『矢島愛美メモリアル』 ~年末のDX歌舞伎~
● 連投でDX歌舞伎(2008.12.1~12.11)
川崎ロックの感動冷めやらぬうちに、すぐに連投でDX歌舞伎となる。
私は、川崎ロックのメモリアルをすぐに執筆しておきたいと思った。そして、DX歌舞伎出演中に愛美さんに渡したい。川崎ロックの感動が余韻として残っているうちに渡したい。やはり、手紙やメモリアルは生ものであって、美味しく読める賞味期限があるような気がする。
そう思って、川崎の楽日前日と楽日にメモリアルの骨格を決め書き進めていた。ところが、その2日間がもっともドラマチックで書き足したいことがたくさんあった。愛美さんに渡す期日を次の土曜日(12/6)と決め、それまでに仕上げないといけない。期限は5日間。しかしながら、その間、仕事も忙しく、出張もあり、なかなか時間が確保できない。その週は、いつものように仙台ロックへも行かず時間を確保。夜中に書くと、想いが込み上げて涙で筆が止まるため、最後は朝早く起きて書き上げた。
読み直すたびに追記・訂正したい気持ちになるが、それをやり出すと切りがない。仕上げたからには、内容のチェックよりも早く渡したい願望が先走る。誤字脱字やてにおはを気にするより、一時も早く、この気持ち・感動を愛美さんに伝えてあげたい。
自分で言うのもなんだが、このメモリアルは私の感動集。感動メモリアルである。愛美さんは必ず感動を共にしてくれるものと信じている。
● 突然の出張
予定では、今週は12/6(土)と12/7(日)の2日間だけ応援に行く予定だった。
運のいいことに、他の人の代打で12/3(水)に突然東京出張が決まった。日帰りだが、夜行バスを使えば、仕事帰りに劇場に寄れる!仕事よりも先に愛美さんに会える嬉しさが先走っている私。
仙台駅でいつも通り、好物のくるみゆべしをお土産に買う。なんか毎回同じで芸がないかな、とふと頭を過ぎる。次はなんか変えた方がいいかな・・・。
出張の仕事は中国関係の会議。中国の新会社からもたくさん出席。まかり間違えば私が中国側に居た。そうなっていれば、こうやって愛美さんと仲良くなることもなかったわけで、いろんな偶然が今を作っている。愛美さん流に云えば、それも必然なんだね。
会議はエンドレスと聞いていたが、意外と5時定時に終わった。喜び勇んで新宿へ向かった。
劇場に着いたら丁度2回目のフィナーレが終わったところ。ステージ真正面の席が空いていたので、そこに座った。3回目の最初から観劇。
愛美さんには事前にメールで連絡していたが、てっきり4回目だと思っていたらしく驚いた様子。「こんばんは。ビックリですが早くに会えて嬉しいです!! 」
● メモリアルを渡して
遠征予定の12/6(土)と12/7(日)を前にして、川崎メモリアルが出来上がって、1日でも早く手渡したかった。そのため、前日12/5(金)、4回目のステージに間に合うように会社を早退して東京に向かった。その日の朝、事前にメールで劇場に伺うことを愛美さんに連絡しておいた。
予定通り、4回目前に新宿に到着。お土産を買ってこなかったので、すぐに花屋によってピンクの花一輪を求めた。川崎メモリアルに花をそえたい気分。
もちろん愛美さんは喜んでくれた。「感動のメモリアル、ありがとうございます。感想・感じたことはブログに書いた通りです。」
そう、川崎メモリアルを渡した翌朝、ブログを見て大感激! なんと言っても、昨日渡したピンクの花と一緒に写った二枚の写メが目に飛び込んできた。なんて素敵な写真だろう。私のことを想って撮ってくれている実感が伝わってきて、天にも昇りたい気分になった。さらに、綴られた言葉にじーんときた。
「今日も会いにきてくれて、応援ありがとう!!
