驚いてしまった。結婚する気ないのと聞いたら、「もうストリップに嵌ったから無理だね。姉が結婚しているけど子供がいないので、両親は僕を結婚させて孫を見たいと言っているけど。 実は僕はもともとED障害(Erectile Dysfunction、インポテンツ)があったので他の風俗でなくストリップの世界に入ってきたんだ。ところがストリップを見てED障害が治っちゃった。でも今さら他の風俗には興味がなくなってしまった」と笑っていた。先日も新宿の劇場帰りに一緒にカプセルに泊まり、ストリップ談義に盛り上がりついつい深夜2時過ぎになった。翌朝6時に起き一緒に7時にカプセルを出て、川崎ロックに向かった。寝不足で二人とも盆前でうとうとしてしまった。(踊り子さん、ごめんなさい!)

 もう1人は厚木の方。髪の毛を後ろで束ねているのが特徴。仲間内では「ちょんまげ君」と呼んでいる。彼は若松以外は関東のいろんな劇場に毎日のように出没している。彼とも仲良くなって、劇場帰りに一緒にカプセルに泊まり、飲みながらストリップ談義に華が咲いた。彼がストリップに通い出したのはここ1~2年というので、その前は何に嵌っていたのかと聞くとパチンコと答えた。ストリップに嵌ってからは趣味はこれ一本で、会社の同僚にも公然の趣味と言っていた。もちろん結婚する気はないとのこと。

 二人とも名前は名乗ってくれない。聞いたら教えてくれると思うが、相手が言うまで名前とか職業など個人的な話は聞かないことにしている。この世界の人はそういう人が多い。(ちなみに踊り子さんがステージの上でお客さんの実名を大きな声で呼ぶのは止めた方がいい)

 

 ともあれ、ストリップというのは、彼らのような働き盛りの立派な男性を結婚させないという魔力をもつ。

 私も、ストリップに嵌る時期が時期だったら、今頃独身であったかもしれないと思うと妙な気分になる。今頃、ストリップ劇場で嫁さん探ししてたりしてね。この娘を嫁さんにしたいなぁという目つきでステージを眺めていたり・・とか。みなさん綺麗なので目移りしながら時が経ちやっぱり今でも独身かな。いやいや、その前に、今の踊り子さんで私なんかの嫁さんになってもいいと言ってくれる殊勝な方はいないだろうな(笑)

 

 

平成19年6月