浜劇の公演が終わってからもずっと舞さんのことを考え続けています。舞さんのポラロイド写真を見ながら舞さんのことを思い返し、また頂いたお手紙を読み返しながら、楽しかった浜劇でのひとときを思い出しています。

恥ずかしながら、舞さんに私のストリップ日記を披露します。

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「私の前にストリップの妖精が現れた」  

 今の私が表現できる最高の言葉を舞さんに贈らせて頂きたい。

 彩星舞(あやせ まい)・・・語呂のいい、その名前を聞いただけで心にときめくものを感じる。彩・星・舞、その一字一字がストリッパーとして輝く文字だ。彩星は最初から与えられたものらしく、舞という字だけ自分で決めたと彼女から教えてもらった。ステージを舞うイメージ、彼女はまさにストリップ界を彩(いろど)る星になれる逸材だ。この娘はストリッパーになるべくしてなったんだと確信させられた。

 

 H20年3月2日(土曜日)、浜劇に観劇に行った。

 舞さんは浅草ロックでデビューして、今回が2回目の公演。ただ、ショーアップされた浅草ロックは一般の劇場と一線を画するので、一般劇場デビューとしては今回が初になる。以前は新人さんは一般劇場デビューがほとんどだったが、最近はなぜか浅草ロック・デビューが増えている。踊りのできる子はその方がいいのかもしれない。

 トップバッターでステージに現れた瞬間、私は彼女に目を奪われた。

 外見は・・、まず気に入ったのがキュートなルックス。どこか女優の内山りなさんに似ている。プロポーションも抜群。形のいいバスト、胸元にある二つのホクロが印象的。おしり大好きな私の心がくすぐられるほど小股の切れ上がった大きくてセクシーなヒップ。外見だけで十分魅了されてしまったが、なんといってもダンス・センスの良さが光る。

 1曲目は、黄金色のラメが入っている衣装に身を纏い、ゴージャスにダンスを決めていく。2曲目は「エスタ ノーチェ」というタイトル。この曲は私の大好きな「ジレンマ」という曲のカバーである。ノリのいい曲に合わせて、舞さんのステップ、腰のフリがかっこよく決まっていた。衣装を黒でまとめ、グレーの帽子を小粋にかぶる。黒という色はダンスをきびきびとした張りのあるものに変える。彼女のステージの中で最も彼女らしさが表れているところ。そして、黒の衣装のままベッドへ移っていく。ベッドでの黒は今度はしっとり感に変わっていく。身体全体を使ったポーズ/表現、サービスたっぷりのオープン度、これまた最高のベッドに大満足した。

 ステージではかっこよくダンスを決めるために笑顔を出さない。一見、クール・ビューティ(綺麗だが愛嬌のない人)かと思いきや、ポラ・タイムではとてもフレンドリーにお客と接してくれる。ポラ・ポーズもオープン以外はお客の要望にこころよく応えていたのでポラも売れていた。

 私はステージ向かって右側前方に座り、ポラ・タイムではすぐ近くにいたため彼女と客とのやりとりもよく聞こえた。ツーショットでは専属カメラマンとしてお手伝いできた。お陰で、ポラの合間に舞さんと目や口で語り合え、凄く嬉しかった。エロポラのときなんか、私もつい身を乗り出して見入ってしまった。舞さんから、「ポラのとき見られるのは恥ずかしい・・・(笑) じっと見られると恥ずかしい・・・太郎さんどんどん近づいてくる(笑) 楽しいけど」(お手紙より)。ははは(笑ってごまかす私)。

 

 H20年3月8日(土曜日)、今週2回目の浜劇。

 舞さんと初めて会い、また会いに来たくなった。来週また来るね、と約束。再会を楽しみにしながら仙台で一週間を過ごし、金曜日の夜行バスで仙台から東京に移動。翌朝五時半に東京駅に到着、そのまま横浜に向かい、浜劇の前に到着したのが6時過ぎ。もちろん一番のり。場所取りしてから、近くのインターネット喫茶で時間つぶし。

