私のストリップ日記から思い出深い話をさせて頂きます。あの日も暑い日でした。

 

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小泉まなさん(東洋時代は胡桃沢まり奈さん)の引退に立ち会ったときの話。

夏休みを利用して浜劇に行きました。ステージ前方に座っていたので、ポラタイムの時に、まなさんがお客さんと話すのが聞こえてしまいました。

 正直、耳を疑いました。まさか引退、しかも今週限りなんて。あわてて、当日来ていたまなさんファンの方にこっそり確認したところ、引退は間違いないこと、そしてまなさんが静かな引退を望んでいるから騒がないでほしいことを教えてもらいました。そのとき、楽日にもう一度仙台から来ようと心に決めました。

 

 まなさんは私がストリップに通い出した7年前にデビューし、ずっと応援してきたので、なんかストリップ同期生のような感じ。同期のサクラ散る・・・私にとって引退の衝撃は小さくありません。

今回、たまたま夏休みで浜劇に観劇していたから引退の週に出くわしましたが、まったく予告のない引退の場合は知らずに過ぎてしまうことになります。前触れのない引退というのはファンにとってはショックなものです。

踊り子さんの引退には「予告ある引退」と「(予告なしの)突然の引退」の二つがあります。例えが悪くて申し訳ありませんが、前者は余命いくばくのガン告知みたいなもので、後者は交通事故で突然別れるようなもの。同じ別れでも、相手への接し方が変わります。

 

DX歌舞伎の雨木夕紀さん。H18年4月の渋谷道劇で会って以来しばらく休業しているなと思いきや、持病の腰痛が治らないこともあり、そのまま引退してしまいました。2003年11月のデビューですからまだ2年を過ぎたばかりなのに。思い返せば、夕紀さんはいつも私の文章を褒めてくれました。ものを表現する人にとって褒めてくれる人は貴重な存在です。どれだけ励まされて書く活力を与えてもらったことか。また、夕紀さんはポラを撮るたびに「恥ずかしがらないでエロポラも撮りなさいよ」と言ってくれたっけ。今さらながら、もっとこうしておけばよかった等、いろんなことが頭を過ぎります。

東洋の小森まみさん。H17年末、引退するという噂を聞き、仙台から渋谷道頓堀劇場に足を運びました。ポラタイムでまみさんに引退を確認したとき、私は思わず涙ぐんでしまいました。「やだぁ~元気だしてよ。ヨン様なんだから」と逆に励まされてしまう始末。以前、ヨン様のことを手紙に書き、私もストリップ界の微笑みの貴公子になりたいと記してから、まみさんは私のことをずっとヨン様と呼んでくれました。

若松劇場所属のいりえまこさん。H18年のお正月に、10月に引退することを知らされました。今年に入ってから彼女の引退興行が続いています。可能な限り応援に行くようにしていますが、なかなかスケジュールを合わせるのに苦慮していました。そんな中、7月に仙台ロックにいりえまこさんが突然出演が決まりました。ロック系でないまこさんの出演ですから最初信じられませんでした。これは神様からのプレゼントだと小躍りして喜び、毎日のように会社帰りに仙台ロックに通いました。まこさんもあの笑顔でとても喜んでくれました。

 

 引退の場面に接するたびに「出会いというのは別れの始まり」なんだと痛感します。出会いがあるということは着実に別れへの一歩一歩が進んでいるということなんですね。

 

 なぜ人は、別れの辛さを知りながら、たくさんの人と出会うのでしょうか?

  それは別れの辛さは人に出会うことによって癒されるからだと思います。

 以前、下の娘が幼稚園の頃、同じクラスの女の子が交通事故で亡くなりました。両親と幼い姉妹の四人家族でドライブ旅行していたところ、酔っ払いのトラックが後ろから衝突・炎上。軽乗用車だったので後部座席の姉妹は即死。父親は姉妹を助けようとして火傷の重症。前に乗っていた身重の母親は軽症ですみました。二人の子を同時に亡くした両親の絶望は想像の域を超えます。私はその両親と幼稚園のPTAやお遊戯会で何度か会話を交わしていました。同じ年頃の子を持つ親としてとても他人事ではありません。その両親を絶望の淵から救ったのが3人目の誕生でした。「生命は生命によって救われる(癒される)」。あのとき私はそう実感しました。

 出会いと別れというのはそういうものではないでしょうか。

 

 改めて「一期一会」ということを感じます。いま会えた一瞬を最後と思って接する。

いつでも会えると思っていた踊り子さんにもう会えなくなる・・・いなくなって初めて気付く存在感というのがあります。いつでも会えるというのは本当に有難いことだと思います。まさに字のごとく「有ることが難しい」から有難いのですね。

後悔しない付き合いというのは、相手の有難さを知りながら接することですよね。

 

私は持論として、ファンと踊り子さんとは一定の距離を保ってお付き合いすべきと考えていますが、ストリップを通して人との付き合い方をいろいろ教えられます。家族でも友人、会社同僚でも付き合いの根本は同じなんですね。踊り子さんもファン、お姐さん方、劇場関係者などとのお付き合いは同じではないかな。

 

 平成18年8月20日(日)、浜劇の楽日はとても暑い日だったせいか、目から汗が止まらない一日でした。

一回目のステージ、ベッドショーの時にうっすら涙を浮かべていましたが、そでに戻った直後、感極まったまなさんの号泣が聞こえてきました。

四回目のラストステージ、桜吹雪舞う花道の中をまなさんは去っていきました。彼女はたくさんの人に愛され、小泉まなというドラマを立派に演じきりました。

これからの彼女の人生に幸多かれと祈ります。

 

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平成18年8月                              浜劇にて