おやつにお花、手紙もありがとう☆
手紙に感激して泣きました。
デビューからのあいみ、自分で忘れていた自分が見えた。
それと、自分じゃない場所に自分がいる。
好きになってくれる、みんなの中に確かに存在する自分の姿。
あったかいよ、
嬉しい。。」
ブログという公共の場で、こういう感想を書いて頂き恐縮至極。
● いつも楽しい仲良し楽屋だね
今回の公演の香盤は次の通り。
1番目: 虹歩さん(札幌ニューカジノ所属)
2番目: 葉山凛さん(DX歌舞伎所属)
3番目: 森優希奈さん(池袋ミカド所属)
4番目: 矢島愛美さん (ロック所属)
5番目: きりしまひなさん (ロック所属)
6番目: 矢崎茜さん (ロック所属)
手紙を読むと、今回のメンバーとも仲良くやっている感じで安心。「今日、初日からワイワイした楽屋で、なんか3日にしてもう楽日?くらいの仲良し楽屋ですよ(笑) それと、今さっき知りました・・。ひな姐さんがキーストンでした(笑) ロック組、3人姉妹がまた出来てしまいそうですよっ!!」
今回の公演で、愛美さんの他に、きりしまひなさんと矢崎茜さんが出演しているのが嬉しかった。以前は、広く浅く応援していたものの、最近は愛美さんに偏っているため、他の姐さん方にはご無沙汰している。そういう中で、ひなさんは1月の引退を控えているし、茜さんは仙台ロックにのらないために随分久しぶりだった。今回たくさんステージを拝見して応援できたので良かった。二人とも凄く喜んでくれた。
二人ともデビュー以来仲良くさせて頂いており、間違いなく性格のよい方。だから、愛美さんとも仲良くしてもらえればいいなと思っていた。だから、ブログを見ていて、楽屋の雰囲気にいつも微笑ましさを感じていました。愛美さんがいるとみんないい雰囲気になれるんだね。愛美さん自身も楽しいのか、ブログの更新スピードが速い速い。お陰で我々も楽しませて頂いてますよ。
● たくさんの応援
また、川崎ロックに引き続き、これまでファンになった方々が日替わりで応援に駆けつけてくれているようだ。何と言っても、これが愛美さんにとって一番の元気の素。「この3日でまたたくさんの方が会いに来てくれて、デビューから変わったと褒めてもらって、どんどん自信がつきます。」「不安がなく、リラックスしてきているというか・・みんながいてくれるって安心感かな。とにかく気持ちが深く入るので踊り甲斐ありますよ!!」
そんな中、私のストリップ仲間たちも愛美さんの応援に駆けつけてくれているのは私としても嬉しいこと。まさに友達の輪。
その1人、相葉さん。「そうそう!! 昨日、アイバさんが太郎さんのコト話してくれたんで、ビックリしたのですが仲良しなんですか?」。相葉さんも熱心なストリップ・ファンでよく劇場で会い仲良くなった。川崎ロックの近くに住んでいて、終演後に二人で飲みに行ったりする。仙台ロックにもよく来て、仙台で飲みに行ったこともある。11月の仙台ロックでも、今野梨乃さんの応援で初日に来ていた。愛美さんのポラを3枚ほど買ったよと言っていた。私は仙台初日の相葉さんのことを仙台メモリアルにも書いている。「アイバさん・・・(仙台メモリアルの)登場に気づいてなかった(笑)なんか太郎さんと仲良しなのは意外です。」今回のDX歌舞伎では、彼は矢崎茜さんの応援で毎日通っている。私が愛美さんを一押ししているのを知っていて、ポラを買って応援してくれているのが嬉しい。
12/6(土)の朝一に劇場前で石川さんと会えて盛り上がった。川崎ロックで愛美さんを気に入ってくれたようだ。「あ、今日もお友達がいて楽しそうですね!! サンタコスチュームなどプレゼントしてもらったので早速着ます☆」彼がUFOキャッチャーで手に入れたものらしい。「石川さん、レターもくれてプレゼントも色々・・・とても優しい方で愛美もお会いできて嬉しいです。彼は名前を名乗りたくないようで、前回もシールでニコニコマークと顔が書いてありました。」