 1回目のステージが待ち遠しかった。トップバッターの舞さんが先日と同じ席に座っている私を見つけ、さりげなく微笑んでくれた。「さっきはダンスのとき、すぐ太郎さん見つけて嬉しかったよ」(お手紙より)。ポラ・タイムで最初に並んでいた私に向かって「太郎さーん! ホントに来てくれたんだ」と嬉しそうな笑顔。まさか忘れてはいないと思っていたが、これほど喜んでくれるとたまらない。「さっきは目合ったの気付いた?  太郎さんちょうどこっち見てなかったよ(笑) 」(お手紙より)。そう言われたからには次の回から目を皿のようにして彼女の目線を追っかけたほど。(笑)

そのうえ、「お手紙、読み返したの。すごく感動して泣けてきちゃったの」と言われたときには私の感激はピークに達した。「手紙、すごい勉強になった!! 本当、私も感動するっていいことだと思った。たまに笑顔が出ないときも、少しある。だいたい眠いときとか、恥ずかしいとき・・・(笑) ダメだ!!って思うとよけい笑顔ができなくなるんだよ。でも太郎さんのお手紙をいつも読み返して少しずつだけど、理解できるようになったよ。本当にありがとう!!」(お手紙より)。私自身、この手紙を読んだ瞬間に、恋に落ちた!(正確にはファンに落ちたと言うのかな) 初日も、毎回お返事を頂いた。これで気をよくしたが、今回のお返事は私の心に深く刺さってしまった。もう彼女の虜になっている自分に気付いた。

 毎回、私の手紙を読んでくれ、お返事を頂く。それに対して、私は持参した手紙の余白にびっしり手書きのコメントを書き加える。時に、余白が足りなくなり手紙の裏面にびっしり書き込む。文章の量に舞さんが驚く。「太郎さん、ごはん食べる時間はちゃんとある? 」(お手紙より)。いろいろお喋りしたいことがたくさんあって、書いても書いても足りない気分。

 実は当日、夜行バスで来たせいか、寝不足で疲れがたまってて、時間潰しのインターネット喫茶でも筆が全くすすまなかった。なんとなく元気がなかった。ところが、舞さんに会って、こうやって手紙のやりとりをしているうちに元気百倍になった。あらためて男にとって女とは元気パワーの源だと感じた。男を元気にする女性というのはホント魅力的だ。そういう意味からも舞さんは最高の踊り子さんだ!

 あっという間に楽しい一日が過ぎてしまった。私は途中から、明日も来ようという気持ちになっていた。舞さんにもその旨伝えて、また翌日会いに行った。

 

H20年3月9日(日曜日)、今週3回目の浜劇。

 1回目のステージ、また舞さんから嬉しいお手紙が返ってきた。「きのうはゆっくり休めた? 今日は楽日で特別な日だから朝まで眠れず・・・太郎さんのお手紙を読み返してた・・・」。これには読んでいた私は嬉しくてメロ×2状態になってしまった。

 踊り子さんはダンスで表現するアーティスト。私は文章のアーティストだと自認している。だから私の手紙やエッセイは私の作品。私自身ともいえる。その私の作品を愛でて、朝まで読み返してくれたなんて感激以外のなにがあろうか。

「ストリップの話も童話も全部感動してるよー!! すごいね、太郎さんの童話、何であんなこと思いつくの? 本当にプロみたい・・・浜が終ったら休みだから、もっとゆっくり読むんだ。」「太郎さんにはいろんなこと教えてもらってる。童話もすごいね。何でそんな能力あるの?! うらやましい・・・」「童話すごい面白いよ。太郎さんプロになれるよ!! すごい発想力! 私も書けたらなぁ・・知識ないから無理だね(笑)(泣)」「太郎さんは何でこんなに詳しいの?! びっくりするよ・・・踊り子の大切なことがいっぱいあって教えてくれてありがとう。すごく難しいけど教えてくれてよかった。」こうした私のことを褒めてくれる手紙の文言がアーティストとしての私の自負心を何度も何度もメロメロにした。

文章だけでなく、イラストまで褒めてくれた。「手紙に書いてる絵、すごいかわいい。太郎さん上手だね」(お手紙より)。

舞さんとの手紙のやりとりは楽しかった。一日中、舞さんとデートして、楽しいお喋りをし、時に大きな瞳に見つめられ、時にすてきなヌードを眺めながら、楽しい楽しいデートの時間が過ぎていく。舞さんから、「明日で楽日、早かったよ、さみしい。太郎さんも明日帰っちゃうんだね・・仕事だからしょうがないけどさみしいよー。私は一人でもがんばらないと!!」 (お手紙より)。

 

