今回は「クール・ビューティ」というテーマで話をします。

 この「クール・ビューティ」というのは呑兵衛のエビスさんと話している時に彼が言った言葉で、意味は「綺麗だけど愛嬌のない踊り子さん」のこと。

 言葉の響きがとてもいいので耳に残りました。可愛いからと「クール・プリティ」という言い方ではなんかしっくりいかない。

 

 具体的には、この「クール・ビューティ」は四季野愛さんの話題から出たものです。

 この3月で池袋ミカド所属の四季野愛さんが引退されました。昨年末にTSの早瀬みなさんから彼女の引退の話を聞き、引退前にもう一度ステージを拝見したいなと思っていました。ちょうど1月にDX歌舞伎に出演されたので観に行きました。

 私は彼女のステージを見るのは今回で3回目。彼女はH16年7月デビューしましたが、私は池袋ミカドには行ったことがなく、なかなかステージを拝見する機会がないまま、今回はH16年12月のDX歌舞伎、H17年8月の渋谷道劇以来の3回目となりました。

 改めてステージを観劇し、四季野さんの美しさに見とれました。ルックスもいい上に、なんといっても色白でスタイル抜群のヌードが最高でした。バストとヒップが大きく、女性らしい丸みのあるボリューム感はたまらないものがあり、ヌードで現れた瞬間に華を感じました。他のお客も同様に感じたのか、彼女のヌードは観客をただただ黙らせました。

この人はストリッパーになるべくしてなった方だと思わずにいられませんでした。まだ若いし、デビューから2年も経っていないのに、辞めるなんてなんて勿体ない・・・本当にそう思いました。

 

 前二回ステージを見たとき、私はポラを撮りながらお手紙を差し上げました。ところが、まったく反応がありませんでした。私の手紙に興味がなかったのか、それ以前に読んでくれたのかどうかも分かりません。そうなると、次の手紙が書けなくなり、素敵な踊り子さんだと思いながらも、結局彼女を追う気持ちがなくなってしまいました。

 今回は、最後ということで、引退が惜しい旨の内容の手紙を書いて渡しました。

 返事が来ることを全く期待していなかったのですが、驚いたことに返事が来ました。

 以前私がお手紙を渡したことを覚えていたこと、あのときは忙しくて返事ができずに申し訳なかったとのこと、彼女は基本的に返事をしたいタイプであること、が分かった。愛さんから、池袋ミカド劇場もいいところなので是非遊びに来てほしい。更に、気に入った踊り子さんには一度や二度返事が来なくてもめげずにどんどんお手紙を出してほしいことまで書かれてあった。

 返事を何度も読み返しながら、彼女とは親しくなれたんだなぁと後悔するものがあった。

「一期一会」という言葉が浮かんだ。まさに一瞬の出会いを大切にしないとこうなるということかもしれないな。

合わせて、冒頭のように彼女を「クール・ビューティ」と呼ぶ人もいるが、きっと本当の彼女の顔を知らないんだろうなと思った。

 

もうひとり、ロック系の成瀬美穂さんの話をしたい。

 私は彼女のことも「クール・ビューティ」と思い込んでいた。理由は四季野さんと全く同様で、二回の手紙に全く反応がなかったためであった。

 先日、仙台ロックに来演されたとき、なんと二年ぶりにお手紙を差し上げた。このときも返事は期待していなかった。

 ところが返事が来た!!!  美しい字で、しかも私の手紙にしっかり反応してくれている。驚くやら嬉しいやら。

 その後も、とても気さくにコミュニケーションしてくれる。そうなると、私は毎日のように仙台ロックに通い、せっせとお手紙を渡すようになる。そのときには、美しい人は字まで美しい、あの美しさは聡明さから出たものか・・・などなど勝手に思い込んでいる自分がいる(笑)。

 会社帰りに何度か仙台ロックに通ううちに、美穂さんが私の顔を見て「おかえりなさい」と言ってくれるようになった。時に、ラストステージでお客からの差し入れのビールを美味しそうに飲む美穂さんを見て、お酒の話題を手紙に書いたら、「お酒を飲み過ぎちゃだめよ」と書いてある。何度も通ううちに「お金がもちますか」と私の財布まで心配してくれる。

いずれも私がいつも女房に言われている言葉だ。

手紙には「私なんかに言われたくないかしら」と一言添えてあるが、嬉しくないわけがない。美穂さんが出演されていた週は、美穂さんは私にとって女房代わりだった。

夜な夜な美穂さんに会って、彼女のベットショーを見てから帰宅すると、不思議と寝付きがよかった(笑)。

のろけ話が過ぎたが、それくらい感激するものがあった。

返す返すも、美穂さんを「クール・ビューティ」と思い込んでいたことは私のストリップ人生最大の思い違いだったと深く反省するものがあった。

 

四季野愛さんと成瀬美穂さんとの一件は、いろんなことを私に教えてくれた。

思いつくまま列記すると・・・

1.     先に述べたが、気に入った娘には一度や二度あしらわれても、めげずにアタックすること。熱意はいつかは伝わる。しかし、しつこすぎるのは問題と思うが。

2.     お二人とも言っているが、忙しいときや興行などのときは返事をしたくてもできない。仙台ロックの場合は時間に余裕があるのでゆっくり返事も書ける。つまるところ、相手の事情を汲み取ってあげることが大切。

3.     ポラが全てではない。ポラを通じて感じることがあっても、それはある一面であって、けっしてそれで全て分かるはずもないこと。当たり前だが再認識したい。

 

ホント、私は人を見る目がないよなぁ、と自分の未熟さを痛感させられた次第です。

 

平成21年2月                           DX東寺にて