私は、ステージ真正面の盆のセンター席によく好んで座る。大体そこはかぶりの特等席。かぶり大好きな客が好んで座るものの、ただ狭くて出ずらいこと、そしてあまりに正面すぎて避ける客も多い。しかし、私はそういうのは全く苦にしないし、どうせ見るなら一番踊り子さんに近いところで心置きなくかぶりつきたいと思っている。

 つい最近、ロックH16年組の方と二週連続でDX歌舞伎でお会いして、お二人から嬉しいコメントを頂いた。

 一人は杏野るりさん。「かぶりつきセンター席は太郎さん専用席にしてほしいな(笑)」とは嬉しいコメントだった。その理由を丁寧に話してくれ、私を喜ばした。「太郎さんが正面に座ってくれてるとすっごく踊り甲斐があります。」「お客様が少ない時や、知ってる人があんまりいない時でも、太郎さんがかぶりにいると『僕がいるから大丈夫だよ』て言ってくれてるみたいで安心するの。」「今日ね、1&2回目はかぶりつきのセンターに知らないお客さんが座ってたんです。3回目は太郎さんが座ってくれたでしょ。やっぱり、踊りやすさが全然ちがうんです。太郎さんは、こちらが心を込めて一生懸命踊ると、その分笑顔と拍手で返してくれます。昨夜もラストまで太郎さんがセンターにいてくれて、このまま時が止まればいいのにと思ったよ。」

 もう一人は矢崎茜さん。「太郎さんがいると安心・・・かぶりつきに太郎さんの人形でもおこうかな」なんて嬉しいジョークを言ってもらえた。

 

 お二人とはH16年のデビュー以来、いつもかぶりつきでステージを拝見させてもらっている。だから、私がかぶりに座っているのが自然なのだと思う。いつもたっぷりサービスしてもらっている(笑)。それにして、こんな嬉しいコメントを頂き心から感謝したい。

 

 お礼に、こんな詩を作ったのでプレゼントさせて頂きたい。

 

『見えない手で抱きしめて』

 

 きみがステージに現れる

 まるでメルヘンの世界から飛び出てきた妖精だ

 可憐で、永遠の美しさをもつ

 同時に、妖精のようにはかなく、すぐ壊れてしまいそうな脆さを覚える

 きっと、自信がなく、不安でたまらないのだろう

 

 ぼくはいつでもステージの正面にいて

 きみのことを待っている

  さあ、ぼくに向かっておいで!

  なにもこわがることなんてないよ

 ぼくがしっかり守ってあげる

 

 恥ずかしがらないで胸元を開いてごらん

 恥ずかしがらないで足を開いてごらん

 恥ずかしがらないで心を開いてごらん

 ぼくが全てを受け止めてあげる

 

 うれしいことがあったら一緒に喜んであげる

 つらいことがあったら一緒に泣いてあげる

 ぼくが全てを受け止めてあげるよ

 

 ストリップだから触れられないけど

 ぼくの魂は‘見えない手’となって

 ベットの上の君を優しく、そして強く抱きしめる

 

ストリップは見守る愛

 ぼくはいつもきみの側にいる

 ステージの正面できみを見守っている

 

 

平成23年5月                          DX歌舞伎にて