『矢島愛美メモリアル』 ~空白の二ヵ月~

2008.8.11~10.10)>

 

 

●   苦悶の日々

 

 仙台ロック公演の10日間が過ぎ、私はひとつの燃え尽き症候群に陥ってた。頭の中は愛美さんのことでいっぱいになっている。愛美さんの情報はブログで知れるが、コミュニケーションの手段としてはメールを出すしかない。最初のメールは8月13日、こんな内容。

「リアルタイムのおはようですね。

今はもう東京に着いてますね。

実は私も深夜バスで今朝東京に着いています。今日から会社の正式の夏休み。

今朝ブログを見て、愛美さんも一緒に仙台から離れたのを知ったばかりです。

 

あらためて仙台ロック公演、お疲れ様でした。

仙台を楽しんでもらえたことを心より嬉しく感じています。

 

私としても記念すべき最高の週でした。

あっ、お礼を言うのを忘れていましたが、

楽日前日、新幹線からメールをうち、すぐにお返事を頂けたことに感激してました。

本当にありがとう。

愛美さんとたくさんコミュニケーションできたこと、感謝×100♪ 忘れません。

 

また、花束を喜んでくれて凄く嬉しかったです。

楽日に渡すことは考えていましたが、日曜日であり花屋がなかなか見つからず

焦りましたが・・・どうにか渡せてホッとしました。

ふつう楽日に花を贈りますが、当然荷物になるのでそのまま劇場の屑かごへ、と

思っていましたが、

ブログを拝見して、こんなに喜んでくれている愛美さんを見て、

私の方こそ感激していました。

ホテルまで持っていってくれているし、

なんと鳴子温泉へのバスの写メにも載っていますね。

愛美さんが喜んでくれてお花冥利につきます。ありがとうね。

 

りりか姐さんとの2人旅、楽しかったようですね。

実は七夕祭りのときに時間を頂ければ鳴子温泉に連れて行こうと考えていました。

私のプランは、2人でゆっくり温泉につかるわけにはいかないので(希望があれば

日帰りコースで銭湯代わりにつかるつもりでしたが。

愛美さんのお風呂好きは知っていたので)

そのまま鳴子峡を抜け、山形に入り、米沢牛ステーキを食べる予定でした。

ですからブログを見て、なるほど同じようなことを考えているかと笑っちゃいました。

次回仙台に来るときに、良かったら。。。ですね。。。

鳴子峡の秋の紅葉は絶景です。ただ雪が降ったら鳴子峡は渡れませんが・・・

 

改めて、今回の愛美さんの仙台ロック初出演は最高でした。

あまりにも楽しかったので現在私は抜け殻状態(笑)

仕事の忙しさで気を紛らわしている感じ、、、

11日と12日とも4ステージ目から仙台ロックに顔を出し、

アゲハさんやまなさんから15日まで皆勤して!と言われましたが、

もう愛美さんが楽日を迎えた時点で私は燃え尽きていました。

仙台ロックのホスト役として責任を果たした充実感としばらく会えない寂漠感が

いりまじった感覚を彷徨っている感じかな。

今は愛美さんのブログがとても楽しみなんです。更新よろしくです。

 

またメールさせていただきます。

気が向いたらメールもくださいね。」(8月13日)

 

8月16日、私の誕生日。千葉の自宅に帰省していたら、愛美さんからお祝いのメールを頂く。私の誕生日をいつ教えたかなぁと思いながらも、歓喜する私。

「あいみは以前よりもやることが増え、充実した毎日になってます。
新作を考案中です。
曲はだいたい決まりました! 」

 仙台ロックが終わってから、ますますストリップに情熱が湧いてきているのが分かり、私としても嬉しい。

 

 愛美さんは残りの夏休みを楽しんでいるようだ。りりか姐さんとも何度も会っている。

「ブログ、見てますよ。

今年は『超夏休み』を過ごしていますね。

仙台ロックも仕事とはいえ、夏休み満喫でしたものね(^0^)

