今回は「ストリップの写真集」のお話です。

 

H18年秋にエンタイトル出版から「Love Dancer」(大駅寿一撮影、A4判120頁、3,000円税込)という写真集が発売され、多くのストリップ・ファンが買い求めている。表紙の水橋みくさんが昨年引退してしまったのが残念だが、昨年度の人気舞姫40人が掲載されている。私の知っているストリップ仲間で40名全員のステージを観たことのある人は1名だけ。そういう私もステージを観たことのない踊り子さんは関西系の1名だけだった。(それは牡丹さん、・・あれっ踊り子情報を検索しても出てこないからもう引退しちゃったのかなぁ~惜しいなぁ~笑)

人気のある写真集だけに、劇場に持っていって踊り子さんにサインを頼む客が後を絶たない。たまたま数人の踊り子さんが同じ劇場に出演している時には踊り子さん同士で回してサインしてあげているようだ。しかし、そういう客が多過ぎて踊り子さんの負担が大きくなったためか、最近、新宿ニューアートでは写真集へのサインを有料にしたぐらいだ。

劇場通いしてポラをたくさん持っている私なんかは、いまさら写真集を買いたいとは思わないが、地方などでなかなか劇場に行けないファンにとっては、こうした写真集は貴重なものだろうと思う。

 

 さて、先日のこと。

 仙台ロックのラウンジに、昔の写真集「ストリッパー名鑑」が置いてあった。常連さんが昔を懐かしむようにページをめくっていた。

今のストリップ業界では私はかなり踊り子さんの顔を知っているものと思われているせいか、ある常連さんからその写真集を見せられて「この踊り子さん、知ってますか?」と聞かれたが、ほとんど知らない方ばかりだった。今10年選手になっている方だけが何人か知っていた。彼女たちのデビュー当時の写真を見て、若かりし頃の写真に思わず笑みがこぼれた。

 私が8年前にストリップを観だしたときにステージを拝見させてもらった踊り子さんが何人かいて、懐かしさに胸がキュンとした。彼女たちのストリップ歴の晩年にたまたま居合わせた幸運を今更ながら嬉しく感じた。

 仙台ロックの社長さんは殆どの方を知っていた。遠方から来ていた常連さんも一緒に加わって思い出話に華が咲き出した。同じ踊り子さんを知っているというだけで仲間意識のような親しみを覚えてしまう。急に仲が良くなるのが面白い。

 

 その写真集を見ながら昔の踊り子さんは綺麗な人が多かったんだなぁ、と改めて見入ってしまった。その頃にタイム・トラベルしてステージを拝見できたら、どんなに感激するだろうか。(^0^)

 私はストリップにはまり始めた8年前、最初は若松劇場にしか行ってなかった。少し足を伸ばして関東周辺の劇場に初めて行った時、系列が違うこともあり初めてお会いする踊り子さんが多く、凄く新鮮なトキメキがあったのを憶えている。タイム・トラベルしたら同じような感激があるのかなぁ。

 

 違う劇場に行くということは空間をトラベルすること。その点、過去に遡るということは時間のトラベル。

 どちらも異次元の世界であることは確か。系列が違えば、踊り子さんや劇場の雰囲気も違う。同じように、現在と過去も踊り子さんが違えば同じ劇場でさえもきっと違った雰囲気になるのだろう。おそらく、その時代その時代のカラーがあるのだろう。だから、今の踊り子さんたちも過去の人になれば綺麗な踊り子さんとして語られることになる。今と昔を比較して、どちらの踊り子さんが綺麗だなんてナンセンスな話なのだ。

 ちなみに、あるベテランの踊り子さんに聞いたところ、「昔は厚化粧で、やはり舞台に上がるからにはバッチリ決めたいという意識があったのでしょう。今は薄化粧が主流ですね」

と言っていた。

 

 今から過去に遡ってストリップを観劇することはできないが、こうやって、その時代その時代を彩った名華を写真集でながめてみるのも楽しいものだ。いま応援させて頂いている踊り子さんたちも、いずれ写真集という形で、あるいはファンの心の中で、懐かしい思い出として残るのだと思うと、しみじみとした郷愁を感じを得なくなる。

 

 

平成21年3月                          仙台ロックにて