今回は、ストリップ・カレンダーという話をします。
ビジネスマンにとって、時間の区切りというのは極めて重要。
私は実はこう見えて経理畑の仕事で数字ばかり扱っています。こうやって文章を書くのはあくまで趣味の世界です。会計にはone year rullという原則があって1年を決算としてのひとつの区切りにします。だいたい会社/役所というものは、年度、四半期(3ヵ月)、月次が一般的区切りになっていて、これ毎に予算を作っておき、活動実績が予算より良かったか悪かったかを対比していきます。私も長い会社生活の中でこの習慣が身体に染み付いています。
さらに月の中を区切る単位というのは、会社には正式にはありません。これは個人の領域の話になり、あくまで自己の活動状況を管理するのに使っているに過ぎません。
ところがところが、ストリップに通いだし、私の中に10日毎に刻むという新しい時間区分が導入されました。これを勝手に『ストリップ・カレンダー』と呼んでいます。
私のように、ストリップが生活のリズムになっている者にとって、今週の土日はどこの劇場に行くか、誰の応援に行くか、というのが10日刻みで考える習性が身についてしまいました。会社の時間の区切りよりも、自然とこちらが優先的に頭に浮かぶようになってしまったほど(笑)。
劇場の香盤情報と自分の会社スケジュールを眺めながら、10日間の行動を決めていくわけですが、このひとときが楽しい。合わせて、お気に入りの踊り子さんにどういう手紙を書こうかと悩みながら、また日々を楽しんでいる。ストリップ・ファンとして、こういう生活のリズムを楽しむことは、生きている張りを感じさせてくれます。
合わせて、区切りが増えた分、一年が経つのが早い早い!!
ある仲良くしてもらっている踊り子さんのお手紙の中に、「仙台→博多→川崎の大移動も大変で、長いなぁ~と思ってたけど、あっという間に50日経ってしまいました」。 踊り子さんは地方巡業が多いので移動だけでも大変ですが、しかも連投となるとまた身体もきついですよね。「地方から帰ったら季節が変わってたりというのもしょっちゅうです」。忙しいと四季の変化を味わっている余裕のないまま時間が過ぎてしまいます。四季だけでなく、一年だってあっという間に過ぎていきます。「21歳でデビューして、もう今年で25歳です。びっくりびっくり、ついこの間デビューしたような気もします(笑)」。
彼女が言うように「踊り子を仕事にしていると、時が経つのが早い。あっという間に月日が流れてしまいます」。これはまさに実感だと思います。だからこそ「1日1日を大事に過ごさないといけませんね」という気持ちになるのでしょう。
時間というものの特質に、区切ると短くなる点があげられます。区切らないとだらだらと長く感じますが、区切ることによりメリハリができ、時間に追われだします。だから、あっという間に時間が過ぎていきます。現代人というのは、どんどん時間を区切っていき、一日のスケジュールまで分刻みにしているほどです。だから時間に追われるのも当然です。
一方、区切った分、時間の内容は濃いものになっていきます。学生時代は一週間のカリキュラムで回っていました。だから、今の一週間に比べて若い頃の一週間はより鮮明な記憶になっているわけです。
話は変わりますが、「体内時計」って知ってますか?
地球の1日が24時間なのに対し、人間の本来持っている1日の単位は25時間なのです。もし光も音も温度も1日中変わらない条件の中で生活すると、ヒトは25時間ごとに寝たり・起きたりする事になります。この25時間1周期を1時間早めて、24時間で1日の周期に合わせる事ができるのが体内時計です。私たちは太陽の光を浴びる事で、視神経を通して体内時計を1時間早めるリセット・ボタンを毎日押しているわけです。
つまり、人間は無意識のうちに無理やり一日一時間を短縮させていることになります。時間的余裕を一時間失っているわけです。じっとしていてもストレスがたまるわけですよ。
私のようなストリップ・ファンにとっては、太陽の光と同様に劇場内の照明ライトを浴び、そして音楽が鳴ると、ストリップ時計が作動し、自動的に一日の時間を4ステージに分けてくれるようです(笑)
生きる上で時間の概念というのはとても重要なものです。
何にどう時間を使ったかが人生そのものになります。
私は今こうやって楽しみながら文章を書いていますが、時間に追われ出すとこういう書きものはできません。仕事だけでは生きているのがきつくなるから、こういうプライベートなことを楽しめる時間的余裕をもたないと人間はやっていけないのだと思います。
今の私にとって、ストリップというのはまさに生きている充実感です。
人生を楽しむために、ストリップ・カレンダーを小脇にかかえ、ストリップLifeを楽しんでいきたいものです。