もちろん、常連ファンも次々と来てくれている。12/7(日)の早い回には、なおやくんが来てくれたようだ。ペコちゃんグッズをたくさん持参で。4回目に入った私とはすれ違い。楽日にはPさんが来てリボンを投げてくれたようだ。
これまでファンの数がどんどん増え続けた。そして、これからも増えていくことだろう。
愛美さんの魅力に気づいたファンはずっと応援し続けてくれると思う。私のように(笑)。
ひとつだけアドバイスしておきたい。
一般的に、ファンというのは気まぐれなところがあって、応援してくれていたと思っていたのに、急に応援してくれなくなったり、他の踊り子さんの方にのりかえたりすることがままある。その原因を一言で云うと、飽きてくるから。最初は新鮮だったものの、だんだん興味・関心が薄れてくる。これは厳しい現実。もちろん踊り子さんは飽きられないように新作を出したりして必死に努力する。しかし、長く踊り子を続けると、「飽き」が癌細胞のようにはびこってくる。
この癌細胞への特効薬があるとすれば、それは「愛」なのだと私は考えている。愛というにも個人毎に捉え方は違うだろうが、単純にこう考えたらいい。お客の顔を見つけたときに心から喜ぶ。ファンはその喜ぶ顔が見たくてまた会いに行きたくなる。それが自然にできたときに、踊り子とファンの間に愛が存すると私は考えている。愛とはコミュニケーションでもある。コミュニケーションには、目で、笑顔で、言葉で、手紙で、といろいろ手段がある。
愛美さんには「愛」が満ち満ちていると感じているよ。だから私は愛美さんから離れられなくなっている。
● 2008年を振り返り
ブログにこう書かれてあった。
「少し前の手紙(これは私の手紙ではないな)に、あいみにとって2008年がどうだったか聞かれて返信できなかったのでここに書きます。
今年は、【矢島愛美】と出会えた年。
自分が何なのか、何をしたいのか、たくさん考えた。
なんとなく、勢いで始まった踊り子だけど、
今は踊り子じゃない自分が考えられない。
むしろ、踊り子として自信と誇りを持てるまでになった。
もちろん、まだゴールは見えないけど。。
矢島愛美の自分を見つけて、たくさんの出会いがあった。
嬉しくて、楽しくて、感動して。
人生初めての体験ばかり。。
心がいっぱい揺れた。
一言じゃ言えないけどね、今年は素敵でした。
まだ終わりじゃないから完結しないよ(笑)
矢島愛美を見てくれて、いつも気にかけてくれる方々に、
ありがとう!!」
これに対してファンの優しいコメントがたくさん送られて、愛美さんも喜んでいた。「そして、それを見たみんなも色々感じてくれましたね。コメントがとても嬉しかったです。」
そのブログを見た時、私としては、愛美さん自身がここまで踊り子として自信と誇りを持てるまでに成長したのに、どうして引退を考えてしまうのかなぁと矛盾を感じてもいた。しかし、彼女が「決める」ことなのだから仕方ないと自分に言い聞かせた。だからこそ、できる限りたくさん彼女のステージを見て、ひとつでも思い出を増やしていきたい、そういう必死な気持ちで今回も観劇していた。
「引退についてですが、初めから太郎さんとPたんにしか言う予定なかったので安心して下さいネ。Pたんとそういう話になって、後は太郎さんにだけ相談というか伝えておこうと思ったんです。限られた公演を一緒に、大切にメモリアルにして欲しかったので。人は一生しかないから、今この時をいかに楽しく充実させるかですよね。明日が来ることだって、当たり前のようで、わからない未知の世界。人の命ってスゴイと思う。生かされてるって奇跡だって思うんです。満足に動かせる体をいただいての踊り・・・自分にしかできないこと・・・今日も一つ一つ感じながら頑張りますネ☆」
そんな中、今週最後という12/7(日)の4回目ポラで愛美さんから次の手紙をもらう。
「さすがに今回のレターの内容は引退シリーズですね。あいみ、だいたいの目標がたってきました。少なくとも20代のうちは楽しく踊り子をしていると思います。思えばまだ23歳、5年経っても28歳、30歳になっても人生折り返しではないのだから・・・。」
