今回は、ロックの踊り子、長谷川凛さんについて、「雪の妖精」と題してレポートします。

 

2015年に入り、お正月から毎週、大阪に遠征している。

1月結の香盤は次の通り。①青山ゆい(東洋)、②翼裕香(ロック)、③柏木由紀奈(ロック)、④長谷川凛(ロック)、⑤吉田花(東洋)〔敬称略〕。今週、青山ゆいさんが7周年、柏木由紀奈さんが2周年を迎えた。

 

実は昨年暮れに、ここ大阪東洋で私と同じく執筆を趣味にしている方と知り合った。私がラウンジで踊り子さんへの手紙を書いていたら「文章を書くのが好きなんですか」と声をかけられた。名前を煌崎秀一さん(きらさきしゅういち、ペンネーム)という。お顔を見たことはあったが話すのは初めて。「実は私もこんなものを書いています。よかったら差し上げます。」と言って、川村あいねさんの冊子を頂いた。私は、きちっとした形にされている冊子を見て驚いた。しかも三国志を基に、あいねさんのことを小説にしている。かなり高い教養を感じさせられた。

私もこの人は信用できるなと思い、手元にあった私のレポートをいくつか差し上げた。「私は書き散らかしているだけで、まとまってはいませんが・・」と言って渡したところ、真剣に読んですぐに手書きの感想を頂き、次に会ったときにワープロで感想のお返事を頂いた。「発想が豊かで読んでいて面白い」と褒めて頂いた。丁寧な対応に感激し、それ以来、何度か私のレポートをお渡ししている。

先週、大阪晃生でお会いして、今週、東洋でお会いするのも予定通り。長谷川凛さんと柏木由紀奈さんを応援していると聞いていた。当日、煌崎さんから、その二人用にまとめたという冊子を見せてもらったところ。煌崎さんが英語と中国語が話せるのを知って感心する。ストリップファンにはこうしたインテリな人がたくさん隠れている。これからストリップを盛り上げていくには、こうした人々の力を結集していくことも大切と感じた。だから客層にも少し、私の文章の理解者や仲間を広げていきたいと考えている。

 

さて、長谷川凛さんとは昨年夏休みに広島で会って以来。半年ぶりの再会に胸が高鳴る。

今回の出し物「SMF (Snow Magic Fantasy)」に感激。初めて拝見する作品。ちなみに、これは煌崎さんの冊子にも「雪だるま」と書いてあったな。「雪だるま」の方が分かりやすいが、最初の曲名「SMF」を演目名にしたようだ。

内容を紹介する。

最初にステージ向かって右側に大きな大きな雪だるまが置いてある。青い帽子をかぶり、手もあり青い手袋をしている。前にボタンが三つ付いている。

そこに、白い妖精が現れる。白い衣装に、白い髪飾り、白いロングブーツを履く。先端に星が飾ってあるステックを雪だるまに向かってくるくる回す。

上着をとると、天使の白い羽根が背中に見える。妖精は雪だるまと戯れる。

最後は、まるでウエディングドレスのような白いふわふわのドレスで登場。背中には天使の羽根がある。髪は後ろにひとつ結んで背中に流す。裸足でベッドショーへ。白いパンティを脱ぐとパイパンが眩しい。

盆近くで眺めるとアクセサリーがよく映えている。首にはガラス状のネックレスを巻き、更にその上に純金のプチ・ペンダント。右手中指に指輪。マニキュアがピンクに輝く。

ファンタジックな素敵な作品だなぁ~。またまた私の童心(童話心)が疼いてきた。

 

 雪というのは雪だるまに象徴されるように楽しいイメージが強い。しかし、私は秋田の雪国に育ったせいで雪はつらいもの・怖いものの象徴に映る。朝起きるのが寒くてつらいし、いつも水道管が凍っていた。寒い・不便より危険が問題。小学生の頃は田んぼの中の長い通学路を吹雪であろうと通ったし、中学生の頃は自転車通学だったが雪道は滑るためかなり危険だった。小さい頃に一面真っ白の田んぼの中を追いかけっこし、雪で見えない小川に身体ごとすっぽり落ちた体験もある。一人で這いあがれずにいたところ友達に引っ張り上げられ救われた。今でも思い出すとゾッとする。そんなこともあり、私は大学を出たときに雪の降る土地に就職したくなく今の会社を選んだ。お蔭で雪国には住んでいない。ただ一度だけ会社が仙台にある企業を買収したため仙台に四年間単身赴任するはめにはなったが(笑)、仙台は雪が少ないのでまだいい。秋田に比べれば雪が降るうちに入らない。

 そういう背景があるため、今回の演目を見ていて、「雪の横顔」という言葉が浮かび、雪は楽しいだけではないことを語りたくなった。最終的には「雪だるまの横顔」という題名にした。

 雪だるまと雪の妖精の戯れのようなファンタスチックな話を期待されていたら申し訳ないです。

 

平成27年1月                          東洋ショー劇場にて

 

 

 

 

 

『雪だるまの横顔』 

~長谷川凛さんの演目「SMF」を記念して~

 

 

 寒い寒い北国。

 雪がしんしんと降り続いていました。

 

 人々が雪の精霊に対して言いました。

「我々は一年の半分を雪の中で生活している。だから雪と仲良くしていかなければならないことは理解している。

 なのに、雪はあまりにも気まぐれで、時に猛吹雪を起こして我々を困らせる。雪の中で雪合戦をしながら楽しく遊んでいた子供たちの命を奪ってしまうこともあった。無邪気な子供たちにも牙をむくようでは、子供たちに雪への警戒心を煽らなければならない。今のままでは、雪は我々の仲間ではなく敵だと感ずる。なんとかならないものかね。」

 雪の精霊は思いました。

「雪にはさまざまな横顔がある。

時に激しく怒り、猛吹雪を起こす。これは傲慢な人間たちへの警告であったりする。

時に優しく微笑むことがある。クリスマスの夜だったり、子供たちと雪合戦したりスキーをしたりして遊ぶ。

時に憂鬱になって、しんしんと底冷えさせる。人々は共に暖をとらないと生きていけない。これが家族の一家団欒のもとになる。

人間は雪の喜怒哀楽に合わせて生活をしていかないといけない。こうした雪の気持ちがうまく人間に伝わり、仲良く共存できる方策はないものかしら。」

 

雪の精霊は、大きな大きな雪だるまを作りました。

雪だるまは、雪の気持ちを反映する表情をする。それはこんな感じ。

冴えない冷たそうな顔をする。そんなときはしんしんと雪が降り続きました。

すごく怖い顔をしています。そんなときは猛吹雪になりました。

いつもは楽しそうな笑顔です。雪と遊んでほしいのです。

時には美しい顔も見せるんですよ。よく晴れた日の朝にはダイヤモンドダストといって雪の結晶がきらきら輝いています。そうやって人々の心を洗います。

人々は雪だるまのお蔭で雪と上手にお付き合いできるようになりました。なによりも子供たちが雪だるまに懐(なつ)き、雪と仲良くしたいと思えるようになったことが雪の精霊には嬉しいことでした。

 

                                    おしまい