H20年3月10日(月曜日)、今週4回目の浜劇。

  前日、月曜日は東京で仕事があるから、仕事が終わったら会いに来るよと伝えておいた。午前中に仕事が片付いたので、2回目の舞さんのステージに間に合った。私は夕方来るものと思い込んでいた舞さんから「太郎さん、お仕事、大丈夫なの?」と尋ねられるが、もちろん仕事はちゃんとしてきたよ。

 今日は舞さんにとってデビュー週(?)の大切な楽日。三日連続で観劇できた幸せを噛み締めていた。どんな感動の楽日になることかと期待。舞さん、きっと感動して泣くんじゃないかと思っていた。また、そのことを舞さんへの手紙にさりげなく書いたりした。

 

 4回目のステージ、楽日ラストがやってきた。舞さんがどんな想いで踊っているのかは計り知れないが、ステージはいつも通りに始まり、いつも通りに淡々と終わった。

 クライマックスはポラ・タイムに来た。当日は平日のためか客は少なかった。そんな中、舞さんに花束を贈った二人の男性がいた。

 一人は50歳位の眼鏡をかけた男性Aさん。3日間通っている私にはAさんの記憶がなかったが、当日3回目のポラのときに舞さんとポラの返却について言い合っていた。Aさんがポラを返してもらっていないよと舞さんに言い、舞さんは絶対にポラを返却したわと言っていた。横で聞いていた私は、こいつ結構しつこいやつだなぁと思っていた。Aさんが絶対にポラを返してもらっていないと主張するので、最後に舞さんがもう一度バケットの中を確認したらポラがぽろっと出てきた。結果的に舞ちゃんの方の勘違いで、舞ちゃんがずいぶん恐縮していた。まぁ、そういうことはままあるので気にしなくていいよ。ちなみに、私はそのやりとりを聞いていて、Aさんは単なる一見客なのかなと思っていた。ところが、ラストに小さな花束を贈っているのを見て、なんだ彼も舞ちゃんのファンだったのかと見直した。Aさんから花束を贈られた舞さんは感激した様子だったが、涙は見せなかった。

 次に、花束を贈ったのは私よりもかなり年配、おそらく50歳後半の男性Bさん。この方は前から劇場でよく会っているストリップの常連さんで、今回の舞さんの公演中毎回会っている。私の後にいつも舞さんのポラを買っていた。傍から見ても、ずいぶん舞さんのことが気に入っているのが分かった。おそらく舞ちゃん目当てで皆勤しているんじゃないのかな。そのBさんが先のAさんより大きい花束を舞さんに贈った。その瞬間に破顔した舞ちゃんの瞳が涙で溢れた。

 最高においしい瞬間をこの高齢のBさんがもっていった。  

Bさんの応援は決して派手ではない。毎日通って、毎回ポラを買い、そしてラストに花束。とても静かな応援だと思うが、静かだからこそ舞ちゃんを想う密やかで強い気持ちを感じる。恋に年齢は関係ない。相手を想う気持ちが純粋であるかどうか、要は「こころ」の問題。舞さんを感動させ泣かせたものは、花束ではなく、Bさんの心のこもった「静かな応援」。静かな応援だからこそ踊り子さんの心に大きく響いたのだ。 

おじさん、おそるべし!!  

舞さんはおじさん好みの女性なんだろうな。(私も立派なおじさんである、ははは)

ともあれ、舞さんの涙を見ながら、感動の涙はいつ見ても美しいな、と私自身すごく感動しながらステージの舞さんを眺めていた。

デビュー週(?)だからこそ、そこにドラマがある。

 

 舞さんは、ストリップの女王蜂になれる存在。たくさんのミツバチが女王蜂に群がっていくことだろう。

きっとかっこいい男性が周りを囲んでいくのだろうな。その点、私はなんの取り柄もないおじさん。静香ちゃんを想うのびたくんの気持ちかな。私にはドラえもんがいないが、手紙という道具がある。運良く舞さんが手紙好きだったのが私の唯一の救いだった。「土曜日からお手紙やりとりして凄く楽しかったよ、ありがとう。10日間の浜では太郎さんと会えて良かった! 私も川崎までのお休みはゆっくり手紙と童話を読み返すね。」(お手紙より)。

今後とも、舞さんを想う熱い気持ちを手紙に託して毎回届けたいと思っている。

 

 

平成20年3月                           川崎ロックにて