今回は、ロックの踊り子、長谷川凛さんについて、「広島での再会」と題してレポートします。

 

 

今年の夏休みは広島第一劇場でロックお盆特別興行を楽しむ。

二週目(8/11-20)の香盤は次の通り。①川原美咲、②安田志穂、③長谷川凛、④阿久美々、⑤小澤マリア〔敬称略〕。全員ロック。

長谷川凛さんとは昨年のGW仙台ロックぶり。一年以上経っており再会に胸が高鳴る。

前日まで凛さんの仲良しMIKAさんの応援をしていて、前乗りした凛さんとラウンジでばったり会う。凛さんが私の顔を見つけて驚いていた。まさか広島で再会するとはね!

さて、楽日のMIKAワールドから、初日の長谷川凛ワールドに場面を移す。

 

久しぶりの長谷川凛ワールドは素晴らしかった。

1,3回目の演目は「夏の情事」。夏の浜辺で出会った男女の恋物語。向日葵のような水着姿、浜辺での缶ビールの乾杯、楽しい夏の思い出。山下達郎の曲がよくマッチしている。

ベッドの後で、Tシャツにジーンズの短パン姿に着替えて最後に踊り締めするのが斬新。ひと夏の情事の後、明るく再出発する姿が爽やかで粋だね。

やるねぇ~。流石の出来栄えです。凛さんには不倫が似合うねぇ~(失礼! ペコリ)

 

2,4回目の演目は「Doll2」。最初にタキシードでばっちり決めて踊る。やはり男装は凛さんの専売特許! 男の私が惚れ惚れするほど似合っている。椅子の上の人形が一人の少女に変身。そして最後に人形に戻るストーリー。

これはそのまま童話にできそう。2回目に途中から夢の世界に入ってしまったお詫びに(ごめんなさい!)、4回目で童話の構成をしっかり確認した。今回は、あえて私流の脚色をせず、ステージの流れに忠実に沿って、すぐに童話「愛を知ってしまった人形」が完成した。翌日、このレポートと童話をプレゼントできて嬉しい。

 

自分で言うのもおこがましいが、私もストリップのストーリーテーラーとしての才能が開花し(?)仕事が早くなりました。大好きな踊り子さんとのこうしたやりとりがストリップの面白さを何倍にも増幅させてくれます。

これからも大好きな踊り子さんと楽しい時間を過ごしたいですね。

 

 

平成26年8月                           広島第一劇場にて

 

 

 

 

 

『愛を知ってしまった人形』 

~長谷川凛さんの演目「Doll2」を記念して~

 

 

 マジシャンの姿をした気まぐれな神様が現れました。

「人間になりたいという人形はおまえか?」と、椅子の上に座っている可愛らしい人形の方を向きました。

 人形は答えました。「はい。人間になって、オシャレがしたいの。たくさんの綺麗なドレスを着て、歌やダンスをやりたいの。」人形の瞳は真剣でした。

 神様は人形の願いを叶えてあげようと思いました。「ひとつだけ条件がある。人間界の男性を愛してはいけない。おまえは人形と言う無機質の物体なので、それに命を与えることは自然界の法則に反していることになる。今回、無理やり魔法で望みを叶えるが、万一、人間界の男性との間で恋愛が生ずると、魔法は解けてしまう。そのことに十分留意しなさい。」 人形は頷きました。そして、神様がマジシャンのステッキを人形の頭の上に振った瞬間、人形は素敵な女性に変わりました。

 

 人形はリンという名前を神様からもらいました。リンは自由に動く身体が面白くてたまりません。大きな声で歌いながらダンスをしました。

 ふと、ストリップ劇場の看板が目に入りました。中をのぞくと、綺麗な女性が華やかな衣装に身を纏い、光と音の中を楽しそうに踊っていました。しかも、たくさんの観客の拍手を浴びて。「これだわ。それに、お金ももらえるし。これなら一人の男性に恋することはなさそう。」 可愛らしい容姿をもったリンは一躍人気者になりました。

 

 ある日のこと。一人の青年がストリップ劇場にやってきました。

 彼は一目でリンを見初めました。それから毎日のように劇場にやってきました。リンは最初のうちは熱心なストリップ客の一人として応対していました。

 いつしかリンは彼の熱い視線を感じるようになりました。彼に見つめられると身体の奥の方が熱くなりました。彼の視線は、熱いキスのシャワーとなって降り注ぎ、ときに見えない手となって、優しくリンの身体を抱きしめました。リンは身体の奥がとろけ出し、激しいエクスタシーを覚えました。

 

運命の日がやってきました。リンは彼の顔が劇場に入ってきた瞬間に、胸が高鳴りました。そして、ベッドショーのときにとうとう身体が動かなくなりました。

青年の目が自分のことを見つめています。リンの瞳から涙がこぼれました。

「さようなら。私のことを愛してくれてありがとう。人間になれて幸せでした。」

 リンは意識が遠のく中で、マジシャンが微笑むのが見えました。

 

                                    おしまい