『超夏休み』の立役者はりりか姐さんですね。

ほんと大親友になりましたね。最高の出会いがあった夏ですね。」

 ただ、次の香盤はなかなか決まらない。

「まだ香盤が入っていないようなので、しばらく会えませんが

お身体に留意して元気に過ごして下さい。

愛美さんのことだから、夏休みが終わっても、

次はすぐに秋休みを楽しめそうですね。

新作も考えているようなので楽しみにしていますね。」(8月23日)

 

私は愛美さんのブログを見ながら、何度もメールを打った。

次の香盤が決まらない不安からか、随分ブルーな内容のブログがあった。

「ブログの更新が遅れているので愛美さんのことが気にかかる・・・
ブルーなことをブログで書いているし・・・心配・・・
悩み事でもあるのかな・・・
ちょうど女の子の日なのかな(失礼!)
一ヶ月に一度くらいはブルー・デイがやってくるんだ。。。

愛美さんの素晴らしさは、
天真爛漫なパワーと強いプラス思考にあると感じています。

でも、愛美さんが時折り見せる、女性らしい弱さ、脆さみたいなところも
私には魅力的に思えますよ。
デビュー時の不安やポラが売れなかったときの落胆など・・・
何度か落ち込むときがあったと思いますが、そんなときこそ、
応援してあげよう! 支えてあげなくては! という気持ちにさせられました。

だから、1月に一度のブルー・デイも必要なのかも、、、
勝手なこと言ってごめんね。
なにはともあれ、愛美さんの元気が今は私の元気の元ですよ。
早くステージにのってほしいなぁ~ 早く会いたいよ♪」(8月27日)


私は16日の誕生日以降、21日23日27日と三度メールを打ったが、愛美さんからは全く返答がない。

 

●   恋に落ちて ~小田ソングを聴きながら~

 

 私は恋に陥っていた。愛美さんのために何か役に立ちたいと思えば思うほど、何も出来ない不甲斐なさに焦りの気持ちが増す。もう私なんか必要ないのかな。

 この夏、私は小田和正さんの曲ばかり聴いていた。小田さんの曲は学生時代に好きでよく聴いていたが、その後はあまり聴いていなかった。それがスキマスイッチの大橋さんの曲を聴いていて、たまたまB面で小田さんとのコラボ「たしかなこと」という曲が耳に残り、また小田さんの曲が聴きたくなった。私は大学時代、オフコースやチューリップをよく聴いていた。恋をするたびに彼らの曲がバックボーンにあり、それが失恋の思い出につながっている。彼らの甘いハイトーン・ボイスと優しい歌詞とメロディーが恋心に沁み込んで来る。今回改めて小田ソングに耳を傾けると、「切なさ」というフレーズが随所に出てくる。恋には喜びとともに何倍もの切なさが伴うことを小田さんはよく知っているのだなと思う。切なさとは読んで字のごとく、相手との関係が切れている悲しい感情を指す。愛美さんへの感情が切なくて切なくてどうしようもなくなる。

 私は小田ソングに導かれて、学生時代のピュアな心に舞い戻っていた。

 

 恋をすれば現実が襲ってくる。そもそも叶う恋ではない。

 若い愛美さんが中年で身障者の私を相手にするはずがないではないか。相手は踊り子さんで、おまえは単なる客にすぎない。それ以前に、家庭持ちの中年男が若い娘に恋するなんて許されるわけがない。おまえは何を考えているんだ!と内なる声が聞こえてくる。

 分かっている、分かっているんだ・・・

 

●   留守電が入る

 

 愛美さんへの悶々とする気持ちを、仕事の忙しさとストリップで紛らわす日々が続いた。

 そんなある日、愛美さんから電話が入る。日曜の夜8時頃、携帯が鳴った。ちょうどその時、私は新宿ニューアートにいた。地下で、かつストリップの騒音もあってか、私は携帯音に全く気づかなかった。

 その晩、深夜バスに乗り込んで、初めて愛美さんからの着信に気づいた。留守電に懐かしい愛美さんの声が入っていた。「話がしたくて電話しちゃった」と言っている。涙が出そうになった。まだ私のことを気にかけてくれていたんだ。翌朝、すぐにメールを入れた。