こらー、てっきり1年くらいかと思い、今まで泣きたい想いをしていたのにぃ~。でも、良かったぁ~。ホッとしたというか、めちゃ×2嬉しいよぉ~。
「今はあせらず、かつ日々大切に生きていきます。ストリップを卒業してしまったら戻ってくることはないはずなので、今しかいれないこの世界をとにかく楽しく、学びの場として活用したいのです。人間関係にしても仕事にしても、この場にいるとより多く学べます。そして泣き、笑い、時に悲しくなり怒り・・・(笑) 梨乃ねえさんもブログに書いていたけど‘人間らしく’いられます。」
こういう心持ちになってくれて、ファンとして嬉しい限りです。
そして、また今回もラスト・レターにやられました。胸が熱くなりました。
「太郎さんとのお付合いも今年スタートしたばかり。もっとお話したいと思うし、想い出も作りましょう!! 男女としての付き合いも大切ですが、太郎さんとは兄弟のような、頼れて何でも話せる関係です。そんな方とデビューしてすぐに出会えた愛美はラッキーです!! 2008年、ラッキーでした!! 本当に今年はお世話になりました。来年もヨロシクです。」
私の方こそ、愛美さんと出逢ったお陰で、2008年最高のストリップ・ライフを送れました。
● 今年ラスト公演は福山第一に決定
5日目の手紙に次の公演予定が決まったことが記されてあって正直驚いた。「さっきTELがあり連投決まりました。‘福山第一劇場’初のりです。広島らしいですね。最近思っていたコトがすぐ叶ってしまいビックリです。何が美味しいのかな~そういうのも楽しみです。」
私は土地勘が全くなかったので、広島第一と福山第一を同じものと勘違いしていた。ちょうど来週から2週連続で広島第一でロック特別公演がある。新人の優月遥花さんが浅草ロック公演で飛んだという話が聞こえていたので、てっきり彼女の穴埋めかと思い込んだ。ところがインターネットで調べてみたら、広島第一と福山第一は同じ広島県ではあるが全く違い、福山は岡山県との県境。しかも、福山第一はしばらく休館していて今年の7月に再開したばかり。踊り子さんは2~3人しか出演しない。ちょうど今、吉沢伊織さんともう1人の二人公演中。
最初、こんな淋しい劇場に我らが愛美さんを出演させたくないと思った。私としては、こんな時こそ10日間でも休みをとって側にいてあげたい。しかし、来週は予算編成のピークと重なるから土日も休めそうにない。福山まではどう考えても応援に行けそうにない。行きたい思いはあったが、期待させるわけにはいかず、愛美さんには正直に「行けないこと」を伝えた。
合わせて、愛美さんに対して、今回の福山行きも踊り子を長く続け稼ぐためには仕方ないこと、特に今週出演中の吉沢伊織さんは一年間で3 週位しかオフがないという頑張り屋さんで稼ぐためにはこういう劇場を拒否することができないこと。福山の香盤を見ると、ロックでも相馬ルイさんや黒崎優さんが近々のる予定になっている。この際、客の少ない劇場でまったり気分を楽しみ、美味しい郷土料理を堪能したらいい。福山市は尾道市の隣なので尾道ラーメンは美味しいはず。どんなときでも楽しくやることを心がけなければやっていけない。まぁ、この点は愛美さんは大丈夫かな。
そのため、愛美さんは今回が私との今年最後と、何度も挨拶してくれましたね。「次の福山で今年ラストかもしれません。そうすると、今回明日で今年最後のご挨拶かな? 2008年、太郎さんと出会った年、お世話になりました。ありがとうございます。。。」「本当に今年はお世話になりました。来年もヨロシクです。」
それに対して、私は歯切れが悪いと思ったかもしれませんが、実は今回を今年最後にしたくない思いを密かに抱いていました。それが福山行きにつながります。運良く12/15(月)に東京出張が入ったこともあって、無理すれば福山に行くことも可能になりました。あとは無理をするだけです(^0^)。
福山行きは私にとってもサプライズです。
私にとって、このメモリアルが、私のストリップにおけるライフ・ワークになりました。今年最後の公演をどうしても途切れさせたくありませんでした。