「今朝、仙台に戻ってきました。
仙台は小雨が降っており、東京に比べれば涼しいのですが、 まだ半袖で十分。
長袖のシャツだとまだ暑苦しい感じかな。

4日間東京出張だったので、会社に着いたら、 朝からバタバタしっぱなし。
ようやく落ち着いたのでメールしている次第です。

昨夜はお電話いただいたのに気づかなくてごめんなさい。
夜行バスに乗り込んだときに目覚ましをセットしようと思い、留守電に気づきました。
せっかくお電話頂いたのに、肝心な時に役に立たなくて、本当に申し訳ないです。

悩み事でも、気晴らしでも、なんでもいいので、気が向いたときに、連絡ください。
メールでも、お電話でも・・・
私でよろしければ喜んでお相手させていただきますよ。

ちなみに、昨夜は留守電で愛美さんの声を聞けたお陰で
なんか幸せな気分で寝付きました。
バスの中でしたが心地よく眠れました。ありがとうね。

いまさらながら、8月も終わったな、、と思うこの頃。
愛美さんのブログにも「ありがとう、2008年夏。」とあったので
すごく気持ちが理解できました。
私にとって、今年の夏は愛美さんそのもの、という感じでした。
春に出会って、そして、とてもいい夏を経験。
そのせいか、秋の気配を感じると感傷的にもなりますね。
次のステージが決まらず会えない寂しさもあるからかな。。

ブログを見て、愛美さんのことを想いつつ、
またポラやお手紙を整理したりしながら(愛美さんのCDを聞きながら♪)
いろいろ文章を書いたりしています。
忘れたくない思い出がたくさんあるので、
私なりの『矢島愛美メモリアル』にしたくて。
いつか私小説の材料にしようかな(笑)


気が向いたら連絡くださいね。」(9月2日)

 

「元気かな?

お昼休みに、昨夜のブログを見て
なんか気になってメールしました。

『ここ数日、自分が何してたっけ?と思うような状態。。』
『考え過ぎると、いっぱいいっぱいになっちゃう』
『涙はいっぱい出るし、胸が痛かったりしています。』
こうした言葉の端々が自分の中でひっかかってきます。

先日、愛美さんの方からお電話いただいたのに
失礼してしまって・・
そのままになっているのも私としても気掛かり・・


なにを悩んでいるのかな・・

スケジュールが決まらなくていらいらしているのかな・・
来週9月中は夏木りりかさんが新宿ニューアート、
安藤アゲハさんも川崎ロックにのるからなぁ~
愛美さんも早く決まってほしいなぁと私も心から願ってます。
ステージで踊っていることが悩み事から開放される一番の薬だと思います。

でも焦っても仕方ないですよ。
夏木りりかさんも安藤アゲハさんも最初のうちは思うようにスケジュールが
入っていなかったと思うよ。スケジュールで悩んでいるのだったら
お二人がいい相談相手になってくれると思うよ。(もう相談しているかな)

それとも他のことかな・・


愛美さんにはたくさんの友達がいるようだし、
あまりプライベートに介入するのは失礼だから、
私はあくまでファンとして応援させて頂こうと控えめに考えています。
なにかあればメールでもいただけるものと考えています。

ただ愛美さんさえよければ喜んで話し相手にはなりますよ。
私は今週の土日は東京にいます。
土曜の夜でも食事ができるといいですが・・
気が向いたら連絡ください。」(9月5日)

 

この二通のメールに対しても、愛美さんからは何の返信もなかった。恋人でもなんでもないのだから、愛美さんが私に返信する義務はない。私が勝手にメールしているだけのこと。返信がなくてもしかたない。

あまり連絡したら、むしろ迷惑になるかもしれない。そう思って、それからはメールを入れるのを控えようと思った。

ブログで日々の状況を把握できるのがせめてもの救いだった。

いつものように、仕事とストリップで気を紛らわせていたが、同時にデビューした島谷小百合さんのステージを見ていたら愛美さんのことを思い出すし、川崎ロックで安藤アゲハさんと愛美さんのことを話したりするたびに気になってどうしようもなくなる。9月後半に次のメールを打った。

 

「お久しぶりです。
今日は土曜日出勤でただいま会社からメール中です。
お休みの人も多いので、仙台ロック並みにまったりした雰囲気です。
ちょっとコーヒー・ブレイクさせていただきます。

元気にしているかどうか、毎日ブログは見ておりますよ。

ちょっと更新していないけど、いまも沖縄かな?

今週はキーストンの吉沢伊織さんが仙台ロックに出演中。
9/16~20と5日間と短いのですが、
『あれっ? キーストンは沖縄旅行じゃないの?』と聞いたら、

仕事が入ったので行けないとの返答。

9/15に川崎ロックに行きました。
トップは安藤アゲハさん。相変わらず元気で、私のことを見つけて喜んでくれました。
『愛美さんはなかなか次の香盤が決まらないね』と話したら、
『あいみんのコース、入ってないですね・・・。本人も心配しているみたい。
でもきっと近々入ると信じてます。』とのコメントが返ってきました。

もちろん、私も信じて待っています。
毎日ブログは見ているし、愛美さんのことを想わない日はないですが、
仕事とストリップで気を紛らわせています。
早くステージを見たいです。」(9月20日)

 

●   大阪東洋に出演決定

 

 いつも一方通行なメールではあったが、愛美さんへどうしても私の気持ちを伝えたかった。返事なんてなくていいと割り切ってもいた。

 そんな中、ついに朗報が飛び込む。ブログで大阪東洋に出演が決まったことが掲載。

 私はすぐに喜びのメールを打つ。

 

「おはよう!

そして、公演決定おめでとう! 心より喜んでいます。

 

土曜日にメールを入れたら、

その晩すぐに沢山のブログ更新。

公演決定を喜ぶ愛美さんの気持ちが飛び込んできました。

 

大阪東洋とは驚きました。

浅草ロック並みに大きい綺麗な劇場です。

あそこの劇場にのれるのは選ばれた踊り子さんばかりです。

(東洋とロックの子だけ)

確実に知名度が上がり、そこで人気に灯が付けば全国区になります。

これからの愛美さんの活躍が楽しみです。

 

10/11(土)は休みではないのですが、

有休にすれば三連休になるので、

なんとか大阪まで行けるかなと画策しています。(笑1)

 

愛美さんのブログを見ていたら、魅惑的な背中とヒップライン、そして

手ブラの、二枚の写真にクラクラきました。

たしかに社長が褒めるようにダイエットできたようですね。

いつもお酒ばかり飲んでいるイメージが強かったので(失礼!)

よくダイエットに努めたなと感心しました。(偉い!)

その成果を実際にこの目で確かめたくなりました。(笑2)

 

ということで、東洋では末席で応援したいと思っています。

(末席といいながら真正面の席かもしれませんが・・)

私には、公演決定を祈ることと、ステージを見守ることぐらいしか

できませんが、心より応援させて頂きます。」(9月22日)

 

 そして、ついに愛美さんから返信がきた!!!!

 

「お疲れ様です。返信遅くてごめんなさい。

これまで、たくさんの悩み、葛藤があり。。
正直また踊り子を諦める方向までいきました。

まずひとつにスケジュールの件、
これが入らない限り不安でしょうがなかったです。
そして収入。
ほんとにギリギリな感じで、よく今生活してるなという日々でした(笑)

沖縄へ行ってから、ロックの方と親密になれた感じもあり、(バナナボート効果(笑))
来月の東洋以降、関東中心にスケジュールを入れてくれるとのこと。
休みがなくなる可能性もある気がしてきましたが、愛美的には今はとにかく踊りたい!
なので泣くほど嬉しいです!!

太郎さんにはあまり心配かけたくなかったので、気持ちが固まってからこうしてメールをしたかったんです。

東洋では新作を出せるかもしれません。
今、選曲を少し固めたので、ゆきねぇさんに振り付けをお願い中なんです。
3日くらいで振り付けを完成させてくれるので、10月入ってレッスンと、りりかねぇさんと衣装を探しに行きます♪

blogに書きますが、太郎さんには1番の報告です。
楽しみにしていて下さいねっ(^.^)
前向きに頑張っていけそうです!」(9月24日)

 

 このメールは私を本当に嬉しくさせた。

 

●   愛美さんを通じてストリップを楽しむ

 

 大阪東洋が決定してから、それに向け、愛美さんは忙しいけど充実した日々を送る。

 私は私生活の邪魔をしたくないのであまりメールは出さないようにしていたが、たまに私が出したメールにも返信があるようになる。

「遅くなりました、ごめんなさい。
新作準備をしたり、大阪前にやりたいことして、バタバタしてます。
今、髪型に悩んでるところ。。
新作に合わせて幼く前髪作ったけど、色はどうしようかなぁと。
金曜日はネイルもやって、バッチリ女の子気分で関西へ出向きますo(^-^)o
太郎さんと会えるのも、あいみの楽しみの一つ!
お互いに体調管理気をつけて、笑顔で再会しましょ♪ 」(10月6日)


 この2ヵ月の空白期間で、愛美さんもたくさん苦悩したことだろう。でも結果オーライとなり、この日々が決して無駄でなかったことが後々分かってくる。

 

 一方、私もこの時期、一緒に苦悶していた。そして、私も心の整理をしていた。

 結婚以来の初デートがあまりにインパクトがあった。でも、1人の女性として愛美さんに恋心を抱いてしまったことは、それ自体恥ずることではなく、後々いい思い出として残るはず。恋には喜びと切なさが背中合わせであるに過ぎない。

 私と愛美さんは、踊り子と客として出会った。やはり、それ以上にもそれ以下にもなれない。私個人が愛美さん個人を愛そうにも、愛美さんが踊り子をやっている以上、それは無理な望み。踊り子は1人の男性のものにはなれない。そのことは私自身ストリップ・ファンとして十二分に理解している。

 

 前にも、愛美さんへの手紙やストリップ・エッセイの中で、ストリップというのは「見守る愛」であるという話をしている。踊り子と客は、男と女であるから恋愛感情が出てきても不思議ではないが、踊り子というのは客みんなのもの。まさに象徴的な存在、つまり天皇陛下が人間ではあっても一般庶民と一緒に生活できないのと同じ。ファンというものは、応援を通じて他のファンと一緒にステージを盛り上げていくもの。俺が俺がという考えは許されない世界なのである。

この点は一般の恋愛形態と大きく一線が引かれる。本来、男は好きな女が出来ると他の男ができないように囲い込みをする。囲い込みというと表現が悪いが、他の男に渡さないために必至で女を守ろうとする。そして自分の子孫を彼女に身篭らせる。それが長い人類としての恋愛の仕組みなのである。ストリップにおける恋愛形態はこれとは全く違う。やきもち焼きの男には全く馴染まない世界。恋愛というより、むしろ「遊び」と割り切ってしまえばそれでいい。実際、ストリップは男の娯楽にすぎない。しかし、私は単純に遊びと割り切れないもんだから、こうして悩んでしまう。

 だが愛美さんへの想いがエスカレートしていけば、人気の出た愛美さんが困ってしまう。踊り子とファンとしての関係まで壊れてしまう。それは私の意とするところではない。

 私はひととき矢島愛美を愛そうとしたが、そうではなく、矢島愛美を愛することを通じてストリップを愛し楽しんでいくべきなのだ、と思うようにしている。今までとなんら違わないスタイルで、これからも一生懸命応援してあげたい。そういう関係が私と愛美さんとは一番いい形なんだ。愛美さんもきっとそう願っているはずだ。

 

この二ヵ月の空白は、私にとって、これから長く踊り子としての愛美さんを応援するために、とても意味深い時期となった。

すっきりした気持ちで大阪に向かい、東洋で精一杯応援したいと思っている。